公園管理のDX
実施事業者 | 国際航業/Pacific Spatial Solutions |
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実施協力 | 国営越後丘陵公園事務所/越後公園管理センター |
実施場所 | 国営越後丘陵公園 |
実施予定 | 2023年10月〜11月 |

3D都市モデルを活用した公園管理システムを構築。管理業務をDXし、効率的なインフラ管理の実現を目指す。
実証実験の概要
現在の公園管理業務では、施設の点検・調査等の管理業務がアナログ主体で進められており、データ収集・管理方法が標準化されていない。そのため、公園設備の実態や履歴の正確な把握が難しく、データに基づく意志決定の実現にはハードルがある。
今回の実証実験では、3D都市モデルを活用した公園管理用のリレーショナルデータベースマネジメントシステム(RDBMS)を構築し、公園管理における管理者から現場担当者への方針伝達や点検記録、「公園施設長寿命化計画」に基づく方針立案や維持保全活動の情報共有に活用する。また、RDBMSに紐づく管理用アプリケーションを開発し、施設の管理類型や健全度・緊急度判定等を把握しながら点検や計画立案・更新等の管理業務を効率化・高度化することを目指す。

実現したい価値・目指す世界
近年、高度経済成長期に集中投資した社会資本ストックの老朽化が急速に進行しており、厳しい財政事情の下で適切にインフラの維持管理を行っていくことが施設管理者にとって重要な課題となっている。公園施設においても、老朽化が進む中で財政上の理由などで適切な維持保全・補修、もしくは更新が困難となり、利用禁止、施設自体の撤去といった事態に繋がるなど、安全で快適な利用を確保するという都市公園の本来の機能発揮に関わる根幹的な問題となっている。
今回の実証実験では、公園施設の効率的な管理のための3D都市モデルを活用したリレーショナルデータベースマネジメントシステム(RDBMS)及び管理用アプリケーションを開発することで、公園管理のDXを目指す。
公園管理の現場では、公園施設台帳や点検・修繕記録、図面、写真等の多岐にわたる資料がそれぞれ存在し、一部は紙資料によって管理されていることなどにより、点検施設の類型や点検時期の設定が不明瞭となったり、事務負担の増大などにつながっている。そこで、3D都市モデルの標準データモデルに準拠した公園管理用の地理空間情報(GIS)標準仕様を定め、これに基づくRDBMSを新たに構築することで、施設の位置、ボリューム、ID、施設現況、施設ごとの管理方針、点検実績等を統合管理可能とする。また、データベースと連携した管理用アプリケーションを開発することで、現場担当者が過去の履歴等を確認しながら点検・巡視業務を行えるようにし、点検結果をコメントや写真で効率的に共有できるようにするなど、日常的な管理業務の効率化を実現する。
これらの統合された管理システムを活用することで、公園管理者が公園全体の状況や健全度・緊急度判定等を正確かつタイムリーに把握し、公園管理における適切な方針検討や効果的な長寿命化計画の立案を行えるようにする。
これらの新たな管理システムのフィジビリティスタディを行うことで、公園の安全性の向上と業務効率化を実現する新たな管理手法を開発し、公園管理における慢性的な人材不足への対応や生産性の向上等を目指す。


