大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2023年5月23日(火) 9:45 ~ 10:10
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)特殊会社の会長及び社長人事について

(大臣)

本日の閣議案件で、私から1点報告があります。
特殊会社の会長及び社長人事についてです。
既に資料をお配りしていますが、本日の閣議で、東京地下鉄株式会社ほか2社の代表権を有する会長及び社長人事について、御了解をいただきました。
これらの人事は、正式には6月下旬に開催される各社の株主総会及び取締役会で決定される予定で、国土交通大臣が認可することになります。
詳細は事務方にお問い合わせください。

(大臣から)水道整備・管理行政の移管について

(大臣)

このほか、私から1点報告があります。
水道整備・管理行政の移管についてです。
先週の19日(金)に、水道整備・管理行政を厚生労働省から国土交通省及び環境省へ移管するための法律案が成立し、来年4月に移管されることが正式に決定しました。
今回の移管を機に、国土交通省が有する、下水道などのインフラ整備・管理に関する知見や地方整備局などの現場力・技術力を活用して、水道整備・管理行政に関するパフォーマンスを一層向上させていく必要があると考えています。
このため、この度、水道整備・管理行政を円滑かつ確実に引き継ぐための体制を本省や地方整備局等に構築したところであり、国土交通省としては、引き続き、必要な体制や予算の確保に向け、全力で取り組んでまいります。
私からは以上です。

質疑応答

特殊会社の会長及び社長人事について

(記者)

まず冒頭の人事についてお尋ねです。
東京メトロの本田会長が退任される人事かと思います。
一連の人事介入問題を受けてのものなのか、人事を了解する政府の立場としてどのように判断されたのかをお聞かせください。

(大臣)

本田会長から東京メトロに対し、空港施設株式会社の事案に関し、自らの言動が会社やお客様に多大な迷惑をかけたことを深く反省していることから、今般の任期満了に伴い退任したいとの申し出があり、会社として了承したものと、聞いています。

会計検査院からの検査報告について

(記者)

国土強靭化3か年緊急対策事業に関して、先日会計検査院の報告で、国土交通省が支出総額を把握していなかったことですとか、緊急性の低い事業に充てられていたことなどが指摘され改善を求められました。
国土交通省の受け止めと今後の対応についてお聞かせください。

(大臣)

先週17日(水)に、会計検査院から「防災・減災、国土強靱化3か年緊急対策」に関する検査報告がなされ、国土交通省の事業についても、対策ごとの支出済額等を把握していないものがある、それから閣議決定等に明記されていない内容の事業が実施された、また昨年6月末時点で一部の事業が完了しておらず、災害発生時に緊急対策としての効果が発現しない状況となっていた、などの指摘を受けたと承知しています。
また、今回の検査報告では、関係府省庁に対して、事業の執行状況等について、より適切な形で明らかにするよう検討することなどを内容とする所見もありました。
今回の検査報告を受け、国土交通省としては、今後、示される政府方針に基づいて、しっかりと対応してまいりたいと思っています。

特殊会社の会長及び社長人事について

(記者)

冒頭の人事について確認ですが、本田会長からメトロに対して、退任したいとの申し出はいつあったのでしょうか。
時期的なところを教えてください。

(大臣)

承知していません。

国土交通省OBによる民間企業役員人事への介入について

(記者)

大きく三つについて、聞かせていただきます。
私、国土交通省の天下り問題を取材している記者です。
それについて、関連してお聞きします。
「現役職員の関与している疑いはまったくない」とか大臣が発言された後に、外部の指摘でOBと現役職員とのメールのやりとりがあったりとか、それでも再就職等監視委員会に報告する必要はありませんと。
今度は航空局長と本田氏との会食が発覚して、今度は再就職等監視委員会に届けると。
全部、外部からの指摘を受けて、大臣の答弁がコロコロ変わっているのですけども、これまでの答弁を振り返って、大臣はご自身の答弁どのように考えていますか。

(大臣)

これまで、私からは、それまで明らかになっている事実関係を踏まえ、現役職員による空港施設株式会社への再就職のあっせん等について、「確認できなかった」と申し上げてきたところです。
他方、「今後においても、こういった事案が発生した場合には、しっかりと調査してまいります」と申し上げてきました。
4月28日に公表された報告書を踏まえ、事実確認を行った結果、現役職員から山口氏に対し、異動情報の送付があった事実が確認されましたが、あっせん規制違反の要件である「営利企業等の地位に就かせることを目的とした情報提供」ではないため、再就職等規制違反にはあたらないと認識しているところです。
なお、この点については、裁判官経験を有する弁護士からも同様の見解を得ています。
このような中、5月18日に、新たに、航空行政の責任者である航空局長と本田氏が、報道の2日前に直接会っていたことについて報告を受けたところです。
この面会について報告がなかったことから、これまで自分の命じた調査の信頼性に関わることを重く受け止め、事実関係の再確認を行う必要があると考えています。
その再確認にあたっては第三者性や厳格性を確保すべきと判断しまして、念のため、極めて異例のことですが、再就職等監視委員会事務局に対しても情報提供し、適切に対応いただくことをお願いしたものです。
さらに、国土交通省においても、これまでの事実関係の調査等の再点検を行うこととしています。

(記者)

大臣、そういう話はわかるのですが、国土交通省の自らの調査で、内部的にわかったものを次々に明らかにしていって、最終的に再就職等監視委員会に投げますというのはわかるのですが、全部、外部の指摘で、報道なり、会社の検証委なり、外部の指摘で全部明らかになっている事実なのですね。
大臣のこれまでの答弁を含めて、適切だったのか、あるいは足りないところがあったのか、そこら辺の大臣の答弁について、どう評価していますか。

(大臣)

先ほど申し上げましたとおり、それまでに明らかになっている事実、そして、これは私も主導してそれぞれいろいろな指摘があったこと、また、新たな事実が判明したときには、私が国土交通省内で主導して、調査するようにと命じ、調査をしてまいりました。
その時点、時点で、明らかになったことに対しては、私はその都度真摯に対応し、答弁してきたと思っています。
そして、その都度、新たな事実、その時点では分からなかったけど、新たな事実が判明した時には、これにしっかり対応していくとも申し上げてきたところですので、是非、御理解をいただきたいと思います。

(記者)

でも、そういうふうに外部からの指摘でないと、新たなことは発覚しない、新たな事実が発覚するまで対応しないという組織については、外部からやはりいろいろな疑惑の目で見られるというふうにお感じになられませんか。

(大臣)

私としては、国土交通省の中でしっかりと事実を解明するよう、最初に報道があったとき、それから、2番目に空港施設株式会社の委員会から指摘を受けたとき、その都度、しっかり、内部で調査をするよう指示をしてきたところです。
そこは全力を挙げてまいりました。
そのことはわかったいただきたいと思います。
それでも、なおかつ、分からないことがでてくるかもしれない、その時には、しっかり対応するとも申し上げてきたところです。

(記者)

次、4月の国土交通省の内部調査について、お聞きしますけども、これ、大臣しっかり調査したと言って、野党から第三者性の調査については、求められてもそれについては拒絶してきた訳ですけど、今考えれば国土交通省の、この内部調査については、不十分だったと考えていますか。

(大臣)

その時点ではしっかりと我々調査をしたと考えています。
その後、出てきたのは、一つは、例の「線引き」と言われるものの人事異動情報の送付だった訳ですけども、このことについては、繰り返しませんけど、いわゆる再就職をあっせんするということとは関係ないことであると私も考えていますし、そのことを申し上げてきました。
そして、今回の件については、5月18日に新たに航空行政の責任者である航空局長と本田氏が報道の2日前に直接会っていたことについて報告を受けました。
この面会について報告がなかったことから、これまで自分の命じた調査の信頼性に関わることと重く受け止めて、事実関係の再確認を行う必要があると考えた。
その再確認に当たっては、第三者性や厳格性を確保すべきと判断し、再就職等監視委員会事務局に対しても、情報提供し、適切な対応をいただくことをお願いしたものです。
私としてはその時点、時点でしっかり対応していきたい、もちろん国民の皆さまからいろいろな疑いの目を向けられる、疑いの目を持っていらっしゃるということもよく理解できますので、その都度真剣に対応してきたつもりです。

(記者)

今回の局長の聞き取りでも、それについて、報告がなかったとのことですけど、端から見てるとやはり、端から見てるだけじゃなくて公明党の関係者も、大臣が官僚の方が作った答弁書をそのまま読み上げるだけだから、結果的に嘘をつかされているというように言っている人もいました。
やはり今回の調査でも、大切なことはやはり局長は報告してなかったりとか、大臣はちょっとあの官僚になめられているんじゃないかというように見えるのですが、そこら辺はどう考えてますか。

(大臣)

今回その都度事実がいろいろなことが指摘された折に、私は私主導でその調査等を命じてきたつもりです。
私が官僚の書いた答弁をそのまま読んでいるというような御指摘もありましたが、確かにそのように読んでいるときはありますが、その答弁書を作るまでに、ものすごい時間をかけて議論し、そして実際に組織の中でそのことが徹底されなければ意味がありませんので、みんなが納得する形で私はここで答弁しなければなりません。
また、国会の答弁でも同じです。
従って官僚が書いたものをそのまま答弁しているというのは大きな誤解です。
その答弁書を作るまでにどれだけ深い議論をし、私の指示を徹底させ、そして答弁書ができているということは是非、ただ答弁書を見ているというだけでそのような言い方は、私は大変不本意です。

(記者)

わかりました。
すみません、時間を奪ってしまって申し訳ないのですが、今度局長と本田氏の会食についてですが、28日の時点では、局長は一切朝日新聞がこの問題について取材をしているとか、本田氏から何も聞かされていないということでよろしかったですね。

(大臣)

そのように私は報告を受けています。

(記者)

この会食について、局長は国土交通省の仕事終わった後に、この会食の会場まで何で向かったのか教えてください。

(大臣)

久保田航空局長は、会食場所まで公用車を利用しました。
なお、会食場所から自宅までは利用していません。
国土交通省本省の公用車は、局長級以上の幹部職員について通勤時の送迎を行っています。
幹部職員の公務後の送りについては、自宅に直帰しない場合には、送迎の一環として、次の目的地まで送ることとしています。
今回のケースはこれに当たるものであると考えています。

(記者)

つまり私的な会合でも公用車は帰る途中であれば、いわゆる退庁時であれば、私的な会合であっても公用車を使って良いという理解でよろしいですね。

(大臣)

公務後の送りについては、自宅に直帰しない場合には、送迎の一環として、次の目的地まで送ることとしているということです。

(記者)

局長は会合終わった後は、自宅まで何で帰っているのですか。

(大臣)

電車で帰ったと、聞いています。

特殊会社の会長及び社長人事について

(記者)

あと最後に今日の東京メトロの人事に関連してですが、ここまで本田会長は辞任してこなかったですし、国土交通省側から、大臣からも辞任を求めることはなかったと思います。
ずっと会長職にあり続けて、一方で山口氏は辞任をしたり、国土交通省の現役職員の方に飛び火したり、いろいろなところに影響を与えたわけですけど、今回辞任を大臣求め続けなかったということは、この問題について本田氏が会長でいることを是認していると受け止められかねないのですが、そこら辺についてはどのように考えていますか。

(大臣)

特殊会社である東京メトロの代表取締役については、会社法等の規定に基づき、株主総会において選任された取締役から、取締役会において選定され、国土交通大臣の認可を受けることにより、効力が生じることになります。
このため、先ずは今回の事案についての会社としての評価や判断を注視していたところです。
今回会社からは本人からの退任の申し出を了承したものと聞いており、その判断を尊重しています。

(記者)

会長職であり続けたことは、大臣は適切であったと思いますか。

(大臣)

先ほど申し上げたように、会社法等の規定に基づいて株主総会において選任された取締役です。
その会社としての評価や判断を注視していたところです。

国土交通省OBによる民間企業役員人事への介入について

(記者)

今の関連なのですが、先週金曜日に大臣が発表されました航空局長との本田氏の会食なのですけれども、この会食の参加者の人数や、参加者に国土交通省の職員が他に何人いたか等、詳細は確認中ということだったのですが、もし現在までに分かっていれば教えてください。

(大臣)

3月28日(火)に行われた本田氏も含めた複数人が参加した会合は、本田氏の友人で、セメント等の建設資材の販売などを営む会社経営者の方が、地域の経済状況や地域の航空事情等についての意見交換を目的に懇談したいとの意向を有していると本田氏から連絡があり、1月頃にセットされたものと聞いています。
この会合の参加者は、当該会社の経営者及び会社関係者2名と本田氏、航空局長、航空局航空ネットワーク部長の6名と聞いています。
なお、6名での会食の後、本田氏、航空局長、航空ネットワーク部長の3名で、2次会が行われたと聞いています。

(記者)

今の最後の話で、本田氏と局長と航空ネットワーク部長で3人で2次会というのはここでの話題とかどういうことを話したのかとかですね、どこの店に行ったのかとかそういうことは分かっているんでしょうか。

(大臣)

細かい点については事務方にお問い合わせいただければ、現時点で分かっていることは細かいことでも全て御報告します。

(記者)

先ほどの追加の質問なんですけれども、その2次会でその本田氏とそれから航空局の職員2名で2次会をされたということなのですけど、こういう場を持っていたということが今まで会食と同じなんですけれども、これは更にOBと現職の局長とそれから幹部職員の3人でのかなり内輪の会合だと思うんですけれども、こういう場を持っていたということに関して、今現在大臣はどのようにお感じになりますか。

(大臣)

皆さまがそのようにお感じになるということも良く理解できます。
従いまして第三者性、そして信頼性という意味から、今回再就職等監視委員会に調査、報告を行い、情報提供を行い、適切な対応をお願いしたところです。

(記者)

私は今どう感じてるかというのは自分の感想としてはまだ整理しきれてなくて、どういう風にというのはないんですけれど、大臣がどういう風にお感じになったのかというのを伺いたいんですね。
私どもがどう感じているかではなくて。

(大臣)

今回そういう再就職に関しての会話はなかったと報告を受けていますが、国民から見て疑惑を招きかねない事態であると私判断をして、第三者性、厳格性という観点から再就職等監視委員会に情報提供をし、調査などの適切な対応をお願いしたところです。
 

(記者)

今の問題ですけど、私的な会合だから報告してなかったと局長は調査にその後お伝えになられたと思うんですけど、こんな大切な問題を、であれば本田氏とその時点で会ったら、その後々ばれた後に疑惑を持たれるという懸念は局長あったと思うんですけど、ちょっと不都合なことがあったからあえて報告してなかったのかなと見えてしまうのですが。

(大臣)

そのことも含めて、再就職等監視委員会に第三者性、厳格性を持って調査していただきたいということで情報提供をし、対応をお願いしたところです。

(記者)

念を押しますけど2次会でもこの話題は、朝日の報道については一切出なかったということでよろしいですね。

(大臣)

と報告を受けています。

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