2020年度における日本の二酸化炭素排出量(10億4,400万トン)のうち、運輸部門からの排出量(1億8,500万トン)は17.7%を占めています。自動車全体では運輸部門の87.6%(日本全体の15.5%)、うち、旅客自動車が運輸部門の48.4%(日本全体の8.6%)、貨物自動車が運輸部門の39.2%(日本全体の6.9%)を排出しています。
1990年度から1996年度までの間に、運輸部門における二酸化炭素の排出量は22.7%増加しましたが、その後、1997年度から2001年度にかけてほぼ横ばいとなり、2001年度以降は減少傾向に転じています。
2020年度の排出量は、自動車の燃費改善等や新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による輸送量の減少により、2013 年度比で減少しています。また、前年度比でも減少し、8年連続の排出量減少となりました。
一般に、輸送量が増加すれば二酸化炭素の排出量も増加します。輸送量は景気の動向等に左右されるため、運輸部門における二酸化炭素の排出量の削減を、輸送量の増減に関わらず確実なものとするには、効率のよい輸送を促進することが重要となります。
ここでは、我が国内の旅客輸送と貨物輸送において、効率の目安となる単位輸送量当たりの二酸化炭素の排出量を比較しました。
なお、これらの数値は、サイズや車種、船種、機種等を区別せず、輸送機関の分類のみを考慮しております。
旅客輸送において、各輸送機関から排出される二酸化炭素の排出量を輸送量(人キロ:輸送した人数に輸送した距離を乗じたもの)で割り、単位輸送量当たりの二酸化炭素の平均的な排出量を試算すると下図のようになります。
貨物輸送において、各輸送機関から排出される二酸化炭素の排出量を輸送量(トンキロ:輸送した貨物の重量に輸送した距離を乗じたもの)で割り、単位輸送量当たりの二酸化炭素の排出量を試算すると下図のようになります。
温室効果ガスインベントリオフィス資料:http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/nir/nir-j.html
国土交通省の交通関係統計等資料:http://www.mlit.go.jp/k-toukei/index.html