大臣会見

石井大臣会見要旨

2017年7月7日(金) 11:21 ~ 11:41
国土交通省会見室
石井啓一 大臣

閣議・閣僚懇

本日の閣議案件及びそれ以外で、特に御報告することはございません。
私からは以上であります。

質疑応答

(問)九州の記録的な大雨による被害状況並びに国土交通省の対応状況をお尋ねします。
(答)福岡県、大分県では、今月5日の昼頃から1時間100ミリを超える猛烈な雨が続き、5日17時51分に福岡県、19時55分に大分県に大雨特別警報が発表されるなど、九州北部地方で記録的な大雨となりました。
今回の豪雨により、死者や負傷者、家屋の浸水被害、土砂災害等も発生しています。
お亡くなりになった方の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された方に心よりお見舞い申し上げます。
国土交通省では、5日18時に私から、気象及び河川の厳重な監視と水防活動に万全を期すこと、大雨・河川の水位・はん濫等に関する情報の適時的確な提供、住民等に避難支援等の対策に万全を期すこと、被災後の災害応急対策を迅速に行うための体制を整えること、関係地方公共団体を迅速かつ全面的に支援することなどを指示するとともに、5日22時に災害対策本部会議を開催し、対応の徹底を図ったところです。
本日朝の大雨に関する関係閣僚会議後、国土交通省災害対策本部会議を開催し、多数の死者、行方不明者、安否不明者、大規模な孤立が発生している状況を踏まえ、国土交通省として被災地の支援等に全力で取り組むことを改めて指示したところです。
今回の大雨により、多くの河川で水位が上昇し、国が管理する遠賀川水系彦山川や筑後川水系花月川のほか2河川、福岡県、大分県が管理する11の河川で溢水や浸水被害が発生しました。
また、各地でがけ崩れなどの土砂災害が発生しており、大分県日田市では山腹斜面が大規模に崩壊して小野川の河道閉塞が発生するなど、福岡県、大分県等を中心に被害が発生しています。
記録的な豪雨に伴い、東峰村へのアクセス道路の寸断やJR久大線の橋りょうの流出など、道路、鉄道等においても多くの被害が発生しています。
国土交通省では、災害当日から福岡県及び大分県の被災自治体へリエゾン17名を派遣しました。
6日には九州地方整備局に加え、四国、関東、中部、近畿地方整備局からもTEC-FORCE合計67名を派遣し、ヘリ等による被災調査、孤立解消に向けた道路啓開、浸水解消に向けたポンプ車による排水、通信が途絶した朝倉市や東峰村での衛星通信車による通信の確保等の支援に当たっています。
また、小野川の大規模斜面崩壊に伴う河道閉塞について、下流の沿川自治体には避難指示が発令されていると聞いていますが、大分県からの要請を受け、二次被害の可能性や今後の対応方針について検討するため、昨日、土砂災害対策を専門とする学識者を現地に派遣しました。
また、海上保安庁では、巡視船艇・航空機による26名の孤立者救助及び被害状況調査などを実施しています。
国土交通省としては、現地の被災状況を適切に把握した上で、引き続き全力で被災地の支援に取り組むとともに、被害箇所の早期復旧を進めてまいります。
被災地の訪問については、現地の状況が許せば私も9日の日曜日に現地に入りたいと考えています。

(問)成田空港会社の贈収賄事件について、未だ容疑段階ではありますけれども、大臣の受け止めと成田空港会社法に基づく監督の必要性の有無についての見解をお願いします。
(答)5日に成田国際空港株式会社の前上席執行役員が収賄容疑で逮捕されたことは承知しており、このような事態に至ったことは極めて遺憾です。
国土交通省としては、成田国際空港株式会社において早急に再発防止策を講じるよう指導したところです。
これを受け、成田国際空港株式会社においては、外部有識者を加えた委員会を立ち上げることとしておりますが、引き続きしっかりと指導してまいりたいと考えております。

(問)成田空港会社の内部規則によりますと、物品及び役務については200万円未満、工事につきましては250万円未満の事業につきまして、部長以上が自身の判断で随意契約ができるという内規があるそうです。この内規につきまして、合理性があるのか妥当であるのか、及び今回の贈収賄事件の温床になったということはないのか、この辺りにつきましてもう少し大臣の見解をお願いします。
(答)いずれにいたしましても今回の事件、事案の状況をしっかり解明する、これは捜査にも全面的に協力をして全容を解明するということと、それに伴って再発防止策をしっかり講じるということが重要だと考えておりますので、そうした面でしっかり指導していきたいと考えております。

(問)確認ですけれども、成田空港法の15条ですか、法の条文に基づく指導・監督を予定しているという理解でよろしいでしょうか。
(答)繰り返し申し上げますが、早急に再発防止策を講じるよう指導しているという状況です。

(問)法律に基づく監督とは別の指導であると。
(答)そういうことです。

(問)昨日、防衛省で稲田防衛大臣をはじめ政務三役が省不在という事態があったということで、一部から非難の声が上がっていると思うのですが、同じく防災を所管される大臣として、今回の防衛省稲田大臣の対応等について所見をいただきたいと思います。
(答)他の閣僚の行動等については、私としてはお答えする立場にございませんのでコメントは控えさせていただきたいと思います。

(問)加えてですが、昨日、大変失礼で申し訳ないですが、石井大臣はどのようにお過ごしになられていたのでしょうか。
(答)昨日のスケジュールとしては、昼過ぎに一時、議員会館に行っていたことはありましたが、それ以外は在庁しております。
なお、外出した時間帯につきましては末松副大臣が在庁しているところです。

(問)三役不在というような事態ではなかったということでしょうか。
(答)はい、そういうことです。

(問)軽井沢のスキーバス事故についてお伺いします。先日自動車事故調査委員会の方の結果がまとまって、対策も含めて国土交通省の対応としては一区切りになるのかなと思うのですが、一方で遺族の方から実効性の高い対策にまだなっていないのではないかという指摘があります。我々の取材でも手数料という形でキックバックが行われていて、実質的な下限割れというのが横行しているような事態というのもあるようなんですが、バス会社やランドオペレーターというところの規制だけでなく、旅行を企画する旅行会社等の規制をもっと強化すべきという意見もあるのですが、この点について大臣はどのようにお考えかお聞かせください。
(答)国土交通省におきましては、軽井沢スキーバス事故を受けまして、貸切バス運賃・料金の下限割れを防止するために、貸切バス事業者が旅行業者に提出する運送引受書に運賃・料金の上限額及び下限額を明記することを義務付けるとともに、下限割れ運賃に関する通報窓口を国土交通省に設置する等の措置を講じているところであります。
また事故後に、自動車局と観光庁等が貸切バス事業者及び旅行業者に対して監査等を行った結果、平成29年6月末までの間に、貸切バス事業者28社及び旅行業者33社が運賃・料金の下限割れの契約に関わっていたことが判明したことから、順次、行政処分を実施していることろでございます。
これは業務停止とか、業務改善命令といった行政処分でありますが、順次、実施をしているところであります。
加えて、「安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策」を踏まえ、本年3月に第1種旅行業者に対する不利益処分の基準を改正し、違反行為が本社による内部統制体制の欠如に起因すると認められる際には、違反を犯した営業所に加えて、主たる営業所にも不利益処分を科すことができると、そういった処分の厳格化措置を講じたところです。
更に、本年5月に成立した旅行業法の一部改正により、ランドオペレーターの登録制を導入したところであり、できるだけ早期に施行できるよう準備を進めるとともに、引き続き通報制度の活用や立入検査を行い、実質的な下限割れ運賃の収受が判明した場合には厳正に対処してまいりたいと考えております。
国土交通省といたしましては、これらの取組を通じて、旅行業界を含め関係業界に対して貸切バスに係る運賃制度の徹底を図っていきたいと考えているところです。

(問)昨日、日本とEUのEPA交渉が大枠合意し、国土交通省の関係でも、政府調達の分野で鉄道市場の政府調達協定の安全注釈の撤廃とか、EU側は車両の調達を開放するとか、そういうことが合意されましたけれども、あと、自治体分野では中核市となりまして、建設分野は除くということになっていますが、この辺りの所感と、日本への影響等々、鉄道輸出への影響など教えていただけたらと思います。
(答)日EUのEPA交渉については、7月5日に岸田外務大臣とマルムストローム欧州委員との間で行われた閣僚級協議において大枠の合意が達成され、7月6日に開催された日EU定期首脳協議において、最終的な確認がなされたと承知しております。
世界的に保護主義的な動きが広がりを見せる中で、日本が自由貿易を主導する観点からも、日EU・EPAが大枠合意したことは、大変重要であると認識しております。
大枠合意の実現を受けまして、国土交通省としては、今後、協定の締結に向けて、外務省を中心とした各省と連携してまいりたいと考えております。
国土交通省分野でありますが、政府調達に関しては、中核市の一般競争入札の参加資格に事業所所在地、これは地域要件を定める場合にはEUの供給者も参加できるようにするなどの措置が盛り込まれましたが、建設サービスについては適用除外としたため、これによる国内建設市場への影響は生じないと考えております。
また鉄道分野については、日・EUとも市場アクセス拡大のための措置をとることとなります。
日本側が安全注釈、運転上の安全に関する調達を対象外とすることができる注釈を撤廃し、EU側は日本企業を除外できるとしている車両を含む鉄道産品の一部の調達市場を日本に開放し、日・EUともに市場アクセス拡大のための措置をとることになりますので、双方がそれぞれ輸出が増えるという可能性が広がったというふうに受け止めております。

(問)話題変わりまして、ヒアリなんですけれども、昨日、大井埠頭でヒアリが見つかって、国内で5カ所目ということで、拡散を懸念されている方も多いかと思うのですが、国土交通省として、今後どのような取組をされるかお聞かせください。
(答)昨日、神戸港、名古屋港、大阪港に続いて東京港におきましてもヒアリが確認されました。
国土交通省としては、国内へのヒアリの侵入を食い止めるためには、水際である港湾において十分な防除対策を早急に講じることが必要と考えております。
このため、6月19日に全国125の主要港湾において緊急点検を実施するとともに、港湾管理者に対して、ヒアリと思われる個体を発見された場合には地方環境事務所に直ちに連絡する等の注意喚起を行っております。
その後7月4日には、中国からの定期コンテナ航路を有します全国63の港湾において、地方環境事務所と調整の上、当該コンテナを取り扱うヤードとその周辺の区域に、殺虫餌(ベイト剤)を設置する等、適切な対策を講じるよう要請をしているところであります。
その他、6月30日には、海運業界団体及び海運会社の協力を得まして、日本へ輸出するコンテナ貨物を取り扱う荷主等の関係者に対して、コンテナにヒアリを混入させないよう注意喚起を行っております。
今後も環境省等と連携しまして、ヒアリの侵入防止に向けた対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

(問)今の関連でお伺いしたいんですが、国土交通省は当初、中国の南沙港から荷役が運ばれてくる港を対象に、調査ですとか殺虫餌の散布という指示を出されまして、その後南沙港ではない別の港から来たコンテナ船についても、当該の港でヒアリが発見されたと。ご承知のとおり、ヒアリの生息地としては、他に北米ですとか、フィリピン、台湾、タイ、オーストラリア、中国に限らずいろんなところに生息しているわけで、今、大臣が仰ったように水際で食い止めるという意味では、中国大陸からのコンテナ船が寄港する港に限らず、対策を先手先手で講じていくべきではないか。あるいは前回の会見でも質問で出ていましたけれども、空港については全く問題はないのか。この点について、今後の展望といいますか、御見解についてお聞かせいただければと思います。
(答)なかなか展望というのは難しいのですけれども、御指摘があったとおり、南沙港に限らず中国からの定期コンテナ航路を有する全国63港湾については適切な対策を講じるよう要請をしてございます。
他にもあるじゃないか、他の国にも生息しているのではないか、ということですが、これまで発見されたのは中国からのコンテナということでありますので、まず中国からのコンテナ関係に、しっかりと取り組んでいきたいと思いますし、その他の港湾についても、緊急点検等の実施はもう既に注意喚起等を行っておりますので、しっかりと注意をしていきたいと思っております。
先週お話がございました空港については、現在そういう状況は確認されておりませんけれども、引き続き、注意深く見守っていきたいと考えております。

(問)現時点で空港に対して具体的な対策を取る御予定というのはないですか。
(答)今、具体的には、まだ指示は出しておりません。

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