良好な景観の形成・保全・活用

　景観の優れた観光資源の保全・活用による観光地の魅力向上のため、「居心地が良く歩きたくなる」空間の形成及び景観資源の活用を図る取組を支援する。また、重要文化的景観の選定を行うとともに、重要文化的景観の構成要素となる物件の修理・修景等、保存・活用のために必要な措置に対し支援する。

　さらに、主要な観光地における景観計画の策定や同計画に基づく重点的な景観形成の取組等を促進し、地域の魅力を増進、創出するため、景観法（平成16年法律第110号）に基づく先進事例に関する情報提供等の取組を行うとともに、各種の啓発活動、景観に関する教育、専門性を有する担い手の育成等のソフト面での各種支援策について充実を図る。

　あわせて、屋外広告物の安全対策や違反広告物の是正対策を推進するため、地方公共団体と関係団体等の連携強化を促す。

　良好な景観形成に加え、地域固有の観光資源である歴史・文化・風土を生かしたまちづくりを進めるため、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律（平成20年法律第40号。以下「歴史まちづくり法」という。）に基づく歴史的風致維持向上計画の策定を推進し、歴史的建造物の修理、無電柱化、歴史的なまちなみを阻害する建築物・空地等の美装化、緑化、除却及び地域固有の伝統的な意匠形態を持った新築建築物の外観修景等を支援する。

　※【観光立国推進基本計画】より

　国営公園等において、自然的・歴史的景観等の魅力的な観光資源を活用した利用促進を図るため、首里城の復元や明治記念大磯邸園等の整備を推進する。

　地域の庭園、公園、植物園等を広域的にネットワーク化し、周遊ルート設定等の相互連携を促す「庭園間交流連携促進計画登録制度」を活用し、ガーデンツーリズムを推進する。

　また、市民、企業等とも協働しつつ、全国都市緑化フェア等の緑に関する行催事等を通じ、世界に誇る花と緑豊かな都市の魅力を発信する。

　※【観光立国推進基本計画】より

　優れた自然の風景地における森林、河川、湖沼、山地、海岸、サンゴ礁等の自然環境について、国内外から観光旅行者を呼び込む重要な観光資源でもあることから、その保全と適正な利用を図る。

　このため、自然保護思想の普及や、自然公園、国有林野における保護林、世界自然遺産の保全管理の推進等により、自然環境・生態系の保全及び野生生物の保護・管理に取り組むとともに、自然観光資源や明瞭な四季、雪、流氷等の美しい自然を生かし、地域住民等と行政の連携を推進する。また、大都市圏においても、関係機関が連携したまとまりのある自然環境の保全・再生・創出の取組を推進することで、地域住民だけでなく広く圏域住民の交流を推進する。

　さらに、多様な主体による協働の下、道を舞台に景観・自然・歴史・文化等の地域資源を生かした美しい国土景観の形成を図る運動（日本風景街道等）を促す。特に北海道におけるシーニックバイウェイ「秀逸な道」の取組を推進するとともに、民間団体・企業等と協定を締結し、双方の資源を有効活用するための効果的連携活動を全国で推進する。

　※【観光立国推進基本計画】より

　観光振興等に資する地域づくり・街並みの整備を推進するため、広域的地域活性化基盤整備計画や都市再生整備計画に基づく事業の支援等を行うとともに、住宅等が良好な美観を有していないこと等により住環境の整備改善を必要とする区域において、住宅、地区施設等の整備改善を行う街なみ環境整備事業を推進する。

　あわせて、地域の観光拠点、賑わい拠点等となる都市公園の整備、運営等を効率的・効果的に推進するため、公募設置管理制度（Park-PFI）等を活用した民間活力導入による公園の魅力向上等を推進する。

　※【観光立国推進基本計画】より

　駅周辺をはじめとした中心市街地等において、市街地再開発事業等により地域の観光の拠点となる商業施設等の建築物や、道路、広場等の公共施設の整備を行い、観光地域にふさわしい魅力ある都市空間の形成を図る。

　国家戦略特区においては、都市計画決定等のワンストップ特例の活用により、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図るために必要なMICE施設等をスピーディーに整備する。

　今後のインバウンド需要の拡大に対応するため、都市公園の占用特例による観光案内所等の設置や、拠点駅及び周辺における空間の再構築、統一的な案内サイン・バリアフリー化等による観光地の回遊性確保、地方公共団体による観光バスの駐停車スペースの確保に関する取組、容積率緩和制度も活用した民間都市開発におけるバス乗降場の一体的整備を促進する。

　※【観光立国推進基本計画】より

　重要な観光資源である古都をはじめとする歴史的風土の消失・質的低下を防止し、適切な保存・活用を図るほか、都市公園の整備に当たっては史跡や名勝、豊かな自然環境等地域の魅力ある観光資源を生かす取組を推進する。

　また、歴史まちづくり法に基づき、歴史的風致維持向上計画の策定を推進し、文化財を核とした良好な市街地の環境の維持・向上を図る。

　※【観光立国推進基本計画】より

　道路が周辺と一体となって景観を形成していることに鑑み、住民と連携しつつ周辺景観と調和した防護柵の設置や道路緑化、歩道緑化等の景観に配慮した道路整備を推進する。また、道路の防災性向上、安全で快適な通行空間の確保、良好な景観・住環境の形成、歴史的街並みの保全、観光振興、地域文化の復興、地域活性化等の観点から、道路管理者、電線管理者、地方公共団体等と連携し、無電柱化推進計画に基づき新設電柱を増やさないための取組、コスト縮減の更なる普及、事業の更なるスピードアップ等を行うことにより引き続き無電柱化を推進する。

　※【観光立国推進基本計画】より

　道路の再編による歩道の拡幅、自転車通行空間の確保等により道路の利便性や快適性の向上を図るとともに、道路協力団体等、道路を利活用する団体との連携を推進し、地域の観光資源を生かした賑わいの場を創出する。また、地域や民間の創意工夫を活用し、ほこみち（歩行者利便増進道路）制度等によるオープンカフェの設置等、観光振興に資する道路の有効活用を図る。

　※【観光立国推進基本計画】より

　国立・国定公園の保護及び適正な利用を図るため、自然公園法（昭和32年法律第161号）に基づく公園区域や公園計画のおおむね５年おきの定期的な見直しを行うとともに、良好な風致及び景観が損なわれないよう必要な保護規制を行う。

　また、我が国の優れた自然景観を生かした自然とのふれあいの推進を図るため、自然公園指導員やパークボランティアによる利用者指導や自然解説の充実、国立公園等における子どもの自然体験活動の促進に向けたプログラム作成等を推進する。

　森・里・川・海のつながりにより育まれてきた自然環境と地域のくらしを後世に伝え、自然の恵みと脅威を学びつつ、それらを活用しながら復興する「グリーン復興プロジェクト」に基づき設定したみちのく潮風トレイル、同プロジェクトに基づき創設され現在は国立公園満喫プロジェクトの水平展開を進める三陸復興国立公園、及び福島県内の自然資源活用による復興を図る「ふくしまグリーン復興構想」に基づく取組のシナジー効果を最大化し、地元の取組の広域的な連携を促進すること等により、東北の復興と観光振興を図る。

　※【観光立国推進基本計画】より

　世界遺産について、その価値を維持し、観光資源としての持続可能な活用にも寄与するよう、適正な保全管理を行う。「知床」、「屋久島」、「白神山地」及び「小笠原諸島」については、科学的知見に基づき、地域関係者との合意形成を図りながら、引き続き保全管理の充実に取り組む。｢奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島｣については、令和３年７月の世界遺産登録決定の際に世界遺産委員会から求められた観光管理を含む要請事項に適切に対応していくとともに、各遺産地域に持続可能な観光利用を促進するための観光管理施設を整備し、引き続き関係機関と連携して必要な取組を進める。

　※【観光立国推進基本計画】より

　港湾における緑地や広場が、港湾の自然環境の保全、港湾の良好な景観の形成、港湾労働者の労働環境及び周辺住民の生活環境の向上等の場等の機能を果たしていることに鑑み、港湾協力団体等との協働による各地域の文化・歴史及び地域の観光資源を生かした地域づくりを推進する。また、港湾緑地等の再整備と魅力向上を効果的に推進するため、港湾環境整備計画制度等を活用し民間活力導入による水際線を生かした質の高い賑わい空間の創出を図る。

　※【観光立国推進基本計画】より

　港湾における流木等の漂流物の回収や干潟・藻場等の再生・創出等により、今後親水性の高い良好な港湾環境・景観を創造する。また、汚濁が著しい河川の水質改善、多自然川づくりの推進等により、良好な河川環境を保全・創出する。

　※【観光立国推進基本計画】より

　治水上及び河川利用上の安全・安心に係る河川管理施設の整備や「河川敷地占用許可準則」の緩和措置等を活用した民間事業者等との連携を通じ、まちづくりと一体となった良好な水辺空間の形成による賑わいの創出を図る「かわまちづくり」を推進する。

　※【観光立国推進基本計画】より

　治水上及び河川利用上の安全・安心に係る河川管理施設の整備や「河川敷地占用許可準則」の緩和措置等を活用した民間事業者等との連携を通じ、まちづくりと一体となった良好な水辺空間の形成による賑わいの創出を図る「かわまちづくり」を推進する。

　※【観光立国推進基本計画】より

　観光振興や観光交流に資する地域づくり・街並み整備、道路整備、河川空間等の保全・活用等の社会資本整備等において、その効果を有効に発現させるため、これらの事業担当部局と観光関係部局との連携を強化する。

　※【観光立国推進基本計画】より