企業

日本航空株式会社

日本航空株式会社

 

取組テーマ

人材育成

地域課題解決

新規事業創出

社員の主体性を引き出すワーケーション

  • 創業:1951年
  • 従業員数:12,969人(2023年3月現在)
  • 本社所在地:東京都品川区
  • 事業内容:定期航空運送業、不定期航空運送業、航空機使用事業など
    2017年に有給休暇の取得率向上を目的として、ワーケーションを導入

ワーケーションに取り組んだ背景/現状

今回の実証事業における目的や背景について

  • 日本航空株式会社(以下JAL)では、2017年より休暇利用中に仕事を行うテレワークを可とする「休暇型」のワーケーションを導入し様々な取り組みを推進してきましたが、今回の取り組みとして「農業」を共通テーマとし、3チームが3地域で2回ずつワーケーションを行いました。開催をした場所は青森県弘前市、和歌山県みなべ町、香川県三豊市の3か所で、当社との関わりがある地域で実施をしました。参加者ですが、JALグループのテレワーク、ワーケーションが可能な人で、地域と連携した事業をおこなっている部署に声をかけて募集をしました。参加者は事前に「JAL価値創造大学」に入校し、①事前学習、②モニターツアーを実施、③事後発表、という流れとミッションがあることを説明することにより、ワーケーション前からチームビルディングを行い、それによってワーケーション中は無駄のない時間を過ごし、事後発表では人材育成に繋がったと感じています。
    ※JAL価値創造大学:日本航空(JAL)グループが採用する企業理念やビジョンを共有し、全社員が持つべき意識・価値観・考え方を体系化した社内アカデミープログラム。

取り組み内容やコンテンツについて

  • 農業を共通テーマとして入れた理由は、日本の自治体のどこでも農業ならば体験が できると考えたからです。今、日本は農業離れが深刻で、土地があるのに耕す人が いない、と言う危機的な状況ですが、「人がいない地域に、JALが人を運べれば良い」 と考えたことがあり、農業を通じて地域を知り、新たな事業の創出にも繋げてもらい たいという思いがありました。農業の繁忙期と旅行の閑散期は重なる時期があり、 その時期に農業のお手伝いに行く旅、「おてつたび」や「アグリワーケーション」など、 価値のある旅行のご提案や「この時期ならこのような旅行の提案ができる」というヒント をもらったのも農業からになります。今回、参加者が「商品を販売するのであれば、 体験してみないとわからない」とワーケーションの効果を感じてくれたことも価値が高いと感じました。

取り組みにおける課題や改善点は?

  • 今回の取り組みでは「地域課題を見つけること」という事業ミッションを参加者に 課してワーケーションをしてもらいました。しかしある地域での1回目のワーケーションでは「課題、課題」と地域の課題を探すことに注力してしまい、地域の方に「これが課題です」と課題だけを列挙するプレゼンテーションをしたところ、「これを私たちは課題とは思っていません。もっと地域のことを考えて欲しい」」と返されてしまった、ということがありました。これを踏まえて2回目に行った時は、地域の人たちと話し、地域のことを知り、この良いところをどのように伸ばせばよいか、おいしい農産物をどうすれば広められるか、などコミュニケーションを重ねることによって、地域に寄り添った課題を見つけることができるようになりました。ここから学んだことですが、地域課題解決型のワーケーションは1回行くだけでは、課題の把握に止まることが多く、何回も通い、地域を理解し好きになることで様々な地域課題が見つけられ、解決策も一緒に考えらえるようになるということかと思います。

今回の取り組みで得られた成果と今後について

  • 今回の取り組みで得られた成果ですが、新規事業開拓に関する意識改革ができた、社員と地域の結びつきが深まった、社員自身の課題発見・解決に繋がるヒントが得られた、が挙げられると考えています。今回、入社年次が若い社員も参加したのですが、自分の部署であれば年次が上の人に聞きにくいことも、ワーケーションという場において他部署の人であれ、普段、聞きにくい業務上のノウハウ等が聞けるようなコミュニケーションができるようになり、社に戻ってからも成果報告会のプレゼン資料を一緒に作成する、というミッションでより強固なものになる、といった部署の垣根を越えた横ぐしを刺すことができ、人材育成の観点からも良いサイクルができていると感じています。

    そして取り組みを進めていくためには経営層の理解も必要であるため、今回の事業終了後に継続のお願いに行こうと思っていたところ、成果発表会の発表を見ていた経営層から、「ここで終わらせるのはもったいない。続けていこう。」という声をもらいました。
    地域に入り、成果を見せることで上司にもワーケーションの効果が伝わると実感しました。

インタビューにお答えいただいたのは:ソリューション営業推進部 観光企画グループ 西野 沙希さん

今回の取り組みを通して、私がワーケーション事業をやっている、ということを社内の人で知った人が「今度、ワーケーションをやってみたいけれど、どこかいい所ない?」と言った声をかけてもらうことも増えました。やはりワーケーションは継続して行うことが大事だと思います。

ワーケーション導入・推進企業インタビュー

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