住宅

【令和3年度】納定の家

最終更新日:令和6年3月27日

和歌山県和歌山市の事例です。

事業概要

●建設地:和歌山県和歌山市
●地域区分:7地域
●申請書類作成者:一級建築士事務所 有限会社 バジャン
●階数:2階建
●延床面積:130.17㎡
 

提案概要

●建設地の自然的環境の特徴
・建設地は、準防火地域かつ近隣商業地域の市街地である。周囲に緑地は少なく、南隣地にビルがあるため1階は採光が厳しく、周囲も境界線いっぱいに建物があるため工夫が必要である。
周辺の自然環境に恵まれているとは言えないが、気候風土の要素を取り入れた住宅に住みたいので、市街地型気候風土住宅を計画した。

●建設地の文化・技術の特徴 
・日本の伝統的木造は世界に誇るべき技術だと思う。土壁は耐震要素や素材としての素晴らしさだけでなく調湿性能や吸音性能、土壁がもたらす爽やかな空気感は他に類を見ないと思う。
伝統的木造技術や土壁、気候風土要素の素材感や空気感、職人・大工技術の高さを中高校生や地域の方々に体感していただき、未来に継承して欲しいと思う。

●全体の提案概要
・準防火地域かつ近隣商業地域という市街地の中で、街並みや地域の方々にやすらぎや潤いを与える住宅になるように計画した。
・準防火地域での伝統的木造の可能性を実証したいと考える。
・中高生が多く訪れるので、伝統木造を味わって興味を持ってくれるよう、店舗も伝統木造である。
 

地域の気候風土への適応・環境負荷低減対策

●土塗壁、開放的な床下(石場建て)、地場で製作される木製建具、竿縁天井、床板張り仕上のうち下地材を用いず単層床板張りとしたもの、
高天井(3594mm)、引き戸形式の内部建具、欄間、深い軒庇(820mm、900mm)、地窓、無垢である製材の使用断面が大きな構造材の使用、
部材現し、和小屋組、金物類の非使用、手刻み加工・伝統的な 継手仕口、瓦屋根、板張り壁(外壁・内壁)、木製建具、紙障子、格子、塗壁、
畳(稲わら畳床)、床板張り仕上げ、自然材料系断熱材への取り組みがみられる。

●材料・生産体制、住まい方について多くの取組みがみられ、土庇、雨落、土壁下地及び漆喰仕上げによる防火壁についての取り組みもみられる。

●深い軒庇、多層構成の建具(内障子)、土塗壁(間仕切りの大部分:土壁(厚さ70mm)、外壁:土壁+自然素材系断熱材(厚さ50mm))、木製建具、床板張り(厚さ30mm)、複数の窓の位置による通風に配慮した設計(1階小間の地窓)、畳(学習室の一角の小間の藁床畳)、敷地等建物周囲の環境配慮(敷地内の植栽と花ブロックによる)、季節に応じた生活習慣(窓庇の簾用フック)、窓・雨戸の開け閉めの励行、地域産の材料の使用(構造材・床材・天井・造作材)、地域の建築職人・大工の登用、その他(簾や格子によるプライバシーに配慮した通風計画、石場建てによる床下通風の確保、手刻みによる伝統的な仕口継手)への取組みがみられる。

●さらに、以下の取組みがみられる。
・準防火地域の規制が厳しい中で、伝統的建築物を建てる挑戦がみられる。
・瓦屋根、板張り壁などの意匠の工夫により、市街地における無機質な街並みを改善する努力がみられる。
・地域住民に伝統的な木造建築を体感するための場として提供している。
 

お問い合わせ先建築

国土交通省住宅局参事官(建築企画担当)付
電話 :03-5253-8111

住宅局基本情報

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