uc23-07

都市構造シミュレーションv2.0

実施事業者一般財団法人計量計画研究所/国際航業株式会社
実施予定2023年4月〜2024年3月
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3D都市モデルを用いた都市構造シミュレーションアプリを開発。都市の将来像をノーコードでシミュレーション可能とすることで、コンパクトシティの実現を加速する

実証実験の概要

都市における活動がますます多様化する昨今、人々のウェルビーイング向上と持続可能な都市経営を実現するため、市民をはじめとする多様なステークホルダーがまちづくりの将来ビジョンを共有し、共感を得ながらビジョンを実現していくプランニングプロセスの必要性が高まっている。一方、コンパクトシティなどの都市構造へアプローチするまちづくり施策は、短期的な成果が見えにくく、合意形成のハードルとなっている。

今回の実証実験では、2022年度の「都市構造シミュレーション」において構築した都市構造シミュレーターのモデルを基礎として、3D都市モデルを活用した都市構造シミュレーションシステムを開発するとともに、これをノーコードで扱えるようにすることで、地方公共団体等の行政実務の現場で汎用的に利用可能なツールとすることを目指す。

実現したい価値・目指す世界

官民連携によるまちづくりを活性化させるためには、目指すべき都市構造の意義や施策の効果について多様なステークホルダー間で共有することが重要である。他方、コンパクトシティを推進するための立地適正化計画では、成果発現まで相当年数を要する都市機能誘導施策や居住地域施策などが主となることから、都市構造のビジョンや施策効果をわかりやすく可視化し共有するためのツールが求められている。
そこで、2022年度の「都市構造シミュレーション」では、研究レベルであった将来の都市構造の変化を予測するシミュレーションモデルをシステム化し、現実のまちづくり施策に応用することを可能とした。他方で、シミュレーションの実施にはインプットデータの整備やパラメータの設定など専門的な知識が必要となり、地方公共団体等の実務現場での活用が広がっていない。

今回の実証実験では、2022年度に開発したシステムを基礎としつつ、3D都市モデルをインプットデータとし、まちづくり施策をパラメータとするシミュレーションシステムをGUI(グラフィカルユーザインターフェース)上で扱えるようにするアプリケーションを開発する。
3D都市モデルは建築物の高さ、用途等の建築物に関する多様な情報を保持しており、これに都市計画情報、人口、交通等のデータを組み合わせることで、ゾーニングや交通施策等が将来の都市構造に及ぼす影響を、建物、人口、地価等の多様な観点から把握することができる。従来はこれらのシミュレーション用データを用意するのには専門家の支援が必要であったが、本システムでは、データ整備、シナリオ設定、シミュレーション実施、結果の可視化までをアプリケーション上のボタン操作や数値入力のみで可能とすることで、非エンジニアの地方公共団体職員等が簡便に利用できる仕組みとする。これにより、シミュレーション技術を行政実務レベルで実装し、コンパクトシティ等のまちづくり施策の検
討や多様なステークホルダーとの合意形成に利用可能とする。

このような複雑な演算処理をノーコードで可能とすることで、都市構造のビジョン共有を容易にし、官民連携によるまちづくりを活性化させることを目指す。

対象エリア(宇都宮市)の地図(2D)
対象エリア(仙台市)の地図(2D)
対象エリア(宇都宮市)の地図(3D)
対象エリア(仙台市)の地図(3D)