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ITF:International Transport Forum(国際交通フォーラム)

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1. 概要
 
ITFは、2006年、欧州運輸大臣会合がグローバルな組織に改組する形で設置された、OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)傘下の組織です。66の加盟国に加え、民間企業、有識者等が交通政策に関するハイレベルかつ自由な意見交換を行うとともに、交通に関する調査研究を行っています。陸・海・空、全ての交通モードを扱う唯一の国際機関です。
 
 
 
2. 主な活動内容

(1)ITFサミット
  • ITFの活動のハイライトとして、各国の交通担当大臣が著名な有識者・経済人を交えてハイレベルな議論を行うITFサミットが、年1回、毎年5月にドイツ(ライプチヒ)で開催されており、日本からも政府関係者、及び民間企業関係者等が参加しています。
  • 2023年のサミットでは、「持続可能な経済を実現するための交通」をテーマに議論を行いました。

 (ITFサミット2023の様子)
     
 
(2)交通に関する調査研究活動
  • ITFは交通政策に関する国際的なシンクタンクとして、調査研究活動も行っており、ITFの調査研究部門である交通研究委員会(TRC: Transport Research Committee)では、各国の学識経験者や実務者が様々な政策課題について調査・研究を行っています。
  • 主要なプロジェクトの1つとして、世界における2050年までの交通需要及び交通に由来するCO2排出量の将来予測や、持続可能なモビリティへの移行を実現するための政策についての提言等をとりまとめた「ITF交通アウトルック」を2年に1回作成しています。2021年5月に最新版「ITF交通アウトルック2021」が出版されました。
  • この他、交通分野における脱炭素化やMaaSの推進等の諸課題へ対応するため、随時、政策提言を含むレポート等を発行しています。

(参考:TRCにおける研究活動について)
TRCでは、ワーキンググループ(約2年間に渡り複数回の会議を開催し報告書を作成する形式)とラウンドテーブル(1-2日の会議で集中的に討議して報告書を作成する形式)という2種類の形式で、モビリティに関する様々なテーマの研究をおこなっています。研究計画は、2年ごとに立案されます。


3. 加盟国及びオブザーバー(2023年5月時点)

(1)加盟国(66か国)
(ア)ヨーロッパ(45か国)
アイルランド、アイスランド、アゼルバイジャン、アルバニア、アルメニア、イタリア、ウクライナ、ウズベキスタン、英国、エストニア、オーストリア、オランダ、カザフスタン、北マケドニア、ギリシャ、クロアチア、ジョージア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、セルビア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ベラルーシ、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ポルトガル、マルタ、モルドバ、モンテネグロ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルーマニア、ルクセンブルク、ロシア
(イ)アジア大洋州、中東(11か国)
アラブ首長国連邦、イスラエル、インド、オーストラリア、韓国、中国、トルコ、日本、ニュージーランド、モンゴル、カンボジア
(ウ)北中南米、アフリカ(10か国)
アメリカ、アルゼンチン、カナダ、コスタリカ、コロンビア、チリ、チュニジア、ブラジル、メキシコ、モロッコ

(2)オブザーバー(3組織)
EC、UNECE、UNESCAP
 
4. 過去のITFサミット実績
 
名称 開催年 議長国 テーマ 報道発表資料等
第1回 ITFサミット 2008年 フィンランド 交通とエネルギー:気候変動問題への挑戦
第2回 ITFサミット 2009 トルコ 交通とグローバリゼーション:経済危機下における挑戦と機会
第3回 ITFサミット 2010 カナダ 交通とイノベーション:ポテンシャルの発揮
第4回 ITFサミット 2011年 スペイン 社会のための交通 ITF2011報道発表資料
Key Messages2011
キー・メッセージ2011(仮訳)
第5回 ITFサミット 2012年 日本 シームレスな交通 ITF2012報道発表資料
Declaration Ministers2012 ※1
Case Study Compendium ※2
ITF2012ホームページ(英語版)
第6回 ITFサミット 2013年 ノルウェー 交通と資金調達 ITF2013報道発表資料
第7回 ITFサミット 2014年 フランス 変わりゆく世界における交通 ITF2014報道発表資料
第8回 ITFサミット 2015年 ニュージーランド 交通、貿易と観光 ITF2015報道発表資料
第9回 ITFサミット 2016年 デンマーク 環境に優しく、インクルーシブな交通 ITF2016報道発表資料
第10回 ITFサミット 2017年 メキシコ 交通のガバナンス ITF2017報道発表資料
第11回 ITFサミット 2018年 ラトビア 交通の安全とセキュリティ ITF2018報道発表資料
第12回 ITFサミット 2019年 韓国 地域統合のための交通連結性 ITF2019報道発表資料
大臣ラウンドテーブル ※3 2020年 アイルランド 新型コロナウイルスと交通 大臣ラウンドテーブル報道発表資料
第13回 ITFサミット ※4 2021年 アイルランド 持続可能な発展のための交通イノベーション
~Covid-19 をきっかけとした交通の再構築~
ITF2021報道発表資料
第14回 ITFサミット 2022年 モロッコ 包摂的な社会のための交通 ITF2022報道発表資料
第15回   ITFサミット 2023年 英国 持続可能な経済を実現するための交通 ITF2023報道発表資料

※1 新たな取り組みとして、個別のテーマに関して、大臣ラウンドテーブルを開催し、各テーマ毎に共同声明を発表(Declaration Ministers2012の附属文書)
※2 シームレスな交通に関連した各国等の施策をとりまとめたCase Study Compendiumを作成
※3 新型コロナウイルスの影響によりサミットは開催せず、大臣ラウンドテーブルのみオンライン形式で開催
※4 新型コロナウイルスの影響によりオンライン形式で開催

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