都市高速道路管理の効率化
実施事業者 | 朝日航洋株式会社/ローカスブルー株式会社 |
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実施協力 | DataLabs株式会社 |
実施場所 | 首都高速道路都心環状線(C1) |
実施予定 | 2023年8月~11月 |

点群データから高速道路の3D都市モデルを自動生成する技術を確立。道路インフラの管理・保全業務の効率化を目指す。
実証実験の概要
都市高速道路等の道路インフラの老朽化が進行するなか、管理リソースのひっ迫や担い手の減少なども相まって、管理業務の効率化が求められている。そのため、InfraBIM(CIM)等を活用した管理業務の効率化・高度化が期待されているが、技術的難易度の高さやデータ整備のコストが導入の課題となっている。
今回の実証実験では、都市高速道路の3D都市モデル(高速道路モデル、トンネルモデル等)の効率的な整備を実現するため、MMS測量により取得した高密度な点群データから高速道路の部材毎に分類・モデリングした後、自動で3D都市モデルを生成するAI技術を開発する。加えて、生成した3D都市モデルを都市高速道路の管理業務に活用するための手法を検討することで、インフラ管理業務における3D都市モデルの有用性を検証する。

実現したい価値・目指す世界
都市高速道路等の大規模インフラの維持管理業務を効率化・高度化するため、デジタルツイン技術等のデジタルツールを活用した業務プロセスの変革が求められている。近年では、設計データを基にしたInfraBIM(CIM)を活用した管理の効率化・高度化が研究されているが、3Dモデルの構築の難易度や、データ作成コストの高さから、実務での活用には様々な課題がある。
3D都市モデルには、道路モデル、橋梁モデル、トンネルモデル等の土木構造物を都市スケールで再現するための地物定義が用意されている。特にLOD3-4のモデルは構造情報等を保持可能であり、InfraBIM(CIM)との互換性を確保した形で標準仕様が策定されている。
そこで、今回の実証実験では、MMS測量により取得した高密度点群データを用い、地表面、床板、高架等の部材毎に判別する自動分類AI(セマンティックセグメンテーション)の開発と、点群データからサーフェスモデルを生成するサーフェス自動生成AIの開発を行う。また、これらのAIシステムによって自動生成された3D都市モデル(道路モデル、橋梁モデル、トンネルモデル)をGISソフトやBIMソフト等で利用することで、インフラ管理業務を効率化するための手法を検討する。
また、本実証を通して得られた知見に基づき、InfraBIM(CIM)を用いたインフラ管理と互換性のある形で3D都市モデル(LOD3-4)の仕様を整理する本システムによって、点群データを用いた低コストかつ効率的な高速道路の3D都市モデル自動生成技術を確立することで、インフラ管理の効率化に寄与することを目指す。


