大臣会見

馬淵大臣会見要旨

2010年12月17日(金) 11:06 ~ 11:36
国土交通省会見室
馬淵澄夫 大臣

閣議・閣僚懇

 私から冒頭に4点ございますので、皆様にお伝えいたします。
 まず、戦略的オープンスカイ交渉の開始についてであります。
これは10月に成田空港の発着容量の拡大について地元合意を頂きまして、さらには羽田空港の国際化ということもございまして、首都圏空港を含むオープンスカイの実現に向けての具体的な各国との交渉を航空局に指示をしてきたところであります。
そこで、具体的な交渉の相手国、地域ということで、優先順位を付けました。
一つは需要の大きさであります。
そして、2点目がLCCを含む新規参入あるいは増便の蓋然性・切迫性、そして3点目がオープンスカイ実現への積極的姿勢、4点目がセキュリティーも含めて安全に関して確保されているかということ、これら4点を指標として、今後どのような形で戦略的にオープンスカイ交渉を進めていくかということで検討してきました結果、東アジア・ASEANの主要国との間で、平成23年度中の合意を目指していきたいと考えています。
その第一弾といたしまして、アジアでも特に日本との関係が深く、また航空輸送量が多いということ、さらには訪日外国人が年間160万人を数えるということで、最重点市場となっております韓国との航空当局間協議を行うこととなりました。
これは、12月21日、22日の2日間、東京で開催します。
そして、それに引き続きまして、来年1月17日から19日の日程でシンガポールと、場所はシンガポールにおきまして、交渉を行います。
さらに、2月22日から24日の日程で、マレーシアと、これはクアラルンプールで、航空当局間協議を行うこととなりました。
オープンスカイ交渉の開始ということでの御報告であります。
 それから2点目で、これも航空関係であります。
ビジネスジェットの利用促進についてでございます。
ビジネスジェットの利用促進につきましては、これも事務方に関係者と連携して検討を行うよう指示をしてきたところでありますが、今般、「ビジネスジェットの推進に関する委員会」の第1回を12月22日に開催することといたしました。
5月17日取りまとめの「国土交通省成長戦略」の中にも、このビジネスジェットを取り上げております。ビジネスジェットの利用促進については、まずは課題を解決させていかなければならないとして、この検討会の設置に向けて取り組んできたところでありますが、来春を目途に一定の方向性を示していただきたいと思っておりまして、国土交通省としては、これらの議論を踏まえて、ビジネスジェットの専用ターミナルの設置、あるいはCIQ体制、また受入れ環境の整備、こういったものにつきまして課題を解決して、ビジネスジェットの振興に取り組んでまいりたいと考えております。以上2点が航空関係です。
 3点目ですが、不動産投資市場戦略会議における報告書の取りまとめについての御説明です。
この戦略会議は、不動産証券化・流動化の基本的な在り方や市場全体を見据えたグランドデザインの検討を行うために、本年11月に設置をいたしまして、ヒアリングなどを進めながら、大変タイトな日程の中、10回開催をしていただきました。
ここでの議論の結果を報告書として取りまとめていただいたところでありまして、本日午後プレス会見にて発表させていただきます。
詳細については、この会見での説明となりますが、田村座長、赤井座長代理から御説明を頂きます。
本報告書では、不動産投資市場を取り巻く課題、そしてその対応策が示されておりまして、今後、この報告書における御提言を十分に参考にしながら、また、流動化や証券化の問題も抱えておりますので、金融庁などの関係省庁とも連携を取って、平成24年度に向けた予算要求、税制改正、制度改善などの具体策について取り組んでまいりたいと思っております。
なお、こうした内容につきましては、金融担当大臣である自見大臣にもお伝えをさせていただくことにしております。
 それから、4点目です。建築基準法の見直しに関する検討会の取りまとめについてであります。
10月19日までに計11回の検討会を開催していただきました。
深尾座長を始め、委員の皆様方に大変熱心な御議論をしていただきまして、建築確認審査手続の迅速化、制度の見直しなど、考慮すべき事項を挙げていただいたわけであります。
最終的に、座長の調整によって、検討会としての取りまとめが今般行われたということであります。
この取りまとめに従いまして、今後進めてまいりたいということでありますが、建築基準法の見直しに対して積極的な御意見、あるいは安全性を考慮して慎重な御意見と、両論が示されました。
運用改善ということを今日までやっております。
その一方で、両論に分かれるといった状況があるということ、また今後も、建築基準法のみならず、建築関連法規全体ということを考えなければならないということの中で、我々としては手続の迅速化、あるいは簡素化というものについては、必要だということは認識しつつ、今後、運用改善の強化というものに取り組んでいくべきではないかということで、私の方からは事務方に指示をしてきたところであります。
そこで年度内には運用改善についての追加策の内容をまとめて、来年夏頃には実施・施行できるように措置をしてまいりたいというふうに考えております。
そうしますと、建築基準法の改正ということについてなのですが、今申し上げたように、意見が大きく分かれるところであります。
私はかねてより、建築基準法、最低基準の見直しということで法改正をやっても十分ではない、このように考えておりました。
持論であります建築基本法の制定、これに踏み出すということで、方針を大きく前に進めるというふうに御理解を頂けたらと思います。建築基本法の制定、そしてそれに伴う建築基準法、あるいは建築士法、建築関連法規の抜本的見直しについて、今後、我々としては検討を行うということで、この基本法制定を前提においた検討会というものも設置をしてまいりたいと考えております。
したがいまして、この法律の提出ということにつきましては、今申し上げたように抜本的な建築関連法規、すなわち建築基本法の制定を前提においた見直しを行うということで、ある意味、私としては前進をさせていくという方向に踏み出したいと思っております。
建築基本法の在り方に関しましては、様々な観点がございます。十分な時間を掛けて検討していくということが必要だと思っております。
また、詳細につきましては、事務方の方にお聞きを頂きたいと思います。
この建築基準法の見直しに関する検討会の取りまとめ並びに建築基準法の取扱い、そして建築基本法の制定に向けての取組ということで、私からの報告とさせていただきます。
以上です。

質疑応答

(問)今お話しいただいた中で、最後の建築基本法の関係ですが、十分な議論をということですが、大体のめどとしては来年1年間議論をした上で、再来年の通常国会というのが視野にあるのでしょうか。
(答)基本法というのは理念を含めた正に基本的な法律になりますので、基本法の及ぶ枠組み、影響含めて議論が始まります。
どの程度の大規模な、各省にまたがるような法案なのかということも含めての議論になりますので、私はどこか一定の期限を区切るというよりも、まずは広く議論をしていただく場を作るということで、その検討会の設置ということの指示を出して準備をしてもらっているところです。

(問)小沢元代表の件で、今日にも政治倫理審査会の出席を拒否する回答をするのではないかということですが、改めて小沢元代表の政治とカネについての説明の必要性について、どのようにお考えかということが1点と、予算編成の真っ直中の時期にこうした党内が割れる可能性があるような話、動きがあることについて、閣僚の一人としてどのようにお考えかお願いします。
(答)前に申し上げたように、役員会の決定があるということですから、粛々と所属議員として党の進めることに対して見守るという立場です。
このタイミングで、というお話もありましたが、税制は昨日大綱が決まりましたけれども、私は閣僚として予算編成に全力を挙げるという立場ですから、現時点において私はとにかく予算編成に邁進するということです。
特に、時期、タイミングということについては、私の方ではコメントすることはございせん。

(問)鉄道・運輸機構の剰余金について、昨日、野田財務大臣が「ターミネーターが来た」というような御発言をされていて、折衝が続いていると思いますが、今の状況はどのようになっているのでしょうか。
(答)交渉中です。繰り返し申し上げてきたことですし、国会の答弁でも何度も言い続けてきたことです。
剰余金のみならず、予算編成全体の中で、まず我々国土交通省のポジションとしては、昨年、徹底的な歳出削減を行ってきたわけです。
マニフェストで定められた1.3兆円を達成してきたと。
そして、地方の疲弊、あるいは正に生活が第一という民主党の理念に基づけば、今この時期において、地域を支える公共事業といった枠組みが極めて重要だという位置付けの中で今、財務省と交渉しています。
この剰余金だけが別扱いという話ではありません。
予算と両建てでお話をさせていただいていますから、いずれについても私は今までの主張を覆すことはないということでお伝えをしてきました。
ターミネーターと言われたというのは、私も直接聞いておりませんけれども、野田大臣から今朝ごめんごめんと言われましたので、私の方からは「ターミネーターは進化します」と、「攻撃を受ければ受けるほど強くなりますよ」と申し上げておきました。

(問)高速道路の料金制度について、与党内で土日祝日の1,000円を継続すべきという方針が出たという一部報道がありますが、これに関する国交省の受け止めをお願いします。
(答)党内で議論をしていただいているということだと思います。様々な御意見がある中で、我々としては国土交通省としてのたたき台を提示いたしました。
国土交通省が出したものを呑んでくれというお話ではありませんし、また与党の皆さんとの議論ということで我々もコアメンバー含めて、部門、あるいは役員会という形で二役が参加をして議論させていただいておりますので、最終的にその議論が収束する方向であれば、私はそれを受け入れるということです。
ただ、現時点において、今、私どもが出したものに対しての議論ということについては、最終的な結論ということではないと思っておりますので、繰り返し我々国土交通省として出していったその料金体系に対する理念であるとか、整合性というものをしっかりとお伝えしていくということです。
報道による中身については、多くの方々が土日休日1,000円については、既に定着していると、そのことを前提に利用されているといった理由があるというふうに見ておりますし、またそういった声があることも十分承知をしております。
今後、党との協議の中で最終的に決めていきたいと思います。

(問)建設が凍結されています新しい熊本地方合同庁舎の件ですが、来年度の事業再開について大臣のお考えをお聞かせ願いたいということと、夏の概算要求段階では計上を見送っていますけれども、来年度の政府予算には盛り込まれるのでしょうか。
(答)今、編成過程の最中ですので、詳細についてお話し申し上げることはできませんが、いろいろお話を頂いております。
それぞれ自治体が努力をし、いわゆる無駄だと表現されていたものに対するその対応策、課題の解決ということもなされているということは、要望、陳情の中でも説明を頂いております。
最終的には、この予算編成過程の中で最終的に決定していくものだと思っております。

(問)出先機関の廃止、縮小によって、空き床が生じる可能性があるということでの事業凍結だったと思いますが、それについて空き床を埋めるような方策が出てきているという話がありますが、その点については承知をされていますか。
(答)今申し上げたように、課題の解決ということで取組があることは承知しております。
当初、出先機関の見直しということがありましたので、それがどういう方向に向いていくかということが不透明な状況だったということもありますが、現時点においては、総務省の片山大臣のところでアクションプランの策定が行われています。
具体的な策が進む中で、これも判断してまいりたい。
これはあと一週間ほどでありますけれども、この最終的な予算編成過程の中での判断ということになると思います。

(問)来年度の事業再開ということについては、国土交通省としてはどういうお考えでしょうか。
(答)繰り返しになります。
最終的に年末までに判断をしていくという、この編成過程の中で判断をするということです。

(問)整備新幹線のことでお聞きします。昨日、福井県の西川知事が文科、経産大臣と話合いの中で、年末までの結果次第ではエネルギー関係の協力の在り方を考えざるを得ないというような発言をしているのですけれども、それに対する国交大臣としての捉え方と年末までの考え方を教えてください。
(答)どのような発言をされたかということは私も具体的には承知をしておりませんが、北陸におかれては、関西方面の電力需要をも担うということも十分承知をしておりますので、そういう過程の中でのお話もあったかもしれませんが、髙木大臣からはこういうお話があったことはお伝えをしたいということで、昨日、髙木大臣からはお話を頂きました。
いずれにしても、これは北陸のみならずです。北海道、さらには九州・長崎ルートと、この未着工区間に対しては様々な御要望を頂いていますので、それぞれ5条件を満たすことができればということでお話をしてまいりました。
具体的には、「整備新幹線の関係道県連絡会議」が開催となっています。
これは、北海道、北陸、九州と三つの地域を今まで一まとめにして未着工区間の様々な御要望を聞いてきたわけですが、当然、地域によってその熟度や優先度というものに差が出てくる可能性があるということで、この段階ではそれぞれで分けて議論をさせていただきましょうということで、こういった議論をスタートいたしました。
さらに北陸に関して言えば、北陸新幹線敦賀以西タクスフォースという形で、これも関係者で具体的な議論ということもさせていただいておりますので、とにかく我々としては当初から申し上げているとおり、この5条件をしっかり満たしていくことが着工への道筋であるということについては、何ら変わるものではありません。

(問)15日の交政審の中央新幹線小委員会の中間取りまとめがされました。
その結果を受けてルートについて明快な一つの判断が示されたわけですが、長野県内では喜んでいるところと落胆している地域があるのですけれども、否定的なことをあえて言わせていただきますが、村井前知事も表明していることなのですけれども、10年くらい前に鉄道建設公団が、いわば国側が諏訪を回っていくBルートのかなり具体的なルートを特定の関係者に示していて、具体的な駅の位置、茅野市のどこどこというところまで示しています。
3年前のJR東海のパンフレットにも、いわゆる諏訪回りのBルートが載っていました。
地元の人からすればBルートというのが既定事実だったわけです。
地元からすれば、こういったことは方針転換になるわけです。
こういう経緯を踏まえて、単なる地元から要望していたから、そうでなかったからということではなくて、そういった経緯も踏まえて、今回の中間取りまとめからするとルートから外れる可能性が高い地域への配慮ということについて、国側としてはどういったことをお考えでしょうか。
(答)10年前のお話を私は詳細を承知しているわけではありませんが、いずれにしましても、検討の過程の中にあったという状況であり、そして今日この時点において中立的なこの審議会の中の小委員会ということで議論いただいたわけです。
これはルートだけではありません。建設主体、営業主体、走行方式、ルートということで、この四つを総合的な観点から中立的な識者の方々に闊達な御議論をいただいたということですから、私はこういった結果を重く受け止めていかなくてはならないと思います。
もちろん、こうした結果に対して様々な思いを持たれている方々がいることも十分承知をいたしますが、国としてはまず中立的な国家的な議論の中で国民のコンセンサスを得る議論をしていただいた結果でありますから、重く受け止めていくべきだと私は思います。

(問)15日に民主党のリニア推進議連の中でも議論されたのですけれども、もう少し国の関与と言いますか、例えば中間駅の位置だとか建設費だとか国が調整するような関与の仕方があっても良いのではないかとか、大阪の開業の前倒しをもっと早くするためにも国がもう少し調整を行うべきではないかという声が出ていたのですが、国の関与というものについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)国の関与については様々な御議論があると思います。
国が関与して、自分たちの思いどおりにしていただきたいという意見もあれば、あるいは国が主体的に物事を進める姿勢を示してほしいという御意見もあり、それは様々な立場からおっしゃっていることだと思いますが、附帯意見には、御指摘のあった大阪の開業の前倒しについても頂いておりますので、これは継続的な課題として議論していかなくてはならないと思いますし、後は地方の駅の負担の問題ですね。
これも自治体始め、地方から声が上がっていることも承知しております。
今回のこの中間取りまとめの中でも示されておりますのが、この駅建設費用についてというところですが、これはですね、合理的な負担の検討方法について調整が行われることが望まれるとありますので、まずは検討の在り方からしっかりと考えてくれという御指示を頂いたと思っておりますので、これを先ほど来申し上げているとおり重く受け止めて、こうした方針に則って検討を進めていきたいと思います。

(問)それは国として検討するということでしょうか。
(答)こういった附帯事項がありますので、国のスタンスとしては今申し上げたように、まずどうやって検討をしていくかということを含めて、しっかりと考えて進めていくということです。

(問)今日、明日と菅首相が沖縄を訪問されます。それについて期待されることは何かということと、御自身の沖縄訪問について今どのようにお考えか教えてください。
(答)総理が早期に沖縄を訪れたいという思いでいらっしゃったということで、6月に訪問されていますが、改めて菅改造内閣総理大臣としてこの機に訪問ということになりました。
知事も再選をされたということでありますので、沖縄と日本国政府総理大臣として、新たなステージの第一歩を記していきたいという意気込みをお持ちだと思っておりますので、私としてはまずは緊密なコミュニケーション、丁寧な説明をしてまいりたいということを政府として伝えてきたわけでありますから、非常に日程がタイトでありますから難しいかもしれませんが、知事始め関係者の方々、総理とそれこそ胸襟を開いての議論をしていただきたいと思います。
まずはそこからだと私も思っております。
私の日程そのものは、総理が沖縄訪問されてからと思っておりましたので、私の日程はその後になるということですが、具体的に年末に関しては予算編成が大詰めですので、なかなか調整は難しいと思っております。また一方で、沖縄政策協議会も年内に開きたいということで仲井眞知事からも当選後の訪問のときにお話しいただいておりましたので、こういった日程を考えると年内は厳しいなと思っております。
いずれにしても、年内が厳しければ年明け早々にでもという思いで、これも相手があることですから調整をさせていただきたいと思っております。

(問)今朝、取手市でバスの中で男が刃物を振り回して、高校生が多数負傷しているようなのですが、バスの安全対策含め何か御所感があればお願いします。
(答)詳細は承知しておりませんが、昨今こういった事件が非常に多く発生しておりますので、公共交通機関の中での何らかの規制ということになると、一方で日常的な国民の足ですから、利便性を損なうようなことがあってもなりませんので非常に難しいと思います。
ただ、何か起きたときの対応策というものについては公共交通機関の方々に、私もこの事件について詳細は分かりませんが、これを踏まえて、バスであれば自動車交通局を通じて対策についての考え方を協会等でまとめていただくなり、ヒアリングを含めて検討なり進めていただくようにお願いしたいと思います。

(問)冒頭にありました、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の剰余金の件及びその予算編成の件ですが、今日これから野田財務大臣との折衝の予定はあるのでしょうか。
(答)昨日も野田財務大臣とは複数回にわたって行いましたので、今日も何らかの回答なりお返事があれば私が出向くのはやぶさかではありませんし、いつでも何度でもと申し上げてきました。

(問)場合によっては、今日中にも決着するということも、あるいは週末土日以降、週明けということもあり得るのでしょうか。
(答)日程を急ぐことが目的ではありませんから、繰り返しになりますけれども、しっかりと要求を確保していくことが我々が主張していることですから、そのために全力を尽くすということですので、今日やらなければいけない、明日やらなければいけないということで私は動いていません。
目標、目的は要求の確保ですから。

(問)建築基本法のことなのですが、改めて建築基本法がなぜ必要なのか。どういったことを定めたいのか大臣の御見解を教えてください。
(答)私がかねてより申し上げてきたことではあるのですが、野党時代も含めて。建築関連法規の基準法、建築士法を始め、戦後、住宅が焼け野原状態から、まずは量の確保、そして量の確保から質への展開という中で、もちろん法律は様々な改正が重ねられてきました。
その中で必要とされる法律の手当てもなされてきたということではあるかと思いますが、この最低基準をというところからスタートした法律の中で果たして本当に建築そのもの全体を網羅する法律体系になっているのかということについては私自身疑問に思っておりました。
建築基本法がどこまで及ぶかということについてはこれからの議論ですが、それこそ個別規定、集団規定まで及ぶと都市計画法にまで関わってくるということで本当に幅広な議論になります。
まずは議論をスタートさせていただきたいということで、国土交通省として本格的に取り組むのは初めてだと私は認識しておりますので、その意味では基本法というものをそもそも法体系としてどういう位置付けにおくのかというところからの議論でいいと思います。
その上で建築基準法。建築基準法の中で技術的なところまで法律で定めていくということに対しては限界があると思いますので、ここも見直さなければいけないと思います。
特に今回、建築基準法の在り方について検討会議におきまして議論をしていただいた。
本当に両論併記せざるを得ないぐらい正反対の意見が出てくるわけです。
つまり、現場はそれぞれの立場で主張し合っていると。
ならばもう一度、今の建築基準法の中でこのことをいくら突き詰めていっても、最終的には結論は得られなくなってしまいかねないということで、もう一度、抜本的な法体系の見直しからやらなければいけないと思っております。
一つは関係する団体がそれぞれの立場でものを言っておられるというのもありますし、何もそのこと自体が全て問題だとは申し上げませんが、そういったところからも建築業界全体、改めて見直す良い機会になるのではないかと思っています。
大変大きな目標ではありますが、住宅局の皆さんにも、私は、皆さんが更に頭を抱えるようなことになるかもしれないなとお話ししたところ、いや、そんなことはないと。これを機に、戦後の建築関連法規の体系を抜本的に見直すという、大きな政治主導の機会だということで前向きに取り組んでいただく決意を頂きましたので、私は是非これを機に進めていきたいと思っております。


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