現場で活用・実証されている
DX事例について紹介します

衛星活用

施策概要

衛星観測は、ドローンや航空機と比べ一回の観測で広範囲を観測することが可能です。
特にSAR衛星は、夜間・悪天候時でも観測が可能であり、災害時に迅速に被害の全容を把握するのに有効な手段です。

水管理・国土保全局では、浸水範囲や土砂移動箇所の早期把握に衛星観測を活用しており、関係機関への情報提供を行っております。
また、海岸線モニタリングやダム堤体変位監視などの平常時の管理に対しても衛星観測の検討を進めているところです。今後さらに、衛星コンステレーションの活用や自動判読技術の向上の検討を進め、災害対応やインフラ管理の高度化を図っていきます。

具体事例

令和5年台風第2号における
浸水状況の把握

令和5年6月2日、台風第2号及びそれに伴う前線の活発化による大雨の被害状況把握のため、愛知県周辺の衛星観測を行いました。観測の約2時間半後、JAXAから国土交通省へ浸水域等の解析結果が提供されました。

18:00 国土交通省⇒JAXA 緊急観測要請
23:44 衛星観測
26:40 JAXA⇒国土交通省 被害域自動抽出ツールによる浸水被害状況の提供

衛星データをもとに自動的に抽出された浸水域の推定範囲>
衛星データをもとに自動的に抽出された浸水域の推定範囲

省内関係機関に共有されたデータは、翌朝からの災害対応に活用されました。

  • 翌朝からのヘリ調査、地上調査での調査範囲の絞り込み検討の参考資料として活用
  • 推定浸水面積を内部での被害状況とりまとめ速報資料で活用
  • 推定浸水面積を基に概略の排水量を算定し、翌朝からの排水ポンプ車の配置検討に活用
夜明け・天候回復後の災害対応の例(ヘリ、ドローン、現地調査による詳細把握、排水ポンプ配備・排水)>
夜明け・天候回復後の災害対応の例(ヘリ、ドローン、現地調査による詳細把握、排水ポンプ配備・排水)
衛星データから推定された浸水の範囲>
衛星データから推定された浸水の範囲
実際の排水作業の実施状況>
実際の排水作業の実施状況

令和4年8月3日からの大雨による
土砂移動状況の把握

令和4年8月3日からの大雨では、SARの強度差分画像による判読結果をヘリ調査のルート案検討の参考資料として活用し、ヘリ調査により実際に土砂移動推定箇所の確認を行いました。

©JAXA
©ESA
2022/8/6 地方整備局ヘリ撮影写真(新潟県岩船郡関川村大字下関周辺)
2022/8/6 地方整備局ヘリ撮影写真(新潟県岩船郡関川村大字下関周辺)