uc24-16

地下埋設物データを活用した都市開発のDX v2.0

実施事業者エヌ・ティ・ティ・インフラネット株式会社 / 株式会社日建設計 / 株式会社日建設計総合研究所 / 日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社
実施場所東京都心 日本橋エリア / 名古屋 港明エリア / 大阪 大阪駅周辺エリア
実施予定2024年10月〜2024年12月
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地下のインフラ情報を3D都市モデルのデータとして更新するシステム及びインフラの維持管理を支援するシステムを開発。都市開発や維持管理業務の効率化などを促進し、「持続可能なインフラメンテナンス」を実現する。

本プロジェクトの概要

3D都市モデルの標準仕様の策定によって、従来インフラ設備事業者毎に管理されていた埋設物データの標準仕様と3D都市モデル整備手法は確立された。一方で、3D都市モデルのデータ更新手法はまだ確立されていない。また、インフラ設備の維持管理と各種設備の点検業務は密接な関係があるが、設備点検結果の管理方法はメンテナンス事業者毎に異なっている。これにより、インフラ設備の維持管理結果を3D都市モデルに紐づけるために必要となる、点検業務のデータ仕様が標準化されていないという課題が存在している。

本プロジェクトでは、インフラの維持管理を支援するシステムを開発することで、都市開発やインフラ管理において様々な事業者が複雑に連携している社会インフラの開発・維持管理プロセスに対し、3D都市モデルを継続的に活用するための標準的なデータ更新手法を確立する。また、設備点検結果の標準的な管理方法を整理し、効率的な作業を実現するためのデータ項目を整理する。さらには、実際の業務へ適用することで開発したシステムの有用性を検証する。

実現したい価値・目指す世界

今後、社会全体での労働人口減少に対して、インフラ設備の老朽化に伴う維持管理・保守業務は増加することが見込まれることが、大きな社会課題となっている。

過年度までの取組みによって、埋設物データの3D都市モデル整備手法は確立されたものの、インフラ事業者が自律的かつ継続的に3D都市モデルを更新する手法は検討段階にある。開削を伴う地下埋設物の工事は、設備の正確な位置が確認できる機会であり、その施工記録は3D都市モデルの更新に活用可能な信頼性の高い情報ソースの一つとなる。他方、一般的な施工記録の多くは、設備の写真や施工内容を手書きで記録するため様式が統一されておらず、これらを3D都市モデルへ反映する標準的な手法は未だ確立されていない。また、インフラ設備の維持管理と密接な関係にある点検業務も同様に、法定点検等で実施事項は定められているもののものの記録・管理手法はメンテナンス事業者毎に異なっており、社会全体でインフラ設備3D都市モデルを継続的に利活用するための標準化が不十分である。

今回開発する、土木施工事業者向けの「地下埋設物3次元計測ツール」、維持管理業務を行う設備事業者向けの「地下埋設物モデル化支援ツール」の活用によって、設備管理のデータ更新を標準化することでインフラ設備の維持管理に関わる事業者の業務効率化を実現する。また、各種設備の点検業務のデータ仕様統一を目的として開発する「施工管理・点検DX支援ツール」は、スマートフォン等を用いた入力機能を実装することで、デバイスの入手性を高めるとともに、多くのユーザーが直観的に操作可能な環境を提供する。これにより、ビルメンテナンス事業者などを含むあらゆるエンドユーザーへの早期の普及を促進し、設備点検業務におけるデータ仕様の標準化による作業効率化を加速させる。

本システムを開発することで、インフラ設備の維持管理を支えるために、異なる事業者間で共通のデータ仕様を確立することなどにより都市デジタルツインの社会実装を推進し、将来的な労働人口減少に対応した「持続可能なインフラメンテナンス」の実現を目指す。

対象エリア(東京都中央区)の地図(2D)
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