住宅

【令和元年度】風のとおり道

最終更新日:令和5年3月16日

熊本県熊本市の事例です。

事業概要

●建設地:熊本県熊本市
●地域区分:6 地域
●設計者:すまい塾 古川設計室(有)
●竣 工:令和 2 年 11 月
●用 途:専用住宅
●構造・階数:木造軸組・地上 1 階
●敷地面積:297.16 ㎡
●延床面積:82.46 ㎡
●建築面積:97.23 ㎡
 

提案概要

●西に有明海のある熊本市郊外の敷地において、立地条件や地形的特性を活かした間取りや通風への配慮、夏季の強い日射や高温多湿に対する様々な建築的工夫、豊富な地域材の多用と地域の大工・職人の伝統的技術継承への積極的な取組みなど、コンパクトな住まいの中に様々な手法を取り入れた都市郊外型住宅。

●夏は南にある小高い丘とその足元を流れる小川を伝わる南西からの卓越風を利用し、南面の大開口部から風を取込んでいる。その風は北面に設けた開口部から家全体を通り抜けるとともに、床下換気口から涼しい風を取込み、高窓から逃がすような風のとおり道を計画している。冬は薪ストーブで暖をとり、多層構成の木製建具を閉めることで暖かさを逃がさないなど、季節に応じた暮らしができるように工夫している。

●高温多湿な地域における対策として、畳(稲わら畳床)、無垢板の床・壁・天井、土壁、漆喰壁、断熱材などを用い、家全体の吸湿性を高めている。薬剤にたよらないシロアリ対策として、床下が開放できる石場建てとしている。

●建築構造としては、主に土壁、差鴨居、足固めで軸組を構成し、塗壁や厚板張りによって耐震性を確保している。地元の自然素材と地域の職人による家づくりにより、地域で建物の維持管理を行いながら技術を継承していくシステムを構築している。
 

地域の気候風土への適応・環境負荷低減対策

●深い軒庇:北面に軒の出1,130mm、南面に軒の出2,115mmの深い軒庇を設けている。
●多層構成の建具:南面の大開口部は内障子、木製ガラス戸、格子錠付き網戸の多層構成の建具としている。
●木製建具:玄関戸及び南面の開口部に地場で製作した木製建具を使用している。
●床板張り:内部仕上げの床材として厚さ21mmの杉板を使用し、冬季の冷触感を軽減している。
●畳(稲わら畳床):熊本県産のイグサを畳表に使用し、厚さ60mmの稲わら畳床、厚さ25mmの荒床杉の下地を使用している。
●開放的な床下(石場建て):通気・乾燥が見込める開放的な床下工法としている。
●古材・リサイクル材の利用:柱材・梁材を削った残材(かんな屑)を断熱材に再利用している。
●技術の伝承:手刻みによる加工、伝統的な継手仕口などの技術を伝承している。
 

お問い合わせ先建築

国土交通省住宅局参事官(建築企画担当)付
電話 :03-5253-8111

住宅局基本情報

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