2024年8月27日(火) 11:10 ~ 11:21
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣
(大臣)
本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
防災・減災対策に関する令和7年度予算概算要求について
(記者)
本日概算要求が公表されました。今年は能登半島の地震もあり、防災非常に注目されていますが、こういった観点からこの概算要求で特に力を入れた点というのはございますでしょうか。
(大臣)
今回力を入れた点、防災・減災、国土強靱化等です。能登半島地震、豪雨災害、南海トラフ地震臨時情報の発表なども踏まえ、防災・減災対策は喫緊の課題であると考えています。
そのため、災害対応力の強化や、防災・減災、国土強靱化の着実な推進により、国民の生命・財産・暮らしを守り抜くことは、国土交通省の重要な使命の一つと考えています。
このため、国土交通省の令和7年度概算要求の三本柱の一つとして、「国民の安全・安心の確保」を掲げ、具体的には、「流域治水」の加速化・深化として、前年度比1.31倍の8311億円、南海トラフ巨大地震などの大規模地震対策の推進として、前年度比1.34倍の2771億円などを要求し、気候変動により激甚化・頻発化する水災害や切迫する南海トラフ巨大地震等への対策を進めてまいります。
また、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」のための所要の経費については事項要求を行い、予算編成過程で検討することとしています。
国土交通省として、「国民の安全・安心の確保」の実現に向けて、防災・減災対策のための必要な予算をしっかり確保し、全力で取り組んでいきたいと固く決意しています。
(記者)
今防災に絞ったお話がありましたが、概算全体に関して全体額の評価ですとか、防災以外の部分でポイントになる部分はどのあたりになるでしょうか。
(大臣)
令和7年度予算の概算要求については、一般会計で、前年度比1.18倍の7兆330億円の要求を行うこととしています。
今回の要求の柱は3つあります。
まず、「国民の安全・安心の確保」として、大規模自然災害からの復旧・復興、防災・減災、国土強靱化、交通の安全・安心の確保、海上保安能力の強化などについて要求します。
また、「持続的な経済成長の実現」として、社会資本整備の戦略的・計画的な推進、GX・DXの推進、持続可能な観光立国の実現などについて要求します。
そして、3本目の柱ですが「個性をいかした地域づくりと分散型国づくり」として、活力ある地方創りや持続可能な地域活性化、「交通空白」の解消等に向けた地域交通のリ・デザインの全面展開などについて要求します。
また、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」、「近年の資材価格の高騰の影響への対応」、「北陸新幹線の新規着工に要する経費」などについては、事項要求を行い、予算編成過程で検討することとしています。
国土交通省として、3本柱の実現に向け、公共事業予算をはじめ、必要な予算がしっかりと確保されるよう、全力で取り組んでいきたいと決意しています。
(記者)
話題が変わりますが、JR九州の高速船についてのお尋ねです。
JR九州が親会社となって運航しております博多と釜山を結ぶクイーンビートルという高速旅客船についてですが、こちらが船体に浸水が発生していることを隠しながら運航を継続していたということで問題になっているかと思いますが、これについて一連の不祥事について、まず大臣の受け止め、どのように感じているかという点についてと、あわせて親会社であるJR九州についての責任について、また今後、国土交通省としてどのような対応をとっていくかという点についてお聞かせください。
(大臣)
JR九州高速船に対しては、昨年2月のクイーンビートルの船内への浸水発生について、昨年6月に海上運送法に基づく安全確保命令を発出し、輸送の安全の確保が図られるよう監督を行ってきたところです。
今月、昨年の安全確保命令を受けた是正を確認してから1年が経ちましたので、適切な安全管理体制が維持されているかを確認するため、抜き打ちの監査を実施しました。現在もその監査を継続中のため、監査結果の詳細は控えますが、本年2月以降に浸水が発生していたことなど、安全確保に関わる問題が再び抜き打ち監査で確認されています。
国土交通省としては、昨年に続き、同種の事案が発生したこと、また国に対する報告が行われなかったことはJR九州高速船の安全への意識が欠如していると言わざるを得ず、極めて遺憾であると重く考えています。
親会社であるJR九州は、本件に関し、第三者委員会の設置を検討中であると承知しています。
JR九州が先頭に立って、適切な安全管理体制を構築されるものと理解しているところです。
国土交通省としては、現在行っている監査の結果を踏まえて、必要な対応をしっかり講じていきたいと思っています。
(記者)
クイーンビートルの関連で再度質問させていただきます。
今監査継続中ということですが、監査結果の公表、処分の時期の見通しなど今あるものがあれば教えてください。
(大臣)
現在も監査を継続中でして、現時点で終了時期を答えることは今の時点ではできませんが、処分をはじめとする必要な対応については監査終了後速やかに実施したいと考えています。
監査を今しっかりと行っているところです。
(記者)
クイーンビートルに関しては、対外旅客定期航路事業という位置づけで運行が届け出制になっています。
最も重い処分が前回の昨年6月と同様に輸送安全確保命令となります。
今回は前回に続いて2度目とあって、事業者に最高1億円の罰金を科せられる海上運送法に基づく処分なども視野に入れているのかどうか、その辺をお伺いします。
(大臣)
基本的には法律に基づいてしっかりと対応・処分をしていきたいと思っています。
補足をお願いします。
(事務方)
事業停止に関して、現在届け出制になっており、事業停止ということができないところです。
これに関しては法改正をしており、公布(令和5年5月12日)から2年以内に現在の届け出制から登録制になります。
そうなると事業について停止という処分ができるようになります。