報道・広報

海運先進国当局間会議(CSG会議)及び 米国海運関係当局とCSG間の政策対話(US-CSG会議)の開催結果について
~米国の地域的なバラスト水管理規制に対し、グローバルな制度との整合をとるよう主張~

平成28年10月5日

○9月26日(月)、米国・ニューヨークにおいて海運先進国当局間会議(CSG会議)、また9月28日(水)、米国・ワシントンDCにおいて米国海運関係当局とCSG間の政策対話の場であるUS-CSG会議が開催された。
○海運自由化の観点から懸念される諸問題や、各国の最新海運政策など、海運に関する多くのテーマについて活発な議論が行われた。
○我が国は、独自の地域規制である欧州における燃料消費実績報告制度や、米国におけるバラスト水の管理規制に対して、グローバルな制度と整合性を保つものとするよう積極的に意見表明した。

CSG(Consultative Shipping Group)会議は、海運自由の原則を目的としたOECD共通海運原則を遵守している国々の政策対話のためのグループとして、1962年に発足された海運主要国の場(日本は翌1963年より参加)。発足当時より、主に米国の国際海運に対する規制問題に如何に対処するかを検討するとともに、必要に応じ、特定国の国際海運に関する規制政策に関する申し入れや対話を通じて、自由で公正な競争条件の確立に向けた取り組みを行ってきている。近年は、海洋環境保護、航行安全、海賊問題等、海運に関する幅広い議題についても政策対話を行っている。
また、2年に一度、米国関係当局とCSGメンバー国(※1)との間での政策対話(US-CSG会議)を開催している。
(※1)CSGメンバー国:以下の18ヶ国の海運当局(局長~課長級):デンマーク(議長、事務局)、日本、ベルギー、カナダ、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、韓国、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、シンガポール、スペイン、スウェーデン、英国

日  時: (CSG) 平成28年9月26日(月)、(US-CSG) 9月28日(水)
場  所: (CSG) ニューヨーク、(US-CSG) ワシントンDC
参加者: (CSG) 海運先進15ヶ国及びEU等の海運当局(局長~課長級)等28名
デンマーク(議長国)、日本、ベルギー、カナダ、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、シンガポール、スウェーデン、 英国、EU、コットンクラブ(在米主要海運国アタッシェ会合)
(US-CSG) 米国(運輸省、沿岸警備隊、環境保護庁、連邦海事委員会、国務省、商務省)13名、CSG参加国41名、海事関係団体等36名

≪主要議題と概要≫

<CSG>
○環境問題 
温室効果ガス(GHG)の排出規制について、我が国から、本年10月の第70回IMO環境保護委員会(MEPC70)において採択予定の燃料消費実績報告制度について説明するとともに、国際海運におけるGHG対策についてはグローバルベースで取り組むべきであり、欧州で導入予定の独自の地域的な燃料消費実績報告制度(EU MRV)について、IMOのグローバルな制度に整合を図るべきと主張しました。
○TiSA交渉の進展
ノルウェーから、TiSA(※2)交渉の海事分野における進展について紹介があり、今年の交渉妥結について強い意思表明がなされました。
(※2)TiSA(サービス分野における新貿易協定)とは、WTO(世界貿易機関)のドーハ・ラウンド交渉の停滞を踏まえ、新たな取り組みとして、2012年から有志国(日本、ノルウェー、米国を含む、23ヶ国・地域)を中心に議論を行っているもの。
○教育と雇用対策
CSG各国共通の問題として自国籍船員不足の問題意識が共有され、各国の人材確保の取り組みについて情報共有の呼びかけがあり、日本から、初等中等教育における海洋教育推進や船員養成等の取り組みを紹介しました。

<US-CSG>
○環境問題
米国沿岸警備隊(USCG)より、バラスト水処理設備のUSCG型式承認の発行に向けた審査状況及び米国沿岸における燃料に含まれる硫黄分の排出規制(ECA)に関するポートステートコントロールによる検査の実施状況について説明がありました。
これに対して、我が国及びギリシャより、IMOの船舶バラスト水規制管理条約が来年9月8日に発効予定であり、米国が実施している独自の地域的なバラスト水規制について同条約によるグローバルな規制と整合を図るべきである旨主張しました。
さらに、我が国より、未だUSCGが型式承認を発行していないことから現在米国において一時的に認められているAMS制度(IMOの枠組みにおいて型式承認されたバラスト水処理設備をUSCG型式承認の代替品として搭載を5年間認める制度)について、既に処理設備を搭載した船舶に設備の積み替えを求めるべきでなく、AMS制度を5年の承認期間の後も延長する等の対応を求めました。
○その他
米国から、イラン核協議の合意後の制裁解除、TPPやTiSAなどの自由貿易協定交渉、またアライアンスについてのFMCの対応などについて説明がありました。

お問い合わせ先

国土交通省(全般)海事局外航課外航海運事業調整官 古田
TEL:03-5253-8111 (内線43-354)
国土交通省(環境案件関係)海事局海洋・環境政策課専門官 中尾
TEL:03-5253-8111 (内線43-923)
国土交通省(環境案件関係)海事局海洋・環境政策課係員 谷倉
TEL:03-5253-8111 (内線43-927)

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