平成27年12月18日
国土交通省では、内閣府において、平成27年12月17日、「南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動に関する報告」がとりまとめられたことを踏まえて、超高層建築物等における南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動への対策案について、現時点までに得られた技術的知見に基づきとりまとめましたので、これを公表し、広く意見募集を行います。意見募集期間は、約2か月です。
これらの意見募集等を通じて寄せられたご意見を踏まえ、検討を行った上で、対策をとりまとめる予定です。
本対策案で対象としている地震は、「南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動に関する報告」における、南海トラフ沿いで約100~150年の間隔で発生しているとされるM8~9クラスの地震です。
ただし、内閣府においては、引き続き、相模トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動の検討などが予定されています。特に、関東地域などのそれらの地震による影響が大きいと想定される地域に超高層建築物等を建築する場合は、以下の対策に留まらず、十分に余裕のある設計を行うことが望ましいと考えています。
また、本対策案は、これまでの長周期地震動に関する調査研究の結果を踏まえ、現状において必要と考えられる対策について示したものです。長周期地震動に関する調査研究は今後も引き続き進められ、さらなる知見が得られていくものと考えられます。国土交通省としては、こうした長周期地震動に関する調査研究の結果を踏まえ、今回提案する長周期地震動への対策について、今後も必要に応じて適宜見直しを行っていく予定です。
○ 超高層建築物等を建築する場合への対策
・ 超高層建築物等の大臣認定の運用を見直し、以下の項目について説明を求めます。
平成15年9月十勝沖地震の際に震央から約250km離れた苫小牧市内で、石油タンクがスロッシングを起こし火災が発生しました。また、平成23年3月の東北地方太平洋沖地震では、首都圏や大阪湾岸の超高層建築物において、大きな揺れが観測されました。これらについては、長周期かつ長時間継続する、いわゆる長周期地震動がその原因のひとつであるとして、注目されています。
長周期地震動は、揺れの周期が長い波(2、3~20秒程度)を多く含む地震動で、ゆっくりとした揺れが非常に長く続く特色があります。
規模が大きい地震ほど、より長周期の地震動が多く発生します。また、地表から地下深くまでの堆積層の影響によって、長周期地震動はより増幅します。このため、巨大地震が発生した際に東京、大阪、名古屋のように堆積層の厚い平野部などで大きな影響が出やすいと考えられます。
長周期地震動は、固有周期の長い超高層建築物(高さが60mを超えるもの)や免震建築物への影響が大きいと考えられます。揺れを抑える対策としては、制振ダンパーの設置などが有効とされています。
(参考)超高層建築物等の固有周期
建築物の構造と規模 | 固有周期の目安 |
高さ60m(20階建て程度) | 1~2秒程度 |
高さ200m(50~60階建て程度) | 4~6秒程度 |
免震建築物 | 最大8秒程度 |
○別添1 (PDF ファイル)
○別添2 (PDF ファイル)
○別紙1 (PDF ファイル)
○別紙2 (PDF ファイル)
○別紙2 付録 (圧縮 ファイル:zip形式)
○別紙3 (PDF ファイル)
○別紙4 (PDF ファイル)
○別紙5-1 (PDF ファイル)
○別紙5-2 (PDF ファイル)
○別紙6 (PDF ファイル)