大臣会見

赤羽大臣会見要旨

2021年9月10日(金) 10:46 ~ 10:57
国土交通省会見室
赤羽一嘉 大臣

閣議・閣僚懇

 閣議案件は報告ありませんが、そのほかに1点御報告させていただきます。
「観光施設における心のバリアフリー認定制度」についてです。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会が先日、閉幕しました。閉幕後、9月6日に行われた日本パラリンピック委員会会長と菅総理大臣の対談では、菅総理より「心のバリアフリーを世界に発信することができた」との御発言もあり、パラリンピック競技大会を通じて共生社会や多様性などの重要性が改めて広く認識されたところです。
国土交通省としては、これまで、「真の共生社会の実現」を東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機としたレガシーとすべく、昨年7月のバリアフリー法の改正や、新幹線車両における車椅子用フリースペースを世界最高水準のレベルで導入した移動等円滑化基準等の改正等の取組を進めているところです。
今般、観光分野においてもバリアフリー法の改正を踏まえ、観光施設における心のバリアフリー認定制度を設けることとし、参加施設を公募してまいりました。
本制度は、高齢者、障害をお持ちの方などの皆さまが旅行される際に、安全で快適に施設を利用できるよう、ソフト面でのバリアフリーに積極的に取り組んでいる宿泊施設や飲食店等を認定することにより、心のバリアフリーの取組の裾野拡大や取組全体の底上げを図ることを目的としております。
本制度について、簡単にまとめた動画を用意しましたので、御覧ください。
このほかにも、制度の詳細や具体的な心のバリアフリーの取組に関する動画が、観光庁ホームページ・YouTubeチャンネルにアップされていますので、是非そちらも御参照下さい。
本日、本制度の第1弾の認定として、合計66の観光施設を認定することとしました。
これらの施設には、心のバリアフリーのトップランナーとして、他の施設の模範となるよう頑張っていただきたいと考えております。
また、認定された施設が使用できる「心のバリアフリー認定マーク」について、私の隣のモニターにあるデザインを決定しましたので、ここに紹介させていただきます。
現在、観光関連事業者・観光施設の皆さまは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、大変厳しい経営状況におかれています。
そういった中においても、より多くの施設に積極的に認定を取得していただくこと等により、引き続き真の共生社会の実現に向けた取組を進めてまいります。
先ほど動画にも出ていましたが、いわゆるバリアフリーの対象というのは全体で3割を占めるということで、私も認識を新たにしたところです。
公共施設でのバリアフリーにおいては、ハードのバリアフリーは、この20年間で相当程度改善されておりますが、先日、心のバリアフリーも法改正を行いました。
ハード・ソフト両面にわたるバリアフリー、真の共生社会を目指す上で大きな前進だと思っております。
街中を歩いていると、どうしても小規模の飲食店等では、まだまだバリアフリーが進んでいないという御指摘を障害者団体の皆さまから多く受けていますので、そうしたこともしっかりと改善し、バリアフリー促進ができるような一助となるよう、今回のこの認定制度しっかりと活用していただきたいと考えております。
私からは以上です。

質疑応答

(問)JR東日本やJR東海が、新幹線の指定席料金について、利用分散や混雑緩和を目的に、繁忙期と閑散期の料金差を広げる考えを明らかにしました。
これについての大臣の受止めをお願いします。
(答)先日、JR東日本の深澤(ふかさわ)社長が、新幹線等の座席指定料金について、繁忙期と閑散期の料金差を拡大し、三大繁忙期、連休等に集中する旅行需要をピーク前後にシフトさせたい旨、また、JR東海の金子(かねこ)社長も、利用の平準化について検討を進めたい旨発言されたことは、承知しております。
我が国においては、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始に旅行需要が過度に集中するなど、繁忙期と閑散期の大きな差があり、この改善のために需要の平準化を進めていくことが、観光関連事業者にとって大きな課題となっております。
今回の取組が、こうした問題の解決の一助となるか、注視してまいります。
また、その制度設計はこれからだと承知しておりますので、国土交通省としても事業者の皆さんと連携を取りながら、しっかりと対応していきたいと考えております。
 
(問)新型コロナ対応について伺います。
昨日の新型コロナ対策本部では、日常生活の回復に向けて、ワクチンの接種や検査で陰性が確認された人は、旅行を含め、県をまたぐ移動の自粛を要請しないなど、観光振興策の実施も検討するとされました。
観光産業を所管する国土交通省として、今後どのような検討・対応していくのかお聞かせください。
(答)昨年来のコロナ禍により、特に感染状況が厳しい中で、「Go To トラベル事業」もずっと停止を続けている状況です。
エビデンスとして、旅行自体は感染拡大の原因となっていないと言われていますが、どうしても多くの国民の皆さんとしては、こうした状況の中で、まだ、安全・安心な旅行を楽しむ環境にはないという状況が続いています。
他方、ワクチン接種が進んでいる中で、新型コロナウイルス感染症対策本部において、「ワクチン接種が進む中における日常生活回復に向けた考え方」が議論され、昨日決定されたと承知しています。
決定はされましたが、私は、新たな時代の中で新たな生活様式、観光についてはどのようにすれば前に進めるのか、といったことの御指導・御助言があったものと受け止めております。
その中には、緊急事態措置区域等との間の移動に関し、原則、ワクチン・検査を受けた者は、県をまたぐ移動について国として自粛要請の対象に含めない、感染の状況を十分に踏まえつつ、ワクチン・検査パッケージも活用して、観光振興策の実施を検討する等が盛り込まれています。
この決定については、制限緩和の基本的方向性を示したものと受け止めており、今後、自治体や事業者の方々との議論を含め、国民的な議論を踏まえて、どのように観光を進めていくのか具体化を進めていくためのものと承知しており、国土交通省としても、内閣官房等と連携して、検討を始めていきたいと考えております。
その中で、特に観光振興策については、感染対策と経済の回復を両立する観点から、冒頭申し上げたとおり、いかにして国民の皆さまが安心して旅行にお出かけいただける環境を整えていくか、ということが非常に重要な課題と考えていますので、そうした観点から、現在取り組んでいる地域観光事業支援や、停止しているGo To トラベル事業などの施策の取扱いについても、しっかり検討していきたいと考えております。

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