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Q4-1.供託の内容について、詳しく教えてください。
- 資力確保措置として保証金の供託を行う場合、住宅品質確保法で定められた10年間の瑕疵担保責任をカバーする必要があるため、基準日から過去10年間に遡って引き渡した新築住宅の戸数に応じて保証金の額を算定し、法務局等に供託することとなります。
Q4-2.JVの場合の新築住宅の合計戸数の算定は、どのように行えばよいですか。
- JV(共同請負、共同分譲)にかかる新築住宅については、1戸の住宅についての事業者間での瑕疵担保負担割合の取り決めに応じて供託に係る戸数を算定します。
Q4-3.負担割合を定めていた相手方事業者が倒産した場合、残りの事業者はその負担割合分の供託を行うことで良いですか。
- 問題はありません。ただし、この負担割合は、供託に係る戸数の算定の特例を定めたものであり、JV(共同企業体)における瑕疵担保責任そのものの負担の割合を示しているものではない点に注意が必要です。
Q4-4.新築住宅を共同分譲する宅建業者AとBが、いずれも保証金の供託で資力確保措置を講じようとする場合に、住宅瑕疵担保履行法第11条第4項に規定された負担の割合について、「宅建業者A:10割、宅建業者B:0割」と定めることはできますか。
- 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)第11条第4項に規定する負担の割合の上限又は下限は特に定められていませんので、ご質問のような定めも可能です。ただし、この負担割合は、JV(共同企業体)における瑕疵担保責任そのものの負担の割合を示しているものではない点に注意が必要です。
Q4-5.マンションを共同販売する場合で、分担割合を設定し、一方が供託、もう一方が保険とすることは可能ですか。
- 法11条4項の規定による負担割合での戸数の分割は、供託に係る戸数の算定の特例を定めたものであり、保険の場合には全戸数分の保険に加入する必要があります。よって、一方のみが供託、もう一方が保険とすることはできません。ただし、全戸数分の保険に加入する場合に、JVを構成する複数事業者が保険料を分担することは可能です。
なお、分担割合を設定した場合でも、住宅品質確保法上の瑕疵担保責任は共同販売に関わる全ての宅建業者が連帯責務を負う点には注意が必要です。
Q4-6.住宅に瑕疵があることが発覚して供託金の支払い(還付)を受けようとするとき、具体的な手続はどのようなものになりますか。
- 供託金の支払い(還付)を受けるためには、新築住宅の購入者等は、まず、国土交通大臣に対して、損害賠償請求権の額を確認するための申請を行う必要があります。次に、国土交通大臣が交付した技術的確認書(債務名義又は公正証書等がある場合)か確認書(それ以外の場合)を添付の上、供託所に対して供託物払渡請求書(供託規則24条1項)を提出する必要があります。
Q4-7.還付請求に対する国土交通大臣の確認の結果に不満がある場合、どのような方法があるのでしょうか。
- 国土交通大臣が行った確認について、その確認額に不服がある場合には、一般法である行政不服審査法に基づく審査請求を行うことができます。
Q4-8.新築住宅の床面積が55㎡以下の場合、供託金の算定上は戸数を2分の1とカウントするとのことですが、面積はどのように算定するのでしょうか。
- 供託金の算定に用いる床面積は、各住戸ごとに、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積です。
Q4-9.供託事業者が一度供託した供託金を取り戻せるのはどのような場合ですか。
- 引渡後10年間が経過するなどし、瑕疵担保責任が消滅した住宅については、履行確保措置は不要となります。毎年の基準日において、実際に供託している供託金の額が、過去10年間の引渡戸数に応じて供託すべき金額を上回った分については、供託所から取り戻すことができます。なお、取戻しに当たっては、業の監督権者である国土交通大臣又は都道府県知事の承認を受ける必要があります。
具体的な手続については、こちらのページをご参照下さい。
Q4-10.保証金の供託は、いつまでに行えばよいですか。
- 保証金の供託は、毎年基準日(3月31日)から3週間を経過する日までの間において行わなければなりません。
Q4-11.令和3年の住宅瑕疵担保履行法改正により基準日が年に1回へと変更になりましたが、供託保証金の取戻し手続きに影響はあるのでしょうか。
- 保証金の取戻しは「基準日において保証金の額が当該基準日における基準額を超えること」が要件とされているところ(住宅瑕疵担保履行法第9条第1項、第16条)、基準日が年1回になることで、基準額の算定時期も年1回となりますのでご留意ください。