大臣会見

太田大臣会見要旨

2014年8月5日(火) 11:22 ~ 11:38
国土交通省会見室
太田昭宏 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
 一点御報告をさせて頂きます。
マレーシア、カンボジアへの出張についてであります。
8月12日から17日にかけまして、マレーシア、カンボジアを訪問致します。
マレーシアでは、運輸大臣、公共事業大臣、首相府大臣、陸上公共交通委員会議長等と、会談を行う予定としております。
高速鉄道の整備や、ITSに関する協力等について意見交換を行って参ります。
特に、マレーシア・シンガポール高速鉄道について、関係政府機関及び関係企業も同行しまして、官民が一体となった体制により、日本の新幹線システムのトップセールスを行って参りたいと考えております。
カンボジアにおきましては、フン・セン首相、公共事業運輸大臣、観光大臣、民間航空庁長官と会談を行う予定です。
ホーチミンからプノンペンを経ましてバンコクに至る南部経済回廊の道路整備、港湾整備、自動車の登録検査システムの導入支援に関する協力や航空・観光関係の拡大について意見交換を行って参ります。
詳細は、追って事務方より御連絡をさせて頂きます。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)台風12号によります大雨被害が報告されておりますが、11号も日本に接近しているとの気象予測が出ています。
国交省の対応状況と方針をお聞かせ下さい。
(答)台風12号によりまして、8月1日からの降り始めからの降水量が高知県仁淀川町で1,100ミリを超えるなどと、四国地方を中心に記録的な大雨となりまして、徳島県美馬市では1名の方がお亡くなりになられました。
この大雨によりまして、高知県いの町や徳島県阿南市等、16市町村におきまして約1,200戸を超える床上・床下浸水被害が発生を致しました。
また高知県を中心に、四国で約110件の土砂災害と、冠水による国道の通行止め等の被害が発生致しました。
これに対しまして、国交省としては、四国地方整備局を中心にしまして、排水ポンプ車18台やリエゾンを派遣をしたところです。
また、台風第11号が今後北上する見込みです。
台風11号は動きが遅くて、長い期間、日本列島に影響を与える恐れがあります。
国交省としましては、タイムラインの考え方に沿った事前の準備に加えまして、全国の事務所長と市町村長のホットラインを活用するなど、市町村長による避難勧告・指示に遅れが生じないよう、万全を期していきたいと思っています。
特に、今回1,000ミリを超えるという降雨がありましたが、これは今までかなり乾燥していたところに降ったということで、地盤がそれを吸収するということもあったと思っております。
そして今回、すでに水を含んでいるということもありまして、土砂災害等の危険性があると大変私は心配をしておりまして、そういう点では、かなり水を含んでいてそうしたことの危険性があるということを十分認識した上で、最新の気象警報や土砂災害警戒情報、あるいは市町村が発する避難勧告等に十分注意して、早め早めの対応をお願いをしたいと思っているところです。

(問)神奈川県のキャンプ場で痛ましい事故がありました。
事故現場は、県管理とは認識しているのですが、ああした痛ましい事故を防ぐために、国交省としてできる対応と大臣の所感をお伺いします。
(答)今回の痛ましい事故に遭われた方々に謹んで御冥福をお祈り致します。
今回、事故の発生しました二級河川酒匂川水系河内川は、神奈川県が管理する河川でありまして、神奈川県において事実関係が確認されると思います。
特に、これまでキャンプサイトの拡張のために土地の掘削・盛土について、河川法違反の是正指導が神奈川県によって6回行われたと聞いております。
6回行われたということは、1回指導しまして、そしてまた直して、そしてまた指導が行われて、また盛土やそういうものを撤去してということが繰り返されて、今回の痛ましい事故になったのだということを考えますと、神奈川県が十分調査する必要があると思いますが、私は、こうした事故が繰り返されることのないよう、この調査結果を踏まえて、各都道府県に対しまして水難事故の防止について注意喚起を行って参りたいと思っています。
こうした拡張作業が行われて、河川法違反の是正指導が行われてまた直すというようなことが、もし全国で繰り返されているところであるとするならば、これについては、きちっと注意喚起をし、そして、県なら県で指導をしっかり行って頂きたいと思っているところでございます。
また、急に増水するという、鉄砲水ということが最近の状況からいきますとございますから、雨量情報の提供や、リーフレットの配布や、ホームページでの情報提供等は国交省は行っておりますので、よくこれを積極的に地方公共団体や事業者、河川利用者に活用して頂いて、川を安全に利用して頂くということが大事だと思っているところです。

(問)カジノを含めた総合型リゾートについてお伺いします。
アクションプログラムや成長戦略などに関係省庁で今後検討するというふうに明記されていますが、現在の議論の進捗状況を教えて下さい。
それと推進法案が国会に出されていて次の国会でも議論されるのですが、法案に関しては、カジノに関して賛否がかなり分かれていると。
与党の公明党に関しても慎重な意見が出ていると言われています。
この件に関して大臣の現在の所感をお願いします。
(答)総合型リゾート、IRにつきましては、先般閣議決定されました「「日本再興戦略 」改定2014」におきまして、「IR推進法案の状況やIRに関する国民的な議論を踏まえ、関係省庁において検討を進める」とこのようにされています。
観光振興、地域振興、産業振興等に資するということが期待される一方で、ここに再興戦略にも書いてありますが、その一方で前提となる犯罪防止とか、治安維持、青少年の健全育成、依存症防止等の観点から問題を起こさせないような制度にしなければならないということが、加えて書いてあります。
これらを受けまして、現在内閣官房に特命事項担当の内閣審議官が置かれて、この内閣審議官の下で各省庁からの出向者による体制が整えられて、検討されることとなっていると承知しています。
国交省としましては、観光の振興等の観点から関係の深いテーマであるという認識をしておりまして、いずれにしましても、この継続審議になっているIR推進法案の状況等を踏まえつつ、適切に対応したいと思っておりますが、これについては色々勉強を進めておかなくてはいけないものだと思っています。
積極的にやる面、そして気をつけなくてはいけない面、両面について総合的に良く検討したいと思っています。
公明党について私は代表する立場にはございませんが、党内には色々な意見があって、山口代表等も先般シンガポールへ行って視察をされたり、色々な勉強とか検討が行われている、議論が色々あると、意見集約には至ってないと聞いているところで、今後の議論を見守っていきたいと思っているところです。

(問)国が建設を進めている八ツ場ダムの代替地整備の現場で、有害物質を含む建設資材が使われていることが分かりましたが、それに対する今後の国交省の対応を教えて下さい。
(答)この八ツ場ダムについて、平成20年度以降に18件の工事で、大同特殊鋼の鉄鋼スラグを含む砕石が使用されていたということを把握しています。
この件は八ツ場ダムに限らず、群馬県を中心にしてこの大同特殊鋼の鉄鋼スラグ、フッ素が含まれていると聞いておりますが、これについて道路に使われたり、色々なところで使われていたりということで対応がされていると思っているところです。
この八ッ場ダムの周辺につきまして、18の工事でこの砕石が使用されていた訳ですが、そのうち16工事については、品質規格証明書による環境基準への適合を確認しまして、残る2工事につきましても群馬県環境森林部からの助言等を踏まえて、分析試験を実施した結果、環境基準に適合してるということを確認がされています。
今回、報道されている箇所については、この18工事以外の箇所でございまして、ここは現在調査中であり、指摘もされていることですから、私は早急に調査をし、対応をしていかなくてはいけないと思っています。
いずれにしましても今後、群馬県環境森林部とも相談をしまして対応したいと思います。

(問)終戦記念日が近づいて参りましたが、大臣は8月15日若しくはその前後に御自身、靖国神社に参拝される御予定はございますでしょうか。
(答)ございません。
(問)安倍総理は15日の終戦記念日に参拝すべきかどうかお考えをお聞かせ下さい。
(答)これは総理御自身又は閣僚についてはそれぞれの考えに基づいて適切に判断されることだと思います。

(問)北朝鮮の漁船が漂流して、男性4名が今海上保安庁の巡視船の中に留まっていますが、この4名についての今後の対応についてどのようにお考えですか。
(答)この件につきましては、8月2日午後5時55分頃に海上保安庁航空機が能登半島の北西約350キロの海上におきまして、漂流していた小型木造船の船上で救命胴衣を振っている乗組員を確認をしたということです。
4名乗船の北朝鮮の漁船で食糧や水はなく、機関も故障していたということです。
天候が悪化するという見込もありましたので、政府全体の判断を踏まえて、海上保安庁が人道的観点から4名を漁船から救助したというのが現状でございます。
関係省庁による事情聴取が行われると思っておりますが、今後乗組員4名が帰国を希望していることを踏まえて、関係省庁で協議して具体的な対応を決めていくものと承知をしているところです。
今、事情聴取中であるということだと思います。

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