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ストーリーテリング型GISを用いたエリアマネジメントの高度化

実施事業者東日本旅客鉄道株式会社/一般社団法人高輪ゲートウェイエリアマネジメント/ 株式会社JR東日本建築設計/株式会社ユーカリヤ/株式会社パソナ/ 株式会社日立コンサルティング/一般社団法人UDイニシアチブ
実施場所高輪ゲートウェイ駅周辺エリア実施場所
実施予定2023年9〜12月
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誰もが自らの物語を地図上で表現できる「ストーリーテリング型GIS」を開発。エリアマネジメント団体が地域住民と共にまちの魅力を発信することで、エリアマネジメントの新たな手法を構築する。

実証実験の概要

エリアマネジメント活動では、まちの歴史や魅力発信、賑わい創出、住民・来街者向けのくらし案内など様々な情報発信を行っている。一方、現状の情報発信手法はホームページや動画等の公開に留まっており、エリアの空間的な説明や情報発信者の意図をシナリオ立てて分かりやすく伝える手法に課題がある。

今回の実証実験では、大規模な再開発が進む高輪ゲートウェイ地区のエリアマネジメント団体による分かりやすい情報発信を目指して、WebGIS「Re:Earth」を基礎に、情報発信者の意図をストーリー仕立てで分かりやすく発信できる「ストーリーテリング型コンテンツ作成・閲覧機能」の追加実装を行う。さらに、エリアマネジメント団体だけでなく地域住民の利用も想定し、ノーコードで簡便にコンテンツ作成が可能なUI/UXを実装する。

改修した「Re:Earth」を活用した情報発信コンテンツの制作により、エリアマネジメント活動における情報発信を高度化させ、エリアの魅力を分かりやすく伝えることを目指す。

実現したい価値・目指す世界

エリアマネジメント団体はまちの魅力発信等によるシティプロモーションを実施しているが、情報発信手法が限定的であり、また、情報の受け手にとって分かりやすいコンテンツが制作できていない、といった課題を抱えている。一方で、近年ストーリーテリング型GISを活用したストーリー仕立ての「物語」による情報発信手法が、プロモーション等において効果的であるとして各所で注目されている。

今回の実証実験では、WebGISの「Re:Earth」に追加機能を実装することで、大規模な再開発が進む高輪ゲートウェイエリアを舞台としたエリアマネジメント団体の対外的な情報発信の質を向上させる。
「Re:Earth」は、地理空間情報(GIS)のオープンソースプラットフォームであり、Webブラウザ環境で動作し、非専門家でも3D都市モデルやGISデータ、映像・画像などの多元的なデータの可視化・解析をノーコードで扱うことができる。さらに、プラグインに対応しており、さまざまな機能拡張が可能となっている。
そこで、今回の機能追加では、「Re:Earth」にスクロール型ストーリーテリングを作成できる機能を実装する。スクロール型ストーリーテリングは、ユーザーによるWebサイトのスクロール操作に合わせて、順番にコンテンツが展開される。ユーザーの操作によってシームレスにコンテンツが遷移するため、ユーザー自身のペースでコンテンツを受け取ることができる。これにより、ユーザーはエリアの魅力や歴史を「物語」のように連続的に体験することができ、エリアへの訪問意欲等が向上することが期待される。

また、エリアマネジメント団体だけでなく地域住民の利用も想定し、ノンエンジニアでもノーコードで簡便にコンテンツ作成が可能なUI/UXを実装する。エリアマネジメント団体は本システムを用い、地域住民を巻き込んだワークショップを開催し、ガイドブック等には掲載されない地域住民しか知らないようなエリアの魅力も盛り込んだシティプロモーションのコンテンツを制作する。

これらの取組みより、エリアマネジメント団体による情報発信を高品質化させてエリアの魅力を効果的に発信することで、エリアへの来街者の増加や賑わい創出を図る。

対象エリアの地図(2Dイメージ)
対象エリアの地図(3Dイメージ)