uc22-037

3D都市モデルを活用した気候変動影響シミュレーション

実施事業者アルテアエンジニアリング株式会社 / 東京大学
実施場所愛知県名古屋市中区錦二丁目 / 東京都西東京市
実施期間-
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3D都市モデルを用いた都市部における気候変動影響シミュレーションの手法を開発。多様な主体による協働型まちづくりを推進する。

実証実験の概要

近年、地球規模の気候変動に伴う気温上昇の影響が我が国でも顕在化しており、ヒートアイランド現象と相まって、特に都市部における夏季の屋外環境の高温化が顕著である。

今回の実証実験では、3D都市モデルから市街地空間の建物形状と土地利用を把握し、数値流体力学(CFD; Computational Fluid Dynamics)に基づく温熱環境シミュレーションを実施することで、現在から将来にかけて予想される気候変動が屋外環境に及ぼす影響を解析する。さらに、実測調査によりシミュレーション結果の妥当性を検証する。

実現したい価値・目指す世界

年々厳しさを増す暑熱対策には、樹木などによる日陰の創出、緑地や農地の配置など地区スケールの適応策が重要であり、建築物や敷地の対応、公共空間の再編・再整備などに市民・行政・企業・研究機関などが連携して取り組む多主体協働型のまちづくりが効果的である。このようなまちの課題に共通の認識を持って対策を検討・実践するためには、非専門家を含む様々なステークホルダーが将来的な気候変動の影響を考慮した温熱環境を把握する必要がある。

今回の実証実験では、特に暑熱対策が急務である都心・郊外市街地に着目し、3D都市モデルの建物形状や土地利用情報を活用して、当該都市空間の将来的な気候変動下の温熱環境をシミュレーション・ビジュアル化するシステムを構築することで、多様なステークホルダー間の円滑な合意形成を支援する手法を開発する。

例えば、愛知県名古屋市中区錦二丁目のような日中の歩行者の多い商業業務地において、熱中症リスクが高い歩道を特定することは、街路樹やアーケードの設置、周辺敷地の遮熱化・保水化といった地域における施策検討に繋がっていく。また、都市農地の保全活動が進められている東京都西東京市においては、暑熱緩和効果の観点から合理的な農地の配置を検討することが可能となる。このように、多様な主体のもつリソースの活用や協働のため、事前に仮想空間内でシミュレーションを実施することは今後欠かせないプロセスとなっていく。

今回の実証実験により、自治体やエリアマネジメント団体が気候変動適応に向けたまちの課題を共有し、地区スケールでの施策を検討する際の汎用的な知見を創出することで、全国のまちづくりにおいてエビデンスに基づく合意形成や取組が行われる社会の実現を目指す。

対象エリアの地図(2D)名古屋市
対象エリアの地図(3D)名古屋市