Peopleキミとつながる職員紹介
スペシャル対談国土交通省というフィールド
_ Dialogue
現場と向き合い、知恵を絞り、
そして熱い思いを持って
人々の生活を支える
国土交通省の職員は、霞が関をはじめ、地方、海外といった様々なフィールドを歩みながら、政策を届ける先としての「現場」と常に向き合い、業務に当たっています。同期として入省し、互いのフィールドで汗を流してきた二人に、国土交通省の仕事の面白さや、職場の人々の魅力について伺いました。
_Member
伏原 洸
平成20年入省(総合職事務系)
不動産・建設経済局
不動産業課
不動産政策企画官
住宅局、鉄道局、大臣官房など省内各部局の他、中部地方整備局、京都府への出向も経験し、現職。マイブームはルービックキューブ。
山下 隆道
平成20年入省(総合職事務系)
航空局 航空ネットワーク部
航空ネットワーク企画課
空港運営権企画調整官
都市局、観光庁、国土交通大臣室など省内各部局の他、中部運輸局、財務省、総務省への出向も経験し、現職。マイブームは子どもと遊ぶこと。
Q1.国土交通省を志した理由は?
幅広い経験ができる業務と
熱く働く先輩方に魅せられたから
もともと国民の生活を支えることに関心があり、国家公務員を目指していました。国土交通省に対しては、「国民生活を支えることにつながるかな」という漠然とした印象しか持っていませんでしたが、実際に働かれている職員の話を聞いてみて印象が一変。想像以上に幅広い仕事の領域があることや、先輩方が情熱を持って働いている様子を知って魅せられてしまいました(笑)。伏原君とは同期入省で、国土交通省への官庁訪問日に出会いましたね。
そう、官庁訪問日に出会ったので、学生時代からお互いのことを知っている同期です。私も、生活の基盤となる仕組み自体を考えることができる点にやりがいを感じて、国家公務員を志望しました。実際に国土交通省の職員に話を聞くと、国の中心で制度そのものを見るスケールの大きな仕事もあれば、地方で現地の人と連携する現場に近い仕事もある。変化に富んでいて色々な体験ができる点に魅力を感じ、入省を決めました。
確かに様々な経験が積めますね。それに、現場と制度のチューニングをしながら仕事を進めていけるのは大きい。
本や資料で学んだことが全部正しければいいですけど、実際はその先にいる生身の人たちの声を聞かないと自分がつくっている制度が正しいかどうかわかりませんから。色々な人とコミュニケーションをとってチューニングしていくのは本当に大事ですね。
Q2.どんな仕事が印象に残っていますか?
前例のない難しい案件に
全身全霊で取り組んだこと
現部署で、空港業務職員※の人材確保に奔走したことは忘れ難いですね。コロナ禍による水際対策が行われていた際、国際線の需要が以前の1割以下まで落ち込み、空港で働いていた多くの人が他業種に転職してしまいました。2022年の秋頃から徐々に航空需要が回復しインバウンドを通じた地域振興にも期待が寄せられるようになりましたが、空港業務の人員が戻ってこない。事業者と話をしても、この問題を業界一丸で乗り越えようという機運はないし、「我が国全体で空港業務職員がどの程度減ったのか」という基本データさえ整理できていない状況でした。このまま人手不足で飛行機が運航できなくなることは絶対に避けないといけないのに、打開のための武器がなくて焦りましたね。幸い、中部運輸局に出向した際にバスや鉄道の事業者と徹底的にコミュニケーションを図って課題に対応した経験があったので、そのときのスキルをフル活用し、事業者と信頼関係を築くことから始めました。
※空港に勤務して航空券の発券、搭乗手続き、預け荷物の運搬や搭載などのサービスを行う仕事
担い手不足の解消という課題だけが設定されており、どう取り組むかは個人の裁量が非常に大きいように思いますが、山下君の過去のスキルが生きましたね。
補助金などの予算、税制など、あらゆる支援策の実現に向けて関係機関との調整に駆けずり回りました。また制度は単につくるだけではなく地域の関係者がワークできるようにするのが重要なので、運用面にも気を配っていきました。とにかく、自分の中の過去の引き出しを全部使い、あがき続けました。こういった本気の取組が少しずつ伝播し、今では業界一丸となって対応を進めることができているので、なんとか深刻な社会問題にまでは至らずに走り続けることができています。
社会問題化する前に手を打ち、対応できているのは素晴らしいですね。私の仕事で印象に残っているのは、京都府に出向した直後に起きた京都アニメーション放火事件です。事件直後より国内外から非常に多くの寄附金が寄せられて、税制上の取扱いが課題となりました。自然災害の寄附の場合は、自治体への寄附の扱いとなり、受け取る被災者に所得税がかからない仕組みがありますが、犯罪被害者への寄附については同じような前例がなく、自然災害と同等の取扱いとならないか、税制上の整理・解釈について経産省や国税庁など関係省庁と議論を重ねました。寄附金を寄せられた方々の気持ちを被害者の方々に行き届けたい、という思いを関係者と共有できたこともあって、最終的には、京都府が寄附の受け皿となって具体的な配分基準を定め、被害者・ご遺族に全額をお届けすることで、受け取る際の所得税も非課税扱いとなりました。
それはとても大変でしたね。仮に自分が伏原君と同じ問題に直面したとして、同様の結論にまでまとめ上げることができたかは、ちょっと自信がないです。
私というよりも、京都アニメーションの担当弁護士、経産省や国税庁のカウンターパートなど、一緒に取り組んでくださった方が誰一人欠けていても、同じ結論には至らならなかったのではないかと思っています。
Q3.国土交通省はどんなところですか?
コミュニケーションを大切に、
血の通った仕事をする職場
政策の企画立案の過程では、コミュニケーションが大事なので、年次がかなり上の人にも自分の意見を率直に言えるし、むしろ意見を聞かれることが多いですね。入省1年目の頃から、どの部局でもそうなので、国土交通省の組織風土かもしれません。
確かに「もっと勉強しなさい」と叱られたことはありますが、発言すること自体を否定されたことはないですね。基本的にこちらの話に興味を持って、意見を聞いてくれますよね。ディベートではなく、ディスカッションを行っている感覚です。
逆に、自分が入省15年目以上になってみると、確かに1~2年目の若い人の意見は貴重です。肌感覚が明らかに違うのですよね。対話は正解を探る大事なプロセスですから、省内外のあらゆる方面に積極的にコミュニケーションをとります。DXなどが象徴するように、現場のサービスも時代とともに大きく変わっているため、今の状況や変化に敏感でなければなりませんね。
そうですね。また、同期は助け合う存在として非常に頼りになりますよね。自分がわからない分野でも、同期が過去に経験していることも多いので、気軽に「◯◯◯◯ってどう思う?」などと意見を求めたりしています。
国交省での政策課題への対応は、山登りの感覚に似ているような気がします。「よりよくしよう」という思いはみな一緒ですが、どういったアプローチをするかは人それぞれ。頂上までのルート選択の仕方に、個人が持っている知識や経験、その人らしさが現れているような気がします。また、かつて大先輩に「君の仕事に血は通っているか」と問われたことがありました。仕事に血を通わせてやらないと無機質になって、ただの制度で終わってしまう。制度がしっかりワークできるよう、その先はどうなっていくか、人の営みや顔を全部思い浮かべて向き合うのが、血の通った仕事だと教わりました。こういった熱い思いを持って働いている方とご一緒できる機会に恵まれている職場だと思いますね。
仕事に血を通わせることが大事、というのは本当にその通りですね。そうした情熱がないと何も伝わりませんし、人も動かせないと思います。
Q4.入省希望者に伝えたいことは?
職員と話せば話すほど、
その省の解像度があがる
国土交通省にはスケールの大きな仕事もあるし、地域や国際の仕事もあるし、扱う分野も広い。そして、どの分野も国民の生活に密着しているので、現場の方々と向き合いながら様々なことを学び、日本の政策課題を解決に導いていきたい方にはおすすめの職場です。また、色々な分野から経験を積んでいくことができるので、単純に知的好奇心もとても満たされているなと感じますし、そうした経験を通じて、行政官として成長できていると思います。まだまだ経験していない分野があるので、これからも楽しみです。
地方赴任もあるので、霞ヶ関で設計した制度を運用する側に回る機会にも恵まれています。私たちに限らず国土交通省で働く多くの人が、現場で学んだことや感じたことを持ち帰って今の仕事に生かそうとしています。こうした方々とともに地に足のついた検討・議論を行いながら政策を進めていけるのも、魅力のひとつだと思いますね。実際、これまでのキャリアの中で他省庁にも出向しましたが、国土交通省ほど現場に近い省庁はなかったです。また、海外勤務をする機会もあるので、国土交通省はそれぞれの職員が多様な経験を積める組織だと思います。
就職活動では各省庁の職員の話を聞く機会があるでしょう。ぜひ国土交通省の話も聞いてほしいですね。話を聞けば、私たちの仕事に対する解像度がより上がるのではないかと思います。
確かに管轄する分野があまりに広すぎてどんな仕事があるのかを一言では表現できません。働いている人の話をたくさん聞いてみてほしいですね。
私たちが初めて会った官庁訪問でも、職員の話を聞いて、国土交通省のイメージを明確に持てましたね。そして、イメージの通りの仕事ができているので、この省を選んでよかったなと心から思っています。
あの時の官庁訪問では、いただいた名刺を並べて「一番楽しそうに仕事の話をしていた人のところに行こう」と思い、国土交通省を選びました。そして、「こんなに楽しい職場はない」と話していたその名刺の方は、今でもいきいきと働かれています。
働く人から省庁の空気感を受け取れば、本当に自分のやりたいことができる職場、一緒に働きたいと思える職場が見つかりますね。
その結果、国土交通省を選んでいただけたら、大変ありがたいですね。ぜひ、お待ちしています。