3D都市モデルの高精度デジタルツイン構築実証実験業務
実施事業者 | 株式会社スペースデータ |
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実施場所 | 東京都新宿区新宿駅西口地区 |
実施予定 | 2023年9月〜2023年11月 |

3D都市モデルと衛星データを組み合わせることで、フォトリアルな都市データを自動生成するAIを開発。コンシューマサービスに利用可能なハイクオリティのデジタルツインデータを提供する。
実証実験の概要
現実の都市を忠実に再現する3D都市モデルの登場により、防災やまちづくりといった分野のみならず、メタバース等のコンシューマ向けサービスへの活用の期待も高まっている。他方、現在提供されている3D都市モデルの多くは、テクスチャ解像度が低く、道路付帯設備や植栽等のデータも整備されていないため、そのままではコンシューマが没入できるクオリティには達していない。
今回の実証実験では、衛星写真等の画像データに加えて、3D都市モデルを正解データとして機械学習させた「高精度デジタルツインデータ自動生成AI」を開発する。このAIを用いることで、3D都市モデルをインプットデータとして、これに高精度テクスチャの付与や、屋上構造物の生成、看板、信号機、植栽等の都市設備の追加等を自動的に行い、高精度デジタルツインデータを自動生成するシステムを開発する。
構築したデジタルツインデータについてはゲームやVRコンテンツ等のコンシューマ向けコンテンツとして利用可能なよう、データをオープンデータとして配布することで、多様な領域における都市デジタルツインの活用拡大を目指す。

実現したい価値・目指す世界
3D都市モデルが様々な領域における価値創出をもたらしていくためには、地図としての利用のみならず、映像制作やゲーム開発、VR・ARなどの領域においても活用を拡大していく必要がある。他方、現在提供されている3D都市モデルの多くは、コンシューマ向けのサービスで利用できるクオリティではなく、活用には課題がある。
一方で、ハイクオリティな3Dモデルを構築するためには、人手でのモデリングが必要となることが一般的であり、高コストになりがちである。このため、3D都市モデルを材料として、都市レベルでのハイクオリティなデジタルツインデータを構築することができれば、様々な領域における一層の活用の拡大につなげることができる。
今回の実証実験では、コンシューマ向けサービスにも活用できる高精度かつハイクオリティなデジタルツインデータの自動生成を実現するため、AI等を活用した自動生成技術・手法の確立を図る。具体的には、3D都市モデルと衛星写真から都市情報をデータベース化し、プロシージャルモデリングを活用したデジタルツイン生成AIを開発するものである。
このAIに3D都市モデルから取得した対象エリア内の地物の位置情報及び2D図形情報を正解データとして学習させることで、衛星写真のみでは捉えられない建物の位置情報や高さを補完する。これにより、建築物に対する高解像度テクスチャの付与や、都市設備を追加した高精度なデジタルツインデータの生成を可能とする。また、生成した高精度デジタルツインデータをゲームエンジンで利用できるようにローポリゴン化し、コンシューマ向けサービスコンテンツとして活用可能にする。
構築したデジタルツインデータについては、建物の再現度及び地図情報精度を評価するとともに、ゲームやVRコンテンツ等のコンシューマ向けコンテンツとしてデータをオープンデータとして配布することで、その有用性を検証する。
オープンデータである3D都市モデルを活用することで、汎用性とスケーラビリティが担保された高精度なデジタルツインデータの生成方法を確立し、コンシューマ向けサービスや都市開発など、3DCG技術を必要とする様々なサービスへの展開によるデジタルツイン市場の拡大に寄与することを目指す。


