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ユースケース開発ガイド – 自治体編|02. 新しいサービスをつくるためのステップ

PLATEAUを活用して地域の課題を解決したいと思った際に、アイデアを前に進めていくために必要なステップを紹介します。PLATEAUをより有効に活用できるよう、実際に手を動かしながらサービスを具体化していくための方法を紹介していきます。

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新しいサービスをつくるためのステップ

PLATEAUを活用して地域の課題を解決したいと思っても、どんなふうに、どんな人々と手を組んで進めていけばいいのか迷ってしまうかもしれません。もちろん、誰もが自由に使えるデータですから、正解はありません。新しい利用方法をどんどん作っていきましょう。
地域の課題を解決する新しいサービスをつくるときには、いくつかの必要なステップがあります。
ここからは、PLATEAUをより有効に活用できるよう、実際に手を動かしながらサービスを具体化していくための方法を紹介していきます。

アイデアと目的を整理する

PLATEAUの3D都市モデル整備を検討するうえでは、「それを使って何をするか」について、さまざまなアイデアが出るでしょう。開発したサービスを、より有効に利用できるよう、下の表を利用しながら、アイデアとその目的を整理してみましょう。
欄を埋める順番は自由です。長期的な目的から出発してもいいですし、アイデアから始めても大丈夫です。

表の埋めかた

【人・モノ・データ】活用できるデータや人材、資源
【アイデア】「人・モノ・データ」を活用して何を行うか
【短期的な目的】「アイデア」が直接解決できる課題や、可能にすること
【中期的な目的】「短期的な目的」が達成された結果、叶えられる成果
【長期的な目的】最終的に達成したい大きな目的

記入例

目的の解像度をあげる

上の表を使ってアイデアを整理しながら、どのような目的がありえるのかディスカッションしてみましょう。下図は、実際にPLATEAUで公開されている取り組みの一例です。図のチェックボックスにチェックを入れながら、目的を絞り込んでいきましょう。

目的別の取り組み事例

実際にPLATEAUで公開されている取り組みを一部ご紹介します。
PLATEAUでは、防災や都市計画、エネルギー対策など、さまざまな目的を実現することができます。

栃木県宇都宮市都市構造シミュレーション

3D都市モデルを用いた都市構造シミュレータを開発。都市の将来ビジョンをわかりやすく可視化することで、コンパクトシティを推進します。

東京都板橋区ARを活用した災害リスク可視化ツール

時系列で変化する浸水範囲に応じた避難ルートの検索システムとARアプリケーションを開発。地域の水害リスクおよび、それに応じた避難行動の重要性の理解を通し、防災に対する住民の意識向上を促します。

東京都八王子市XR技術を活用した市民参加型まちづくり

3D都市モデルとXR技術を組み合わせることで、複雑な都市開発を直感的に理解可能とし、市民参加を活性化させます。

サービスの関係者を整理する

達成すべき目的と、それを実現するアイデアが見えてきたら、早いタイミングで関係者を整理します。実務にあたる人や、外部との窓口を担う人、最終的な意思決定者などを洗い出しましょう。関係者を整理することで、課をまたいだ連携を早期に実現でき、懸念点や解決案を多角的に検討できるようになります。「車輪の再発明」を生み出さないためにも、越境的なチームづくりを意識してみてください。

データを見つける

PLATEAUで3D都市モデルを整備するためには、自治体が保有している既存データを利用します。また、「ハザードマップ」や「デジタル道路地図」のような既存データは、個別のアイデアを実現する際にも活用できます。ここでは、各地物における既存データの例を示しました。アイデアを実現するために必要なデータはどのようなものか、確認してみましょう。

活用できるデータの例

つくり、運用する

アイデアと目的が定まり、体制やデータが用意できたら、いよいよ開発スタートです。長期的なサービスをつくる際は、コアとなる機能を最初に実装し、段階的にリリースしていきます。サービスを運用しながら成長させていくためには、PDCA(計画・実行・評価・改善)のサイクルを循環させることが大切です。