大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2022年9月26日(月) 11:01 ~ 11:23
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私の方から1点報告があります。
全国旅行支援の開始についてです。
先週22日(木)、岸田総理から発表があったとおり、10月11日(火)から、全国を対象とした旅行需要喚起策である全国旅行支援を実施します。
これまでも各県が行う県民割事業に対して財政的な支援を行い、地域における旅行需要を喚起する取組を後押ししてまいりました。
今後さらに、全国的な旅行需要を喚起する観点から、現在の感染状況などを踏まえ、今般、実施することとしたものです。
全国旅行支援は、交通付き旅行商品の上限額引上げや、平日におけるクーポン券の上乗せなど、これまでの旅行需要喚起策よりも支援内容を充実しています。
また、この開始のタイミングに合わせて、旅行需要の平日への分散を一層推進するため、全国旅行支援とは別ですが、一体として「平日にもう一泊」キャンペーンを実施いたします。
このキャンペーンは、観光・交通分野の民間事業者の御協力により、平日向けのお得な旅行商品等を造成していただき、統一ロゴ、キャッチコピーの下、観光庁の特設サイトにおいて一元的に情報発信を行うものです。
旅行者の皆さまには、引き続き、マスクの着用や手洗い、うがいなど基本的な感染対策を徹底していただきながら、全国旅行支援を活用して、交通機関を使った遠距離の旅行や平日における旅行などを楽しんでいただければと思います。
詳細については、後ほど事務方より御説明申し上げます。

質疑応答

(問)今、全国旅行支援のお話しが出たと思いますが、水際対策の緩和の方も大幅緩和されると思いますが、先日の発表から、あまり準備期間が短いかなという感じがするのですが、飲食業や宿泊業の人手不足や多言語対応が可能な人材確保とかで、十分な対応がとれずに混乱が生じる恐れがあると思うのですが、その点で、国土交通省の対応とか含めて、大臣がどのようにお考えかお聞かせください。
(答)これも先日総理から発表があったとおりでして、水際対策については、10月11日(火)から、入国者数の上限撤廃、個人旅行の解禁、ビザなし渡航の解禁の措置が講じられることとなりました。
水際対策の緩和については、これまで旅行事業者や交通事業者等の皆さまから強い御要望をいただいており、私自身も直接総理にその強い御要望をお伝えしてきたところです。
先々週海外、ヨーロッパに行ってまいりましたが、その時も大使館の前には毎朝長いビザを求める行列が100メートル単位で並んでいたという話を現地の大使の方から聞きました。
そういう声もお伝えしながら、早い緩和を撤廃をお願いしてきたところですが、今回水際対策が緩和されることとなりました。
今回の水際対策緩和の発表を受けて、関係事業者の皆さまはインバウンド客の受入拡大に向けた準備を加速するものと思いますが、国土交通省としても、引き続き、関係省庁や関係事業者等と連携して、受入態勢の整備や感染防止対策の周知等にしっかりと対応してまいります。
今般の措置により、国際的な交流が一層活発化すると思いますが、円安のメリットも活かしつつ、国際観光需要の更なる回復につながることを期待しています。
10月11日ということで、ある意味で少し準備期間がとれるような設定です。
国土交通省としても関係省庁と連携しながら、この対応がきちんと出来るように万全の体制で臨んでいきたいと思っています。
(問)もう1点それに関連して、地域によっては外国人の受け入れに対する住民の不安とか若干残っている可能性もあるのですが、大臣として、そういう地域にはどのように呼びかけたいとお思いでしょうか。
(答)先ほど申し上げましたとおり、感染対策をきちんとしていただいて旅行を楽しんでいただけるように、国土交通省、観光庁としてもしっかり、民間事業者の方と連携をして、その点を徹底するということ、また、そのことを地域の皆さまに御説明して理解をいただく、そういう活動も関係事業者の方々と一緒にやっていき理解を広めていきたいと思っています。
 
(問)知床遊覧船事故の関連でお尋ねします。
今月ロシアサハリン州から小樽港(おたるこう)に運ばれた、乗客2名の方の氏名を海上保安庁は匿名で発表しました。
この他、行方不明者の氏名なども公表されていません。
報道機関としては事件、事故の報道は公共性が高く、実名が原則と考えていますが、大臣の御見解をお聞かせください。
(答)海難事故における被害者や行方不明者の実名の公表については、公表により得られる公益性の観点と、被害者の御家族等のプライバシー保護の観点等を踏まえて、総合的に判断する必要があると考えています。
今般の知床遊覧船の事故については、御家族等の御意向、強い御要望等も十分に考慮し、一部の被害者及び行方不明者については実名を公表していませんが、引き続き、御家族に対して、公表することの公益性の高さ等を丁寧に説明するなど、適切に対応してまいりたいと考えています。
 
(問)週末に上陸した台風15号の影響で静岡市を中心に大きな被害を残していますが、現状で国土交通省が把握している被害状況と災害対策について教えてください。
(答)まず、今般の台風第15号により、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
また、お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げます。
この台風の影響により、東日本の太平洋側を中心に大雨となり、静岡県や愛知県では、線状降水帯が発生し記録的な大雨となりました。
これまでに判明している被害状況ですが、土砂災害については、人的被害が発生した静岡県掛川市(かけがわし)をはじめ、計22件の報告があります。
河川については、県管理河川において、9水系14河川の氾濫が確認されています。
道路については、静岡県内の新東名高速道路や国道52号で土砂流入等が発生しましたが、既に復旧作業が完了し、通行止めも解消しています。
このほか、静岡県をはじめ自治体が管理する道路で、土砂崩れなどの施設被害が確認されており、復旧を今、急いでいます。
鉄道については、大井川鐵(おおいがわてつ)(どう)など3事業者4路線で土砂流入等の施設被害が発生しており、復旧作業を進めるとともに、代替輸送手段の確保に努めてまいります。
次に、国土交通省の対応としては、海上保安庁が、断水が続く静岡市からの要請に対し、24日から巡視船による給水支援を実施するなど、対応にあたっています。
また、地方整備局が、昨日25日より、飲用(いんよう)(すい)(ざつ)用水(ようすい)としての給水が可能な車両を2市町(しまち)に派遣するとともに、防災ヘリコプター等による調査やテックフォースを派遣するなどし、被害の全容把握と被災自治体の支援にあたっています。
被災地の早期復旧に向け、国土交通省が有する現場力を最大限発揮し、引き続き、全力で対応してまいりたいと思っています。
 
(問)全国旅行支援について、後でレクがあることは承知しているのですけれども、先だっていつまでなのかということと、内容としては7月前半に実施しようとしていたものと、もう一泊キャンペーンは別として、変わらないという理解でいいのか、そこだけまず確認させていただけますか。
(答)まず、全国旅行支援、いつまで実施するのかということですが、今後の需要の動向等も勘案しつつ、令和4年度に執行可能な既存予算を活用して、当面は本年12月下旬まで実施してまいります。
また、年明け以降の対応を含め、今後の旅行需要喚起策については、感染状況や、観光需要の動向も踏まえて、適切に対応してまいります。
質問にはなかったのですが、10月11日からということで、県民割が9月いっぱいということですので、県民割の支援は10月10日まで延長するということです。
それから、2番目の御質問の、基本的な内容については、7月に実施しようとしていたものと基本的に同じです。
つまり、平日への平準化を考えたもの、平日と休日でいわゆる給付額を変える。
2,000円でしたけれども、休日1,000円、平日3,000円、という形で平日へ誘導するということ。
交通付きについて、それまでは割引率50%、支援上限額5,000円でしたけれども、割引率を40%にし、旅行付き支援上限額は5,000円ですが、交通付き商品については8,000円を上限とする。
先程のクーポンは平日3,000円、休日1,000円というかたちでやる。
基本的には7月にやろうとしていたものと同じ思想でやるということです。
(問)最後に、再々延長という形で今回、秋の行楽シーズンの中でされるという形になりましたけれども、御所感というか、今回始められるということについてどのようにお感じになっていますか。
(答)観光・交通関係事業者の方、大変苦しんでいらっしゃいます。
そういう方に対しての支援につながるということで、私も総理に対してできるだけ早い実行を、とお願いしてまいりました。
それがいよいよ始まるということで、成功に向けて我々も全力を挙げていきたいと思っています。
 
(問)23日に開業した西九州新幹線に関してですが、2つ質問があります。
1つは、23日に現場にも大臣行かれたと思うのですが、開業に伴って現場で感じられた期待感や課題など、所感を教えてください。
もう1つは、整備方式を検討している新鳥栖(しんとす)武雄(たけお)温泉(おんせん)間ですが、佐賀県の山口知事は、佐賀駅ルートを前提としないということや、佐賀空港ルートも一考に値するということを言っています。
大臣のルートに関する考え方をお願いします。
(答)私、西九州新幹線開業式典に参加し、また、実際に乗車してきました。
長崎市内も見てきましたが、西九州新幹線開通への期待が非常に大きいですし、街も全力を挙げて新しい街の発展に向けて開発、改造を進められていると、非常に大きな感銘を受けました。
また、乗ってみましたが非常に速くて乗り心地がいいと。
またその間に、嬉野(うれしの)温泉、武雄温泉という観光地。
長崎もそうですし、諫早(いさはや)島原(しまばら)に通じます。
また、(しん)大村(おおむら)は長崎空港にも通じます。
そういう意味で、非常に可能性の大きいこれからの地域発展、観光の発展に大きなインパクトを与える新幹線開業だったと感じたのと同時に、やはりその効果をより発現するためには、1本につなげる必要があるのではと強く感じたところです。
新しい新鳥栖ー武雄温泉間については、この整備のあり方については、現在、鉄道局と佐賀県との間で幅広い協議を行ってきているところです。
国土交通省としては、引き続き、九州地域、西日本地域の未来にとってどのような整備のあり方が望ましいか、議論を積み重ねてまいりたいと思っています。
佐賀県知事ともお会いしました。
この協議を誠意をもって進めていきたいと思っています。
 
(問)政務についての質問、1問よろしいでしょうか。
先日、公明党大会ありまして、山口代表の続投決まりました。
世代交代の観点から、次の石井幹事長への交代というのも一時見られてましたが、山口代表の続投となりました。
こうした山口代表の続投の背景にどういったものがあるのか。
大臣としてどのように見ているのか、お考えをお聞かせください。
(答)昨日、公明党大会があり、新しい執行部を選任し、私自身、副代表という任命をいただき、山口新代表の元、スタートしたところです。
2年ごとの党大会です。
この次の2年を、その2年間に抱えている課題をどう克服しながら国政に貢献していくかということを真剣に考えて、どういう体制がいいかということを問われる党大会になりますけども、今回はこういう形でスタートしていくことになりました。
私は今の公明党の現職の国会議員の中で最高齢になります。
山口代表と北川副代表、私、ほぼ同じ年代、私が少し年長で最高齢になります。
そういう意味で、公明党の大衆とともにという、その立党の精神をいかに若い世代に引き継ぎ、そして国民の負託に応えられる政党になるか。
その世代交代をしっかり進めていく。
その責任が私にはあると思いまして、代表、北川副代表、そして私、しっかりその観点から頑張っていきたいと。
自分に与えられた職責を果たす、そして、同時に次世代に向けた活動もしっかり、党の伝統を残しながら、新しい党の勢いをつけていく、方向性を出していく、しっかり若手と連携していきたいと思っています。
(問)別の質問で申し訳ありません。
国葬を明日に控えますが、世論がまだ割れている状況です。
率直にお尋ねしたいのは、なぜこれだけ国葬への理解が広がっていないのか。
それについてお考えをお聞かせください。
(答)先日も国会で国葬についての議論がありました。
私は総理が説明された4つの理由は納得のいくものだと思っています。
そういう意味で、私も閣僚の一人として、この考え方が国民の皆さまに理解していただけるように、全力で頑張りたいと思っているところです。

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