荒川には渓流魚が多く生息し、サケ等の降海型の魚類も遡上しています。河川水辺の国勢調査(魚介類調査)では、淡水魚19種、回遊魚22種、汽水・海水魚9種、エビ・カニ・貝類15種が確認されています。
上流域の山地は、ブナ、ミズナラの広葉樹に覆われており、ツキノワグマ等の大型哺乳類や猛禽類が生息する豊かな自然が残され、イワナ、ヤマメといった渓流魚も多く生息しています。上流部の大半を占める小国町では、町を象徴する二つの素材であるブナと雪からイメージできる「白」を町全体を“白い森”と表現しており、森との関わる独特の生活文化を小国では、『ぶな文化』と呼んで、その伝承に努めています。
中流部の切り立った渓谷部は、「荒川もみじライン」と呼ばれる広葉樹と針葉樹の対比が鮮やかな紅葉の名所となっています。一方で、関川盆地は朝日・飯豊山系の縁辺部と櫛形山脈に囲まれたのどかな田園風景が広がり、対照的な景観を呈しています。
櫛形山脈を横切る花立の狭窄部から日本海までの下流部は、「岩船米コシヒカリ」の産地でもあり荒川頭首工で取水した用水を利用した水田が広がり、荒川町は水はけの良い土地を活かして、クロッカスの栽培が盛んに行われています。また、海岸線には、岩船から弥彦山まで断続的につながる松林を伴った海岸砂丘が形成され、越後平野独特の景観となっています。