大臣会見

石井大臣会見要旨

2015年11月17日(火) 11:04 ~ 11:20
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものはございません。
このほか、私から2点御報告があります。
1点目は、基礎ぐい工事問題への対応についてです。
先週13日に、旭化成建材から、266件のデータ流用等があったとの報告を受けました。
また、同日、コンクリートくい工事の業界大手であるジャパンパイルにおいてもデータ流用が行われていたことが判明しました。
これは、データ流用が、業界全体に広がっているとの疑念を深めるものであり、工事さえしっかりしていれば、その適正性を証明する書類はないがしろにしてもよい、といった風潮が業界の中にあるとすれば、直ちに是正する必要がある重大な問題です。
このため、業界の実態把握の第一歩として、業界団体であるコンクリートパイル建設技術協会に対して、会員企業がどの程度データ流用の自主的な点検を行っているのか、また、業界団体としてデータ流用についてそもそもどのように考えているのか、等について、19日までに報告するよう指示いたします。
一方で、昨日の対策委員会でも意見があったように、データ流用の問題と建築物の安全性の問題は分けて議論する必要があります。
国民の不安を払拭する観点からは、安全性を確認することが重要です。
したがって、旭化成建材のデータ流用が判明した266件はもちろん、他の業者においてもデータ流用が明らかになった物件については、くいの支持層への到達の有無の調査など、安全性の確認を迅速に行い、必要な場合には安全確保のための対策を直ちに取ってまいります。
この点については、昨日の対策委員会では、データ流用があった物件については、現地調査を行い、傾斜、ひび割れ等の有無を確認することが重要であるとの意見をいただきました。
また、くいの支持層への到達の有無については、支持層がフラットな場合において、近接したくいの打ち込みの状況等の確認ができる場合など、くいが支持層に到達していると判断できるものがあるとの御意見もいただいたところです。
あわせて重要なのは、二度とこのような事態が起こらないようにすることであり、そのためにも、業界の実態を早急に把握した上で、データ流用とくいの支持層への未達との因果関係を検証し、今後の再発防止策へとつなげてまいります。
詳細については、事務方にお問い合わせください。
引き続き、国民の皆様の不安の払拭と再発の防止に向けて、全力で取り組んでまいります。
報告事項の2点目は、10月27日の閣議において、沖縄県の翁長知事による違憲な埋立承認取消処分が、著しく公益を害することが確認されるとともに、その法令違反の是正を図るため、公有水面埋立法を所管する国土交通大臣において、地方自治法に基づく代執行等の手続きに着手することが、政府の一致した方針として口頭了解されました。
この閣議口頭了解を踏まえ、翁長知事に対し、10月28日、法令違反を是正するよう勧告を行い、さらに、11月9日、指示を行ったところですが、期限の11月13日までにこの指示に係る事項を行っていただけなかったところです。
このため、本日、福岡高等裁判所那覇支部に対し、翁長知事に法令違反の是正を行うべきことを命ずる旨の判決を求める訴訟を提起いたしました。
国の主張は、今後裁判において明らかにしていきたいと思います。
私からは、以上でございます。

質疑応答

(問)昨日、基礎ぐい委員会の有識者の御意見を受けて、これまでの説明では、ジャパンパイルの件が出る前までは、旭化成建材の調査を進めた上で、年内を目途に検討して中間報告をする。そこには、再発防止というものも絡んでくると思いますが、このスケジュール感に変更はありますか。
ジャパンパイルの件が関係してきたとか関連して、この見通しを教えてください。
(答)先ほど申し上げましたとおり、業界の実態把握の第一歩として、業界団体であるコンクリートパイル建設技術協会に対して、まず、会員企業は41社あるそうですが、どの程度自主的な点検を行っているのか。
また業界団体としては、データ流用についてどういうふうに考えているのか。
それを19日までに報告するよう指示いたします。まずはその指示をした上で、報告をしっかり受けたいと思います。
(問)確認ですが、19日までに、業者に自主点検の進捗状況の報告も入っているわけですね。
(答)まずは、業界団体41社あるそうですが、どの会社がどのような自主調査を行っているのか。
そういった現状をまず確認したいと思っています。
(問)当然ながら、そこでデータ流用が見つかっているものについては、報告しなければならないですよね。
(答)その時点で報告ができるものがあれば、それは報告を受けても構わないと思います。
(問)昨日の委員会では、業者全体の何らかの調査が必要だが、その方法については国交省でこれから考えるということですが、19日の報告を受けた際に、業界全体として一社それぞれの個別の違う異なった調査を行うよりも、一定の指針というか、こういう感じでやってくださいというものが必要だと思いますが、そういうすりあわせも行うという認識でよろしいですか。
(答)まず19日までに業界団体に報告を求めておりますので、その報告と対策委員会での御意見・御検討に基づいて、今後の対応策を検討していきたいと思います。
(問)調査の方法について、どのような方向になるのでしょうか。
(答)それも含めて、今後の対応策は検討していきたいと思います。
(問)今の指示の関係で、指示しますという御説明でしたが、既にしたのか、まだであればいつするのか教えてください。
(答)これから直ちに指示いたします。これからです。
(問)指示する相手は、コンクリートパイル建設技術協会だけでしょうか。
(答)コンクリートパイル建設技術協会に対して、まずは指示をしたいと思います。
(問)そのほかの業界団体に対しては。
(答)まずは、ここが代表的なコンクリートのくい打ち工事の業界と認識しておりますので、ここに対してまず指示をしたいと思っております。

 (問)辺野古に関連して、今回、提訴という形になりましたが、現行の地方自治法に基づいて初めてということで異例の措置だと思うのですけれども、改めて代執行に向けて提訴した理由、代執行という手続きを採るという理由についてお聞かせください。
(答)先ほども申し上げたとおり、10月27日の閣議において、翁長知事による承認取消処分が違法なものであって、著しく公益を害することが確認され、その法令違反の是正を図るため、公有水面埋立法を所管する国土交通大臣に対して、代執行等の手続きに着手することが政府の一致した方針として口頭了解されましたので、それに基づいて国交省としては実施しているところです。

(問)公益を害することをもう少し具体的に説明していただきたいのと、今回、沖縄県知事を訴えるということで、沖縄県民の反発が予想されるのですけれども、沖縄県民の方に対してどのように働きかけるのか、知事も含めて沖縄県民に関してどのようなメッセージをされるのでしょうか。
(答)公益を害するということはこれまでも説明をしていると思いますけれども、普天間基地の危険な状況をそのままにおいては放置するということになると、あるいは米国との辺野古への移設という国同士の約束事を守れないことになるということが、公益を害するということでございます。これまでも明らかにしているところであります。
それから、沖縄県民に対してどうかということについては、沖縄県民の皆様に対しては、政府を挙げてまずこの沖縄県の基地負担の軽減に対して全力で取り組むということは、総理、官房長官をはじめそういうメッセージを出しておりますので、沖縄県の基地負担を軽減させるために全力で取り組むということを説明していきたいと思います。

(問)県内では、多くの行政学者の方が、防衛局の方が、私人と国ということを使い分けていることに対して批判があるのですが、これについてはどう思いますでしょうか。
(答)もう既に提訴しておりますので、国としての主張は裁判の過程で基本的に明らかにしていきたいと思います。

(問)くいの問題について、昨日の委員会で先生方から業界の実態を把握する必要があるという御指摘があったかと思うのですが、まず、くいの業界に対する実態を教えてくださいという御指示だと思うのですが、業界の実態を把握するということでいうと、当然ながらそれ以外の元請けだとか、間に入る商社みたいな部分での調査が必要になろうかと思うのですけれども、そのあたりに対する今後の対応というのは、現時点でどのようにお考えでしょうか。
(答)先ほど申し上げましたとおり、まずはくい工事を行っている業界に対して、その実態の報告を求めるということで、その上で今後の対応策は検討いたします。
(問)旭化成建材に対しては、自社と元請けを含めた建設業界のダブルチェックという形を取られたわけですが、今回は一義的には業界さんにお願いするということで、ダブルチェックするというスキームは、そこでも活かすおつもりでしょうか。
(答)流用が明らかな物件についての安全性の確認については、これはしっかりと元請け、あるいは特定行政庁にもしっかりと絡んでいただいて確認していきたいと思います。
(問)旭化成建材の時は、流用性が明らかになるかどうかから始められたと思うのですが、そこからはされないということでしょうか。
(答)昨日の対策委員会の議論の中で、旭化成建材と他の業者とは、やはり違いがあると、旭化成建材は実際に安全性の問題があると疑われる具体的な物件が出ているということで、違いがあるという御指摘があったかと思います。
そういった御指摘も踏まえて対応したいと思います。

(問)フランスのパリで起きた同時多発テロに関連して、他の省庁では例えば入国審査を厳格化するなどの対応を国としてとるようですが、国交省の対応で何かあればお聞かせください。
(答)国土交通省としては、海外旅行における日本人ツアー客の安全確保に加えて、テロの未然防止を図るために内閣官房や警察庁等関係省庁と連携して、情報交換等を密にして引き続きこれまでもやっておりますが、しっかりとテロ対策を行っていきたいと思っています。
特に来年のサミットや2020年のオリンピック・パラリンピックなども見据えてしっかりと関係省庁と連携していきたいと思います。

(問)くいの話ですが、旭化成建材の調査は、元請け等にもお願いしながらやっているわけですが、くい打ち業者だけで果たして点検は可能かどうか、どういう形で調査を行うのか具体的にお願いします。
(答)それはこれからの話です。
まず、19日に報告を受けてからということでございます。
19日までに報告を受けてからの話になります。

(問)テロの関係で、国内の旅行業者によるフランスへのツアー旅行など、会社によって少し対応が分かれているように思うのですが、大臣御自身はどのようにお考えでしょうか。
(答)旅行業者に対して、現地の最新情報を把握するとともに、これから旅行される方に対して、適切な情報提供に万全を期すように要請しております。
(問)会社の対応に基本的には、当面任せるということでしょうか。
(答)基本的にはそうなります。

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