受入地域向け

長崎県五島市

~偶発性を楽しむ“心かようワーケーション”~

  • 人口:36,191人(2021年2月)
  • 概要:福江島を中心に11の有人島と52の無人島で構成される離島の自治体。美しい自然景観を有し、一次産業が盛ん。2018年には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として、ユネスコ世界遺産に登録されたエリアでもある。

ワーケーションを取り組み始めた経緯は?

  •  東京オリンピックを契機にリモートワークなど新たな働き方の導入や地方への移住が進むと考え、リモートワークに関心をもちました。特に、五島市出身者や学生に対して、五島市でもリモートワークができることを知ってもらい、将来帰ってくるきっかけになればと考えました。ただ、もともとは2018年頃から、市内でパソコンを持って仕事をしている人がいることを知り、そういう人が釣りなどを楽しんでいて、こういう働き方があるなら移住に繋げられないかと考えるようになりました。
     そのような時に、WEBメディアからお声掛けいただき2019年5月にリモートワーク実証実験を開催しました。約50名の方が参加し、地元の人達との交流会が参加者の満足度を上げ関係性が生まれたことで、取り組みが一気に広がりました。その後、2020年1月に五島市の主催で「五島ワーケーション・チャレンジ2020」と称して、地域課題解決および関係人口創出を目的として開催しました。地元の人達と市外からの参加者が交流できるイベントやワークショップを行い、毎回多くの方に参加してもらいました。このワーケーションには交通費、宿泊費などは参加者の自己負担にも関わらず、定員を超える参加があり、仕事をするだけでなく地域の方との交流にもニーズがあると感じました。

五島市のワーケーションの特徴は何でしょうか?

  •  五島市は訪れる人、受け入れる人の双方にメリットがあり、継続的に関わり合う仕組みづくりに力を入れています。その中で、お互いが普段は得られない人的、知的刺激を受けられる機会として、またUIターンや二拠点居住に繋がる関係人口の創出、観光閑散期における需要喚起、サテライトオフィスの誘致に取り組んでいます。
     2020年に主催した「五島ワーケーション・チャレンジ2020」では、参加者と地域の人達との触れ合いを大切にしており、そのきっかけ作りとして、「ポットラックパーティー」を開催しました。ポットラックパーティーとは参加するメンバーそれぞれが食べ物や飲み物を持ち寄って楽しむ食事会のことです。イベント期間中に5回開催し、延べ250人もの参加がありました。形式的な意見交換会をやると本来の主旨である交流が全然生まれないと思い、あくまでも自主的な参加、持ち寄って楽しむ食事会ということにしました。そうすると、参加者と地元の人で話が盛り上がり、地元の人がお店のホームページを作ったがなかなか商品が売れないという悩みを参加者に相談したり、農家の人と参加者が五島市の農産物を高く売る方法を議論したりと、自然発生的に五島市の課題や事業者の悩みを相談するような場面が生まれてきました。これはポットラックパーティーの効果だと思います。

五島市のワーケーションのお話しを聞いていると、とても楽しそうですね。うまくいく秘訣はどこにあるのですか?

  •  とにかく、訪問者と受入側双方にメリットがあり、継続的に関わり合う仕組みを作ることです。私達は「心かようワーケーション」と呼んでいます。具体的には都市部からの参加者には知的好奇心を満たすようなテーマを提供しています。これが五島市にこれからも関わりたいと思うきっかけになります。また、地域の事業者や市民に対しても、巻き込まれたくなる企画を作ることも意識しています。そうすると双方にメリットが出てきます。これらを意識しながら、最後は偶発性が生まれる余地をしっかりと残しています。Enjoy Happenstanceが大事です。

導入・推進を考えている地域・自治体へのメッセージ
インタビューに答えてくれた人:五島市地域協働課 庄司 透 さん

ワーケーションを推進する上では、地域として何のために、誰のためにやるか、どのような人に来てもらいたいかをしっかりと決めてから誘致をすることが大切だと思います。ワーケーションについては、正直まだまだ正解がないので、やってみること、進めていくことが大切だと思います。

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