大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2020年8月25日(火) 10:56 ~ 11:14
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 本日の閣議案件につきましては、私の方から報告するものはございませんが、そのほか1件御報告をさせていただきます。
「Go To トラベル事業」における現状の御報告です。
まず、現時点での宿泊事業者の参加登録状況について御報告をさせていただきます。
8月24日月曜日時点で、全宿泊事業者数約35000者のうち、約63%にあたります22164者から登録申請をいただいており、そのうち、約49%の17191者の登録が完了しております。
また、旅行業者につきましては、全旅行業者数約10000者のうち、約64%にあたります6655者から登録申請をいただいており、そのうち、約58%の6006者の登録が完了しております。
本事業の開始以降、宿泊事業者の参加登録につきましては、厳しい感染拡大防止対策を条件としている中にあって、着実に増加しているとともに、大手から中小事業者まで幅広い事業者の方々に参加登録いただいているものと承知しております。
一部の報道にありますが、本事業に登録をした宿泊事業者数について、宿泊施設数49000件を分母にされて、「登録件数はわずか3割にとどまっている」という記事が散見されましたが、これは誤りでして、当然のことながら分母も宿泊事業者数35000者とすべきです。
正確には現時点で、先ほど御報告したように、約5割に達しておりまして、現在申請中のものも登録が完了すれば6割を超える水準となります。
国土交通省といたしましては、意欲のある中小の宿泊事業者・旅行業者の皆さまにも、積極的に参加登録していただけるよう、引き続き、随時、参加登録申請を受け付け、オンラインでの開催を含む全国説明会を開催するとともに、各地の宿泊事業者に個別で連絡し、プッシュ型での申請サポートにも取り組んでいるところです。
次に、Go To トラベルの利用状況についてですが、正確には8月末日までの利用実績につきまして、来月速やかに事務局から観光庁に対して報告されることとなっておりますので、その時点で改めて正式に8月末までの利用者状況数を御報告させていただきたいと考えております。
最後に、感染拡大防止対策の強化についてです。
Go To トラベル事業は、これまでも何回も申し上げたとおり、ウィズ・コロナ時代において、「社会経済活動」と「感染拡大防止」の両立を図る新たな「安全で安心な新しい旅のスタイル」の普及・定着を目的とした重要なチャレンジの政策であり、参加事業者と旅行者双方において、お互いに着実に感染症拡大防止策を講じることを求めているところです。
宿泊施設における感染防止対策の実施状況の調査につきましては、前回、各地方運輸局所在都市近隣の宿泊施設を中心に実施をいたしましたが、今回は、各地方運輸局所在都市以外の中小規模の19道府県の計42宿泊施設に対しまして、8月19日水曜日、20日木曜日に直接出向き、参加条件として定めた感染症拡大防止策が確実に実施されているか確認をするとともに、不十分な点を個別に指導・助言をさせていただいたところです。
旅行者の検温の実施、また、浴場や飲食施設等の三密対策は、大半の施設において確実に実施されていた一方、例えば、旅行者に対するGo To トラベルを利用される方が遵守すべき事項の周知の不足などにより、何らかの指導を行った施設が24施設ありました。
今回の調査結果を踏まえ、実施が不十分であった点について、再度全国の参加施設に徹底を図るとともに、工夫が見られた点につきましては、周知を図ってまいりたいと考えております。
調査結果の概要は観光庁のホームページで公開いたしますので、後ほど御覧いただきたいと思います。
今後とも、必要に応じて、地方運輸局等による調査は実施していく予定でありますが、より一層の対策の徹底を図るべく、事務局を挙げて、登録をされた全ての宿泊施設における実地調査等を全国で実施することといたします。
私の方からは以上ですが、詳細につきましては、事務方にお問合わせいただきたいと思います。
今日の報告は以上です。

質疑応答

(問)今お話いただいたGo To トラベルについてですが、事業が開始して1か月が経ちました。
新型コロナウイルスの感染拡大時期と重なったということもあって、当初見込んだ事業効果は十分に得られていないと思うのですけれども、大臣御自身の評価と今後の対応策についてお聞かせください。
(答)まず、私の評価という以前に、客観的な報告につきましては、8月末日までの利用実績について、先ほど申し上げましたように、来月速やかに事務局から観光庁に対して報告があることになっておりますので、改めてその数字を正式に御報告させていただきたいと考えております。
また、Go To トラベル事業は、何度も申し上げていますように、ウィズ・コロナ時代における新たな安全で安心な旅行のスタイルの定着・普及、こうしたものへのチャレンジの政策だと申し上げておりますし、新型コロナウイルス禍において、大きな観光の流れが蒸発してしまったことに対して、少しずつ回復をしていきたいということで、この実施を7月22日から始めさせていただきましたが、短期間で終わるというものではなくて、この秋、冬、そして来年春にかけて行われる壮大な事業だと思っておりますので、この7月、8月、私はそれなりに効果があったと思っておりますが、国民の皆さまも感染の拡大の状況の中で賢明に対応されたと思いますし、事業者の方も最初のトライアルということで、丁寧にやりながらですので、こうした傾向は、息の長い事業ですから、現時点で評価をするというのは、順調にスタートできて良かったなと思いますし、これから秋、冬、来年の春にかけて、しっかりと地方経済を支えてもらえるものだと思っております。
正式な数字は来月報告をいたしますが、昨日、速報値的に菅官房長官から、少なくとも約200万人泊の利用実績がある旨の御報告があったと承知をしておりますが、これは割引での商品販売を開始した7月27日月曜日から8月13日木曜日までの間における主な参加登録事業者からのヒアリングに基づいた数字でして、その後、観光庁から更にヒアリング対象事業者を広げた上で、7月27日から8月20日までの実績について改めて今取りまとめたところで、これはあくまで速報値でありますけれども、少なくとも約420万人泊の利用実績があったと報告があります。
なお、お盆期間中の新幹線や航空機の利用状況等、相当利用された実績が低かったということを踏まえると、遠距離の移動を伴う旅行よりも、マイカー等による近場の旅行、宿泊が中心であったと考えられます。
実際に、今後の宿泊分も含めた予約状況については、本事業に参加登録している一部の旅行会社からのヒアリングによると、近距離の旅行を中心に堅調に利用が進んでいるものと聞いているところです。
繰り返しになりますけれども、Go To トラベル事業は、ウィズ・コロナの時代において、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図っていくため、安全で安心な新しい旅のスタイルを普及・定着させることを目的とした重要な政策ですので、失われた観光需要を復活させ、息長く、観光需要を喚起し続けることが重要であると考えております。
今後、ある程度長い期間に渡って事業が行われること及び足下の感染状況を踏まえると、現時点で先ほど申し上げたとおり、これまでの事業の評価を行うことはまだ早いのではないかと考えております。
繰り返しになりますが、今後も引き続き、感染拡大防止策を徹底しながら安心して旅行ができる環境づくりを一層進めるとともに、地域共通クーポンの実施等、更なる利用者の拡大に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
引き続き、感染状況を監視しつつ、感染症の専門家等からなる新型コロナウイルス感染症対策分科会の御意見を踏まえた政府全体の方針に基づき、適切に事業を実施してまいりたいと考えております。

(問)モーリシャスでの座礁事故からまもなく1か月を迎えます。
海運を所管する国土交通省としてのこれまでの対応についてお聞かせください。
また、現地では油の流出によって環境への影響が甚大になっておりますが、今後の対応方針について大臣の考えをお聞かせください。
(答)現地時間7月25日に株式会社商(しょう)船(せん)三井(みつい)が運航するばら積み貨物船「WAKASHIO」が、モーリシャス南東沖のサンゴ礁帯に座礁し、燃料油等が漏れた事案が発生したことにつきましては、まずはモーリシャスの皆さまほか関係者に対し、多大な御心配をおかけしているところです。
国土交通省では、本件につきまして、外務省及び環境省のほか、運航者である株式会社商船三井及び船主である長鋪(ながしき)汽船(きせん)株式会社と連絡を密に取りながら情報収集を続けております。
また、両社に対しまして、事案の重大性に鑑み、油濁(ゆだく)の拡大防止、流出油(りゅうしゅつゆ)の回収、被害を受けた現地環境の回復、原因究明・再発防止及び必要な賠償責任を果たすことについて、最大限取り組むように指示しているところです。
これを受けまして両社では、現地に社員を派遣してモーリシャス政府や現地事業者等との調整を行っているほか、株式会社商船三井では現地のニーズを踏まえて、油の吸着マット170箱、防護服1140着、マスク10000個等の油の除去作業に必要な物資を調達済みです。
これらの物資は8月23日に第1便が現地に到着し、第二便が8月28日に到着予定です。
物資提供につきましては、現地のニーズを踏まえながら今後も継続されるものと承知しております。
また、政府といたしましては、モーリシャス政府の要請を踏まえ、8月9日、国際緊急援助隊・専門家チームを派遣することを決定し、国土交通省では、国際緊急援助隊・一次隊として、海上保安庁から職員4名を派遣したところです。
現地では、海洋汚染の状況調査、現地対策会議への参加、同国沿岸警備隊に対する油防除に関する研修等の活動を行い、現場海域の油の早期除去を支援し、海上(かいじょう)浮流油(ふりゅうゆ)はおおよそ回収されたものと報告を受けております。
現在は、現地のニーズが、海上浮流油への対処から環境保全、環境回復に関する課題にシフトしたことから、環境分野の専門家を中心とした国際緊急援助隊・二次隊に業務を引き継ぎまして、この二次隊により海岸に漂着した油の除去、また、生態系への影響把握に関する支援が実施されているところです。
国土交通省といたしましては、引き続き、株式会社商船三井等に対し、現地のニーズを踏まえた迅速な支援の更なる実施等、必要な指導をしてまいりたいと考えております。
また、政府の一員として関係省庁と連携を取りながら、モーリシャス政府の要請を踏まえての適切な対応をしてまいりたいと考えております。

(問)異常洪水時防災操作についてお聞きします。
一昨年の西日本豪雨と昨年の台風19号の際に、少なくとも4つのダムで、実際の放流量が流入量を上回ったのではないかとの証言があるのですけれども、その点について大臣の御認識と対応があれば何か教えてください。
(答)異常洪水時防災操作、いわゆる緊急放流につきましては、御承知かと思いますが、計画を超える降雨によりダムの貯水池が満水に近づいた場合に、河川法に基づきあらかじめ定められた操作規則等に従い、ダムの貯水池への流入量と同程度の放流を行うものとされております。
今御指摘のありました、また、報道にもありました4つのダムにおきましても、操作規則等に従って異常洪水時防災操作を行っており、流入量よりも多く放流しようとして操作を行ったものではないと承知をしております。
一方で、一般的にダムへの流入量は計算により推計していますが、降雨の状況は時々刻々と変化するため、降雨が急激に変化した場合には、推計された流入量と実際の流入量に差が生じる場合があります。
今御指摘のあった4つのダムにおきましても、結果としては、異常洪水時防災操作を行っている間の貯水位の低下が確認されたものです。
ダムの管理におきましては、まずは、できる限り異常洪水時防災操作、いわゆる緊急放流にならないようにすることが重要であると考えております。
このため、国土交通省では、関係省庁と連携して、利水ダムも含めた事前放流の取組として、1級水系のうち、ダムのある99水系において、6月から運用を開始するとともに、2級水系のうち、ダムのある約350水系についても、順次、治水協定の締結を進めているところです。
こうした事前放流の取組と併せて、異常洪水時防災操作となった場合のダムの操作に係る課題についての検討も進めてまいるところです。
(問)今の関連で1点、昨年の台風19号の後の11月の国土交通委員会で、当時の五道水管理・国土保全局長が台風19号の際に緊急放流した6つのダムで、実際に最大放流量は最大流入量に対して約24%から約97%だったと答弁されておりますけれども、この数字は今後も引き継がれていくのでしょうか。
(事務方)後ほど事務方に御確認ください。

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