大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年8月8日(月) 11:11 ~ 11:20
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)本日の閣議案件で、特に私の方から報告するものはありません。

質疑応答

(問)先週からの大雨の関係で最新の被害状況と国土交通省の対応をお願いします。
(答)改めて、今回の大雨により、被災された方々に心から御見舞いを申し上げます。
これまでに判明している被害状況ですが、河川については、山形県大江町(おおえまち)などを流れる最上(もがみ)(がわ)水系最上(もがみ)(がわ)など、24水系69河川で氾濫が確認されています。
また、新潟県や青森県などで、計55件の土砂災害の報告があります。
道路については、高速道路及び直轄国道では、福井県内の北陸道と国道8号で通行止めとなっています。
現時点で、緊急車両の通行は可能ですが、一般車両の通行開放に向けて鋭意復旧作業を進めています。
北陸道については、今週水曜日10日に上り線、米原(まいばら)方面の通行止めの解消を目指すとともに、下り線、金沢方面については、大規模な土砂流出などが発生していることから、通行止めの解消は今月末頃を目指して作業を進めていると聞いています。
また、国道8号については、明日9日午前中を目標に片側交互通行による通行止めの解消を目指しています。
鉄道については、橋梁倒壊や盛土流出等の施設被害により、3事業者7路線で運転見合わせとなっています。
すでに、JR東日本の奥羽線やIGR(アイジーアール)いわて銀河鉄道線では、バスによる代替輸送を実施しており、引き続き事業者と連携し、代替交通手段の確保に努めてまいります。
国土交通省では、人命救助を第一に、海上保安庁において、福井県南越前町(みなみえちぜんちょう)における孤立者2名の救助、石川県小松市(こまつし)における孤立者の安全確認などの活動を実施しています。
また、TEC(テック)()FORCE(フォース)を派遣するなどし、被害の全容把握と被災自治体の支援にあたっています。
引き続き、被災地の早期復旧・復興に向け、地域に寄り添いながら、国土交通省の現場力を最大限発揮し、全力で対応してまいります。
 
(問)先週金曜日に、建設工事受注動態統計調査の遡及改定結果が公表されましたが、大臣の受け止めと再発防止に向けた国土交通省の検討状況をお願いします。
(答)まず、今般の建設工事受注動態統計調査の不適切処理によって、国民の皆さまに御迷惑をおかけしたことについて深くお詫び申し上げます。
今回の遡及改定については、5日の公表時に事務方より説明のあったとおり、5月の遡及改定検討会議で専門家の先生方に取りまとめていただいた影響度試算の範囲内に概ね収まる結果になったと考えています。
また、国土交通省では、統計委員会と歩調を合わせつつ、再発防止・検証タスクフォースにおいて、体制の強化、人材育成を含めた実効性のある再発防止策の検討を進めているところです。
国土交通省としては、再発防止策を早期に取りまとめ、公的統計の信頼回復に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
 
(問)鉄道のダイナミックプライシングについて、大臣のお考えを改めてお聞かせいただきたいのですが、先月26日の有識者会議で鉄道運賃を柔軟に変更できる制度の検討が盛り込まれまして、JR東日本などがラッシュ時に関わるダイナミックプライシングの導入について既に検討を始めております。
鉄道におけるこういったダイナミックプライシングの導入の意義や必要性について大臣のお考えを改めてお聞かせください。
(答)JR東日本において、朝のラッシュ時間帯の旅客需要を分散させるため、来年春から、オフピーク定期券を導入することを検討していると承知しています。
昨年5月に閣議決定された交通政策基本計画においては、「時差通勤等による分散乗車の取組を一層深めていく」、「例えば、変動運賃制(ダイナミックプライシング)等の新たな対策について、その効果や課題について十分に検討する」こととされています。
また、先日とりまとめられた「鉄道運賃・料金制度のあり方に関する小委員会」の中間とりまとめにおいても、当面の対応として、サービスの多様化等を図るための新たな運賃・料金の設定を実現させるため、現行制度を前提とした運用の改善・工夫を検討し、実施することが盛り込まれました。
このJR東日本の取組は、コロナ禍において通勤時間帯の混雑緩和に資する可能性があり、意義のあるものと考えています。
国土交通省としては、今後、JR東日本から具体的な申請があれば、適切に対応してまいりたいと思います。
(問)鉄道会社の経営という面から考えると、これまで決まった料金で国民の足として使われる側面が多かったと思うのですが、今回、こういったダイナミックプライシングとか、いわゆる経営効率の考え方というのが導入されることによって、ややもすれば、僻地ですとか、どうしてもその時間に利用しなければいけない弱者とかが、価格的にマイナスなことがあると思いますが、こういった経営効率というのを鉄道会社の運営に持ち込むこと、このこと自体についての、いい面、悪い面どのようにお考えでしょうか。
(答)経営効率という側面と、それから公共交通において果たす公共的価値、この2つのバランスというのが非常に大切だと思います。
この2つはある意味で対立するところもありますが、100%対立しているものではなくて、ある意味で経営が成り立たなければ、公共的利益に資する公共交通を提供できないという面もあります。
今回、公共交通が非常に大きな難題に直面している中で、どのようにして公共交通の使命を果たしながら、経営も成り立たせていくかということの一つの試みだと思いますので、今回、現行制度の考え方、つまり、今の運賃料金制度の考え方を基本にして、結果的にプラスマイナスゼロと言いましょうか、全体の増収にはならないような形で、まず設計をして、途中でやり方を少しずつ変更していくということもあるかもしれませんが、これを試行してみるということは、一つの試みだと思います。

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