住宅

【令和2年度】熊本平野に建つ家

最終更新日:令和5年3月16日

熊本県熊本市の事例です。

事業概要

●建設地:熊本県熊本市
●地域区分:7 地域
●設計者:すまい塾 古川設計室(有)
●竣 工:令和 4 年 1 月
●用 途:専用住宅
●構造・階数:木造軸組・地上 1 階
●敷地面積:955.78 ㎡
●延床面積:96.53 ㎡
●建築面積:105.03 ㎡
 

提案概要

●海抜が低い熊本平野の河沿いに近い建設地では、台風や水害などへの対策も気候風土に適応するための要素の一つであると考え、伝統的な構工法の取り組みの中で、高い床高や屋根への避難ルートの確保などの浸水対策と、被害箇所の把握や修繕が容易なビス留めの板張り外壁や石場建てなどの浸水後の対策を講じることで、住み慣れた土地に住み続けることを可能とした住宅。

●建設地は西側が有明海に開け、他三方を山々に囲まれた高温多湿な内陸型気候である。雨季や夏季の湿度対策として、畳(稲わら畳床)、無垢板の床・壁・天井、土壁、漆喰壁などを採用し、家全体を吸湿性能が高い材料で構成することで蒸し暑さを感じない環境を目指している。

●日照時間が長い夏季の日射対策として、南面の深い軒庇によって日射を遮蔽するとともに、西面に面格子のある地窓や玄関上部に無双窓を設け、風を取り込みながら西日を遮ぎることができる仕様としている。

●春から秋にかけて吹く卓越風を利用し、南と西面から入った風が引戸形式の建具を開け放した室内を通り、北と東面の窓から抜けるような通風計画としている。また、上下方向の風の流れや床下の冷たい空気も取り込めるように、地窓、高窓、床下換気口を設けている。

●熊本県産の杉やイグサなど豊富な地域産材を積極的に活用するとともに、地域の大工や職人による気候風土に適応した家づくりを通じて、技術の伝承、後継者の育成、地域に根ざした景観の創出を図っている。
 

地域の気候風土への適応・環境負荷低減対策

●続き間:家族室と座敷の続き間とし、3枚引で仕切ることにより空間に可変性をもたせている。
●高天井:家族室の最も高い部分の天井高さを3,400mmとしている。
●深い軒庇:南面に軒の出1,600mmの深い軒庇を設けている。
●多層構成の建具:家族室と座敷の掃き出し窓を内障子、木製ガラス戸、木製格子網戸の多層構成の建具としている。
●複数の窓の位置による通風への配慮:各面に設けられた大開口などにより夏季の通風を確保している。床下換気口や地窓、高窓による上下方向の通風にも配慮している。
●開放的な床下(石場建て):通気により乾燥が早く、点検や修繕が容易な開放的な床下工法としている。
●地域産の材料の使用:熊本県産の構造材・仕上げ材、土壁、イグサを使用している。
●地域の建築職人、大工の登用:地域の大工や職人の仕事を通じて、手刻みなどの伝統技術の伝承を図っている。

お問い合わせ先建築

国土交通省住宅局参事官(建築企画担当)付
電話 :03-5253-8111

住宅局基本情報

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