大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年10月13日(火) 11:20 ~ 11:39
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 私から本日の閣議案件について報告はありません。
その他1点御報告させていただきます。
「Go To トラベル事業」についてです。
Go To トラベル事業につきましては、先週末より、一部のオンライン予約サイトにおいて、予約が短期間に急増したことに伴い、割引率の引き下げ等の措置がとられたことにより、国民の皆さまに大変御心配、御不便をおかけしていることから、改めて、私より状況を整理させていただき、方針を明確にさせていただきたいと思います。
このGo To トラベル事業は、あくまで宿泊割引35%、地域共通クーポン15%、計50%、上限2万円の割引支援を行うことでこれまで実施してきました。
こうしたことは、国民の皆さまも理解されていると思います。
この方針はしっかりと堅持してまいります。
そのため、昨日、割引率の引き下げ等を実施している事業者に対し、元通り、35%の割引商品を継続して販売できるよう、観光庁に必要な対策を講じるよう指示したところです。
各事業者においては、遅くとも明日の午前中までには、35%の割引支援を再開する予定と報告を受けております。
なお、この間に引き下げられた割引率で予約したケースなども含め、全ての利用者の皆さまが、宿泊割引35%の支援が受けられるよう、万全の対応をしてまいります。
今回、結果として国民の皆さまに混乱を生じさせ、いらぬ御心配をおかけいたしました。
引き続き国土交通省としては、本事業の適切な運営に努め、「ウィズ・コロナ時代における新たな安全・安心な旅のスタイル」を普及・定着させることにより、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図りながら、本格的な旅行需要の回復、更には幅広い観光関係事業者の経営の安定化と雇用の維持、地域経済の活性化に全力を尽くしてまいります。
私からは以上です。

質疑応答

(問)冒頭のGo To トラベルに関してお伺いします。
今の御発言では、35%の割引を継続するための必要な対策をとるというお話ですが、必要な対策というのは、追加に予算額を配賦するということでよろしいでしょうか。
(答)Go To トラベル事業においては、全ての参加登録事業者に販売可能な予算枠をあらかじめお知らせする必要があるため、各社から御提出いただいた販売計画を元に、予算全体が計画的に執行されるよう、各社に段階的に通知することとしていたところです。
事業の開始以降、今回のオンライン予約事業者のように、販売計画と販売実績に大きな乖離が出ている事業者の方が現れているのも事実でありまして、今後、予約状況や販売状況等を適切に把握した上で、可能な限り機動的に予算枠の追加配分を行う仕組みに改めてまいりたいと考えております。
9月末までの実績については、これから報告を受ける予定でありまして、現段階で今後の見通しを正確に申し上げるのは尚早と考えておりますが、予算が直ちに枯渇するような状況ではありません。
いずれにいたしましても、引き続きできるだけ多くの国民の皆さまに、全国各地にお出掛けいただき、幅広い観光関連産業が裨益するよう、公正かつ適正に予算の執行を図ってまいりたいと考えております。
(問)予算は直ちに枯渇しない見通しということですが、今回のこの問題を別の視点で見ると、利用の多い事業者さんに予算が多く割り当てられると、中小の事業者さんの予算枠が減る可能性もあると思うのですが、残りの予算の余裕について改めてお聞かせください。
(答)今、申し上げましたように、予算が直ちに枯渇するような状況ではありません。
この仕組み全体として、機会が平等ということは大原則でありますので、感染拡大防止については高いハードルを設けており、感染拡大防止対策をとれない事業者には入っていただけませんが、それ以外のことは機会平等ということでありますので、大手に偏るといったような意図はありませんし、相談に乗るなど努力していきたいと思います。
ちなみに、9月14日までの利用実績におきましては、全体の割引支援額から1人泊当たりの旅行代金を試算いたしますと、平均で約1万2000円余りという数字が出ております。
これをどう評価するかはいろいろと意見があると思いますが、必ずしも高い価格帯の宿泊施設に利用が偏っているとは言えないのではないかと考えております。
いずれにいたしましても、月末に報告が出てまいりますので、しっかり分析し、然るべき機会に皆さんに御報告をさせていただきたいと思います。

(問)IR事業に関してお尋ねします。
整備計画認定の申請期間を変更された理由と、今、IR事業者の経営状況が悪化しておりますけれども、今後のスケジュール、IR開業時期などへの影響について、どのようにお考えか教えてください。
(答)IR整備法に基づく計画の申請期間につきましては、国土交通省からIR誘致を検討されている各地方自治体に対し、ヒアリングを行った結果を踏まえ、昨年11月に「2021年1月から7月まで」という案を公表しておりました。
他方で、今般の新型コロナウイルス感染症の影響等によりまして、このスケジュールでの申請に支障がないか、最新の準備状況につきまして、随時、地方自治体の皆さんと連絡をとり、確認をしてきたところです。
その結果、一部の地方自治体におきまして、新型コロナウイルス禍により、今お話がありましたが、海外の関連事業者が影響を受けていることや、海外との行き来も困難になって、事業者との対話が円滑に行えないことなどの理由によりまして、準備作業に苦労されている状況が確認されたところです。
地方自治体に優れた区域整備計画を作成いただくためには、基本方針の手続きが遅れたことを踏まえて、申請期間を来年秋以降に延期することが適当と判断したところです。
地方自治体が認定の申請を行う際には、それぞれの議会の議決を経ることが義務づけられていることから、地方自治体における議会の会期も考慮させていただいて、申請期間を「2021年10月から2022年4月まで」に変更することとした案について、10月9日からパブリックコメントを実施しているところです。
その後のIRの開業時期については、これからの様々な手続きや建設工事に相応の期間を要するものであり、今後、IRの誘致を希望する地方自治体において、それぞれ具体的な検討が進められていくものと承知しております。
いずれにしても、政府といたしましては、立法府たる国会の審議を経て成立したIR整備法に基づき、必要な手続きを進めるというのが基本的な姿勢であり、引き続き、着実に手続きを進めてまいりたいと考えております。

(問)Go To トラベルについて2点お伺いします。
先ほど、全部で50%の割引を実行していくと仰っておりましたけれども、これまで観光庁の事業者に対する説明の中では、割引は35%以下で自由に決められるとされてきました。
この方針に変更はあるのか教えてください。
2点目として、低価格帯の宿に対しGo To トラベルの効果が薄いという指摘があります。
最初に上限額として1泊2万円までの補助、宿泊で言えば割と高額に当たる4万円までを上限とした理由について改めて教えてください。
また、現状の額の設定は適切であったとお考えかどうか、改めて教えてください。
(答)まず後者の方から、先ほど冒頭でも申し上げましたが、結果として9月15日までの利用実績を分析すると、1人泊当たりの旅行代金は約1万2000円余りという価格帯になっておりますので、我々は、必ずしも今御指摘のような高い価格設定ではないのではないかと思っております。
もちろん、定額ではなく定率の割引ですから、そうした傾向もあったと思っておりますが、大変厳しいコロナウイルス禍で、3月、4月からこの6月一杯まで、ほとんど休業状態で大変苦労されている観光関連産業、ひいては地方経済を救うためには、相当踏み込んだ強力な需要喚起策が必要ということで、1人1泊4万円の代金で上限2万円までの割引額を設定したところです。
また、割引額については、我々は国民の皆さまに宿泊割引35%、地域共通クーポン15%と公表し、説明してまいりました。
一部、事業者の皆さまと観光庁、また事務局とのやりとりの中で、表現に誤解を招くことがあったことから、今回、こうした混乱が起こったわけですから、こうしたことを再発させないためにも、本日、35%の割引を堅持することを決定させていただいた次第です。

(問)Go To トラベルについて2点お伺いします。
1点目ですが、今後、同じようにオンライントラベル事業者の方を含め、予算配分が足りないといったようなことが起きた場合、同じように追加配分の措置をとるのかということ。
それをするとなると、オンライン・トラベル・エージェント(OTA)に予算の配分が多くなるのではないか。
いわゆる観光事業者、旅館等、そういったところにもこの辺の公正さが欠けるのかどうか、大臣の御意見を聞かせてください。
もう1点。
今回、このような状況が起きた理由がいまいち判然としないのですが、事業者の販売計画が見込みよりもオーバーしたのでこのようなことになったのか。
そもそも販売計画よりも実績がオーバーしていた場合、元々そのように追加措置をする仕組みがなかったのかどうかお伺いさせてください。
(答)まず、最初の御質問について正確に受け止めているかどうか。
間違っていたら訂正していただきたいのですが、公正さ、何に対する公正さかということに関して言えば、私達は、利用者にとっての公正さが最優先されるべきものであって、当初の販売計画、オンライン・トラベル・エージェントもリアルエージェントも直販も出てきました。
それぞれに対して割り当てをし、仮置きのような形で配賦した結果、どの事業者が努力をしてお客さんへの販売を増やしたかということまでコントロールするということはいかがなものかと。
営業的な努力は認めなければいけないと私は思っております。
結果として頑張っているところに国の基準というものはないと思いますので、売り過ぎではないかということは、お客様に支持されている以上、なかなか難しい問題ではないかと思います。
ですから、今回の混乱の中で私達が思ったのは、お客様にとっては5割、トータルで割引されると思っていた制度が、突然、そうではなくなること自体、やはり改善しなければいけないということで、今日の発表に至ったということが1点です。
もう1点は、なぜこうしたことが起こったのか、もう少し正確に分析してからお話ししたいと思いますが、おそらく予算が足りなくなったというような情報を、事務局なり、観光庁がキャッチして、もう少し適切に、前広に手当されていれば、オンライン・トラベル・エージェント各社が苦肉の対応をしなくても済んだのではないかと率直に思います。
事務局も、大所帯がいきなりできたところもあるので混乱もありますが、国民の皆さまに不利益を生じさせないように、今一度緊張感を持って当たるように、先ほど事務次官並びに観光庁長官に指示をしたところであり、しっかり再発を防止していきたいと思っております。
(問)同じようなことがまた1か月後、2か月後くらいに、予算が十分にある範囲の中で事業者がこのような対応をとることはなくなると考えてよろしいですか。
(答)そのようにしなくてはいけないと思っています。
(問)実際、今回は予算がまだ潤沢にあるという段階で、追加という対応がとれたと思うのですが、今後いつまで続けるかということはまだこれからだと思うのですけれども、いずれ予算はなくなります。
そのような最後の方には、どうしても事業者さんは今回と同じような対応をとるかと思うのですけれども、その辺りについては。
(答)御指摘のとおりのリスクはあり、1月31日までの予約を対象として行っておりますので、基本的には、そこまではこの制度を維持したいと考えております。
その後どうするかということは、それぞれ発言もいろいろ出ておりますので、政府の中で適時適切に対応して検討しなければいけないと思っております。
いずれにしても、新しく制度を始める場合は、今回のことを振り返って、告知、周知期間のリードタイムをしっかり設け、現場と相違がないようにしなければいけないと思っております。

(問)昨日、官房長官が会見で、一部のサイトでは割引が終わっている、まだこのサイトでは割引が終わっていない。
そういう意味で、情報提供をしっかりするように観光庁に指示したということを言っていたかと思いますが、その情報提供をされるお考えはありますか。
(答)国土交通省観光庁でしっかり対応するという記者会見であったと思っております。
それを受けて、改めて35%割引は堅持すると申し上げました。

(問)Go To の関係で2点お願いします。
追加の給付金の枠についてですが、公正に行うということで、元々、他の事業者に割当てられていた予算を削って、足りないところに回すのではなく、まだ割当てが決まっていないところから追加で出すということでよろしいでしょうか。
(答)追加です。
(問)割引がされていない状態や、割引額が少ない状態で予約された方に対して適切に対応するということですが、キャンセル料や予約の振替で手数料がかからないようにするなど、具体的にはどのような対応を求めていくのでしょうか。
(答)いろいろなケースがあると思いますが、この間にそうした予約をされた方も、約束通り35%の割引を受けられるようにするということ。
キャンセル料の話は出てこないとは思いますが、そうしたことを発生させないようにする、利用者に不利益を生じさせないようにするなど、しっかり丁寧に対応したいと思います。

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