uc23-01

人工衛星観測データを用いた浸水被害把握

実施事業者株式会社福山コンサルタント/株式会社Eukarya
実施場所福岡県大牟田市
実施予定2023年11月
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3D都市モデル及び人工衛星観測データを活用し、浸水状況及び家屋被害を分析するシステムを開発。迅速な被害状況把握を可能とすることで、罹災証明書発行業務を効率化する。

実証実験の概要

洪水等の災害がますます広域化・激甚化していくなか、浸水発生時に広域で正確かつ迅速に家屋の浸水被害状況を把握することが求められている。近年、人工衛星観測データの利活用が促進され、広域観測の観点から観測データおよびその解析手法が充実しつつあることから、防災領域においても災害発生時の迅速な建物浸水被害の把握に活用することが可能となっている。

今回の実証実験では、洪水等の浸水被害発生直後の人工衛星観測データ(SARデータ)から分析した浸水範囲と3D都市モデルの地形モデル及び建築物モデルをマッチングさせることで、家屋単位での浸水深の算出および被災判定を行うシステムを開発する。さらに、導出された被災家屋リストをデータベース化し、3D-WebGISエンジン上で可視化するシステムを構築することで、行政における罹災証明書発行業務の効率化を目指す。

実現したい価値・目指す世界

洪水等の浸水被害発生時には、行政は被災状況の把握、応急対応や復旧計画の立案、被災者支援等のため、浸水範囲や家屋の被害状況を把握する必要があるが、これらを迅速に行うためのシステムは確立されておらず、行政担当職員の巡視等によって被害状況を把握しているのが現状である。このため、行政の現場では、災害発生時に人的リソースがひっ迫するなか、どのようにして早期に被害状況を把握し、被災者の生活再建に必須となる罹災証明書を効率的かつ迅速に発行するかといった課題が議論されている。

今回の実証実験では、人工衛星観測データ(SARデータ)によって取得された浸水範囲と、3D都市モデルが持つ家屋情報を組み合わせて分析することで、家屋単位の浸水深を算出するウェブシステムを開発する。人工衛星観測データ(SARデータ)はTellus等のストリーミングサービスから取得し、3D都市モデルは予めウェブ上で構築されたデータベースに格納しておくことで、災害発生時の即座の分析を可能とする。
また、本システムでは、分析された家屋単位の被害状況をデータベースに取り込み、PLATEAUの3D都市モデルが持つUUID(汎用一意識別子)や不動産IDをキーとすることで、住居表示や他の情報との連携を可能とする。
分析結果は3D-WebGISエンジン上で可視化することで、家屋単位の浸水状況を視覚的に確認できるようにし、行政担当職員による被害状況の一次調査の参考情報を提供する。これにより、行政担当職員が、浸水被害が重大な地区や被災の可能性が高い地区から優先して現場確認を行うことなどを可能とし、罹災証明書発行事務を効率化することを目指す。

対象エリア図(2D)
対象エリア図(3D)本実証実験に伴い新規整備予定