uc24-13

地下街データを活用したナビゲーションシステム v2.0

実施事業者JR東日本コンサルタンツ株式会社
実施場所渋谷駅周辺エリア / 札幌駅周辺エリア / 高松駅周辺エリア
実施予定2024年11月〜12月
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鉄道駅周辺の地上・地下をシームレスに統合した三次元地図基盤を構築し、経路を3Dで案内するナビゲーションシステムを複数エリアで展開。地域情報発信との連携も行い、都市デジタルツインにより駅周辺の利便性を向上するツールとして社会実装を目指す。

本プロジェクトの概要

駅、市街地、地下街など都市の各施設の三次元構造に関する情報は、それぞれの施設管理者が様々な形式の地図や設計情報として整備・管理しているが、関係者が多岐にわたるため複数施設を一元的に管理する情報基盤の整備が進んでいない。また、多くの都市において、駅周辺の店舗・施設情報も同様に個別に発信しており、統合した情報発信プラットフォームが存在しない。

本プロジェクトでは、2023年度の「地下街データを活用したナビゲーションシステム」の成果を踏まえ、複数エリアで3D都市モデルを用いた三次元地図基盤を構築し、各エリアにおいて地上・地下・屋内外シームレスな歩行者向け3D/ARナビゲーションシステムを展開する。また、来街者等のアプリ利用者に店舗や施設、地域の観光情報のほか、有事の際の避難施設情報等も提供することにより、非常時にも活用できるアプリとして地域の情報発信にも貢献する。この取り組みにより、エリア内におけるシームレスなナビゲーションと情報発信を行うことができる三次元地図基盤の普及・拡大を進め、駅周辺の利便性の向上や都市デジタルツインの社会実装の加速を目指す。

実現したい価値・目指す世界

ターミナル駅やその周辺のエリアでは、駅やビル、地下街など複数の施設管理者が各管理箇所の地図・設計情報を個別に管理している。駅や周辺ビルを繋ぐ地下街やペデストリアンデッキがあるエリアにおいては歩行空間が複雑に交差しているが、各施設管理者が個別にマップ等を作成することから、屋内外・地上地下を含むエリア一体をシームレスに繋ぐ基盤は構築されておらず、来街者にとって分かりやすい経路案内をすることも容易でない。また、統合された情報発信基盤が整備されていないため、非常時において施設管理者等から来街者へ避難所等の情報等を一元的に発信ができる手法が存在しない。

そこで2023年度の「地下街データを活用したナビゲーションシステム」では、東京駅エリア、品川・高輪ゲートウェイ駅エリアで3D都市モデルを活用し駅構内や地下街を統合した三次元地図基盤を構築することでシームレスな歩行者向け3Dナビゲーションシステムを開発した。実証においては三次元地図基盤や3Dナビゲーションの有用性を検証し、経路が分かりやすくなったと評価を受けた一方、ユーザビリティの高い施設検索の手法等、ナビゲーションアプリとしてUI/UXの改善が必要であることが分かった。

本プロジェクトでは、ユーザーからの要望を踏まえた検索手法の改善等に取り組むことによって、2023年度の実証で明らかになったUI/UXの課題を解決する。さらには、新たに3つのエリア(渋谷・札幌・高松)にて三次元地図基盤を整備し、歩行者向け3Dナビゲーションシステム、及び情報発信プラットフォームの有効性を検証することで、アプリの汎用性を高めるほか、多都市への展開にあたっての考慮事項や社会実装に向けたアプローチを明らかにする。

この取り組みにより、様々な都市の三次元地図基盤の普及拡大を進め、シームレスで使いやすい歩行者向けナビゲーションサービスを提供するとともに、施設管理者等から来街者へ一元的に情報発信可能なプラットフォームを整備することで駅周辺の利便性向上を実現する。

渋谷エリア図 (2D) 渋谷駅周辺エリアを示す赤枠を表示 (JR東日本コンサルタンツ株式会社)
出典:地理院地図
札幌エリア図 (2D) 札幌駅周辺エリアを示す赤枠を表示 (JR東日本コンサルタンツ株式会社)
出典:地理院地図
高松エリア図 (2D) 高松駅周辺エリアを示す赤枠を表示 (JR東日本コンサルタンツ株式会社)
出典:地理院地図
対象エリア(渋谷区)の地図(3D)
対象エリア(札幌市)の地図(3D)
対象エリア(高松市)の地図(3D)