2025年2月12日(水) 9:00 ~ 9:18
国土交通省会見室
中野洋昌 大臣
(大臣から)引越時期の分散のご協力のお願いについて
(大臣)
本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から1点報告があります。
引越時期の分散の御協力のお願いについてです。
物流は、国民生活や経済活動、地方創生を支える不可欠な社会インフラですが、いわゆる物流の「2024年問題」に直面しています。
この問題は、喫緊の課題であると同時に、年々深刻化していく構造的な課題でもあり、継続的に対応をしていく必要があります。
本年は、特に、3月15日(土)から4月6日(日)にかけて引越依頼の集中が予想されています。
引越を御予定の皆さまにおかれましては、トラックドライバーの労働負荷の軽減や、スムーズな引越のためにも、混雑時期をできるだけ避け、引越時期の分散に向けて御検討・御協力をお願いします。また、トラック運送業者が適正な引越の運賃を収受することも重要であり、燃料高騰等も踏まえ昨年3月に運賃水準を引き上げた「標準的運賃」の活用についても、併せて御理解・御協力をお願いするところです。
このほか、国土交通省の取組等について、後ほど資料を配付します。
詳細は事務方にお問い合わせください。私からは以上です。
(記者)
八潮市の件で、7日(金)に報告の期限ということだったのですが、その結果についてはまだ公表はされてないかと思いますがその受け止めと、改めて下水道を管理する自治体等に何を呼びかけたいかというところが1点目です。
(大臣)
埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を受けて、陥没箇所と同様の大規模な下水道管を有する7都府県13箇所約500kmの流域下水道の管理者に対して、緊急点検と路面下空洞調査を要請して、2月7日(金)までに御報告いただいたところです。この結果については、現在まさにとりまとめをしている作業中であり、早急に公表したいと思っています。
今はまだ作業中ということです。
今回の点検の結果、下水道管路の異常や空洞が確認された場合には、必要な対策を速やかに実施していただくということで既に要請しているところです。
いずれにしても、全国の下水道管理者においては、今回の事案を踏まえて、事故を未然に防ぐという予防保全の考え方により、点検と、その結果に基づく必要な修繕・改築を改めて徹底していただきたいと考えています。
(記者)
2点目ですが、昨日(11日(火))石垣の方に行かれたということで海保の関係で、南西諸島、中国であったり、台湾も国としてはあれかもしれませんが、境目を接している場所の改めて感じた警備上の課題についてお伺いできればと思います。
(大臣)
昨日、領海警備の最前線である石垣海上保安部、そして石垣航空基地を視察してまいりました。
現地においては、領海警備の最前線で任務に当たっている巡視船「やえやま」の乗組員や石垣航空基地の職員から活動状況等について説明を受けて、また、尖閣諸島周辺海域の現場映像も確認しました。
海上保安官の士気も非常に高く領海警備に当たっている皆さまを直接激励させていただきました。これは非常に有意義だったと考えています。
この視察を通じて、改めて法の執行機関として冷静かつ毅然と領海警備に当たる海上保安庁が担う役割の重要性、そして絶え間ない緊張感のもと、大変厳しい環境の中で崇高な使命感を持って業務に当たる海上保安官の任務の過酷さについても改めて私も認識したところです。
海上保安庁を所管する国土交通大臣として、我が国の領土・領海を守り抜くために、海上保安官一人一人の能力を最大限発揮して、任務を全うできるように、海上保安能力の強化を着実に進めていきたいと思っています。
また海上保安官の勤務環境の改善や処遇の向上も重要であると非常に痛感したので、引き続き、これらにも取り組んでいきたいと思います。
(記者)
引越に絡めて物流の問題です。
年度末には別に引越だけが忙しいわけではなくて、物流全般にタイトな繁忙な時期だと承知しています。
先週も私もトラックの運転手たちと座談会をやったのですけれども、やはり大臣も御案内の通り高齢化の問題、それから海上保安官の薄給の問題もありますけれども、物流系も薄給であると。
就中、物流は全体の7割くらいが実は下請けさんで持っているということです。
物流用語で「傭車」という言い方をするのですが、下請けさんの事業者あるいは運転手さん、こういうところにしっかり光を当てないといけないが、国は総労働時間を減らしましょうとか、休みをちゃんと取りましょうとか言っているのですが、大臣も御存じとは思いますが実際にはそんなことをやっていたら物流が回らないよと。
今回の大雪でもそうでしたが、非常に物流が混乱した。
そういうところで言うと、単に総量規制をする、総時間規制をする、休みはちゃんと取りなさい、給料をちょっと上げましょうと。
大手さんはそれで良いと思いますが、7割以上を占める下請けさんを国土交通大臣はどのように全体の底上げをしようとなさっているのか、この点を教えてください。
(大臣)
非常に大事な御指摘であると思っています。
私もいろいろな現場の物流事業者の皆さまからそういったお声も当然頂いています。
そういう意味で、昨年、物流効率化法を改正させていただきまして、2024年問題に対応するということで、関係の会議も開いて、そして様々な取組ということでまとめてきたわけですが、やはり非常に大事なことは、物流事業者だけではなくて、当然荷主も含めてどうやってこの様々な、例えば、荷役の時間であるとか荷待ちの時間であるとか、そういうことも含めてこれを削減できるか効率化できるか、あるいは積載効率を上げていくということもあるかもしれません。
物流を全体的に効率化するという中で、当然働く方にとっては、労働時間をどうやって効率的にやっていけるのかということを、荷主もそうですし物流事業者もそうですし、双方が連携しながら進めていくことが必要だと思いますし、先ほど御指摘のような大手はできるけれども下請けはというのは、一つは、この多重下請構造をどう考えるのかということがあろうかと思います。
これを下請けにしわ寄せがいかないように是正をしないといけないと、私もそういう問題意識を持っています。
そういう意味では、こうした規制的措置、改正法の施行が本年4月1日からですので、やはり荷主と物流事業者の双方が連携して、こうした物流の維持、確保に向けて積極的に取り組んでいかないといけない、これは当然荷主の皆さまもそういう意識を持ってやっていただかないといけないと思っていますので、しっかりこの改正法の施行を通じてそうした下請けも含めた、この現場の状況をしっかり改善していくために、国土交通省としても、当然、荷主を所管する関係省庁とも連携して、取組を進めていきたいと思っています。
(記者)
今日、御案内のとおり自動車業界だけでなく鉄鋼業界も含めた組合に対する経営側からの一次回答が出る日だということもあります。
大臣おっしゃったように、下請けさん、単に仕事が楽になったなでは飯食えないんだよと。
時間を減らした分だけ給料も減るんで、逆に働かないとどうしようもないということもあるので、ただ、大臣がそこにハイライトを当ててくださったことは非常に力強く思いました。
ありがとうございます。
(記者)
先日、千葉県でも水道管の破裂が原因とみられる道路陥没事故が起きまして、国土交通省が把握している現状とこれを受けて新たな調査とか対策とか何かお考えかお聞かせください。
(大臣)
昨日、2月11日(火)午前3時頃、千葉県大網白里市で水道管の漏水により、道路陥没が発生しました。
周辺の建物の窓ガラスや屋根が破損するなどの被害があったと聞いています。
地元の自治体において、同日の午前4時半過ぎには漏水を止め、応急復旧工事を実施し、午前11時45分には道路の復旧を完了したと伺っています。
御指摘のとおり今、下水道について緊急点検はやっていますが、上水道についても耐用年数を超過した管路の延長は、令和4年度末時点で約24%、管路延長にして全体が74万kmですが、耐用年数を超過したところは約18万kmということで、老朽化対策を進めることは非常に重要だと思っています。
現在、国土交通省としても水道事業者等に施設の点検・調査に基づく計画的な改築更新を進めるように要請をするとともに、経営状況が厳しい事業者に対しては老朽管の更新や耐震化について財政的に支援をしています。
今回の埼玉県の事案を受けて、私の方からも委員会を立ち上げて、今後様々な議論を進めていくということも申し上げさせていただきました。
当然これは水道も視野に入れて、大規模な下水道というところを中心にやっていますけれども、そうしたことも視野に入れながらどういう対応が必要なのかということは併せて検討していきたいと考えています。
(記者)
今の上水道の関係の発言の中で、自治体に現在要請をしているとおっしゃっていたかと思うのですが、こちらは。
(大臣)
これは今回の事故を踏まえて緊急点検を要請したというよりは、通常の施設の点検・調査に基づく計画的な改築更新というのは、水道の方も当然やっていただくということで、基本的にはそういう形でやっているということです。
特に今回何か新しく出したということではありません。