地下街データを活用したナビゲーションシステム
実施事業者 | JR東日本コンサルタンツ株式会社 |
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実施協力 | 一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会/東日本旅客鉄道株式会社株式会社/JR東日本クロスステーション |
実施場所 | 東京駅エリア/品川・高輪エリア |
実施予定 | 2023年9月〜11月 |

駅周辺の地上・地下を統合したデジタルツイン基盤を構築し、エリア全体をシームレスに繋ぐナビゲーションシステムを開発。駅とまちを繋ぎエリアマネジメントの更なる高度化を目指す。
実証実験の概要
駅、市街地、地下街など都市の各セグメントの三次元構造に関する情報は、それぞれの管理者が様々な形式の地図や設計情報として整備・管理しており、統合的なデジタルツインの実現には課題がある。このため、まちづくりや防災といった分野の政策立案者や来街者に対する一元的な情報共有は実現されていない。
今回の実証実験では、地下空間を構成する地下通路や建物地下階、駅構内等の各管理者からGISデータ、BIMモデル、3D駅構内地図等のデータ提供を受け、これらを統合することでターミナル駅を中心とした地上・地下の統合デジタルツイン基盤を3D都市モデル(地下埋設物モデル等)として構築する。さらに、これを活用した3Dナビゲーションシステム及び平常時/災害時を想定した来街者への情報配信システム等を開発する。これにより、統合デジタルツインを活用した一元的な情報管理・共有を実現する。

実現したい価値・目指す世界
地図情報、店舗情報、運行情報、店舗・施設の利用情報など、ターミナル駅を中心とした複雑な都市内の情報は各施設管理者が個別に管理しており、これらを統合したプラットフォームは存在しない。このため、来街者やまちづくり主体などは一元的に情報を取得できず、情報取得や、政策立案に関する合意形成のコストが高くなっている。
今回の実証実験では、3D都市モデルを活用することで、駅、地上部、地下通路等をシームレスにつなぐ三次元地図基盤を整備する。駅構内及び地下通路については、東京駅周辺の各施設管理者からGISデータや3D駅構内地図、BIMモデル等のデータ提供を受け、これを3D都市モデルの地下街モデルとして再構築する。また、東京駅の地下通路から接続する周辺ビル7棟についても、各施設管理者からBIMモデルの提供を受け、これを活用した建築物モデルLOD4を整備する。さらに、地上部については既存の3D都市モデル(建築物モデル等)を利用する。これらのデータを統合し、施設情報などの情報を付加することで、地下街を含むエリア全体の三次元地図基盤を整備する。
整備した三次元地図基盤は、東京駅及びその周辺を対象にした既存のナビゲーションアプリ「東京ステーションナビ」の基盤データとして活用する。このため、「東京ステーションナビ」の改修を行い、三次元ルートナビゲーション機能、ARナビゲーション機能、平常時/災害時を想定した情報配信システム等の追加開発を行う。
加えて、運行情報、店舗/ロッカー満空情報、災害時一次避難場所・帰宅困難者受入施設情報等を管理できるようにすることで、来街者への情報配信や、まちづくり関係者への情報共有などを行えるようにする。
将来的には、新しい「東京ステーションナビ」が、エリア滞在者にとって平常時/災害時いずれにおいても利便性の高い統合的情報発信ツールとなり、まちづくり・エリアマネジメント活動のDXに寄与することで、安全・安心・快適なエリアを実現することを目指す。




