平成23年8月4日
国土交通省では、東日本大震災による津波被災市街地の復興に向けて、被災市町村の復興計画づくりを支援するため、被災状況調査や復興パターン検討、復興手法の検討等を行っています。
このうち、被災状況について、津波被災地全体を現地踏査により詳細に把握する調査を進めてまいりましたが、現時点までの成果をとりまとめましたので公表いたします。
(1)浸水区域、浸水深、建物被災状況
浸水痕跡調査等により、津波の浸水区域、浸水深を把握しました。また、浸水区域の全建物について、被災状況を確認し、被災状況により区域を区分し、面積を把握しました。
・ 浸水区域面積:約535k㎡ うち、4割超が浸水深 2m以上
・ 被災建物棟数:約22万棟 うち全壊(流失含む)約12万棟
・ 建物被災状況による浸水区域の区分:
[1]建築物の多くが全壊(流失含む)の区域 ・・・約 99k㎡
[2]建築物の多くが大規模半壊、半壊の区域 ・・・約 58k㎡
[3]それ以外の浸水区域 ・・・約363k㎡
[参考]東京都区部の面積:約622k㎡ 山手線内側の面積:約63k㎡
関東大震災(大正12年)の焼失面積:約35k㎡
※ 調査結果は、現時点までに把握できた範囲のものであり、福島原発事故に係る警戒区域など、被災地の条件により現地調査ができていない地域については、自治体等からの提供資料や空中写真判読等により把握しています。これらの区域では、今後、引き続き調査を行うなど、詳細な把握を進めます。このため、今後数値に変更があり得ます。
(2)浸水深と建物被災状況の関係
浸水深と建物被災状況の全般的な傾向を把握したところ、
・浸水深2m前後で被災状況に大きな差があり、浸水深2m以下の場合には建物が全壊となる割合は大幅に低下することが分かりました。
浸水深と建物被災状況の調査結果は、被災市町村ごとに整理し、提供してまいります。調査結果は、復興計画の検討にあたり、津波浸水シミュレーションや土地利用調整ガイドラインと併せ、被災リスクを評価するための基礎資料として活用されることが期待されます。
(3)今後の予定
浸水深と建物被災状況の関係は、地理的条件や建物構造により異なるため、影響要因の分析を進めます。また、現在、浸水深や建物被災状況と人的被害との関係の把握、津波浸水シミュレーションの実施、避難実態調査や公共公益施設の被害状況調査等を進めており、まとまり次第、順次公表していきます。
報道発表資料(PDF形式)
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