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土地の法制度として、Land Acquisition Act、Land Development Act、Land Transfer Act等がある。
不動産の法制度は、オランダ占領時のオランダ法、イギリス占領時のイギリス法、そしてパーソナル法とで構成される。パーソナル法は、宗教・民族に依存した地域法で、スリランカ中部州キャンディのThe Kandyan lawやスリランカの北部・東部のThesawalamai Lawがある。該当地域では宗教・民族に関係なく、これらのパーソナル法に従って、所有権、継承、不動産売買などが律せられる。ムスリム法は国内のムスリムに対して常に適用される。
スリランカ憲法では平等な土地や財産の所有が定められている。パーソナル法に従った場合、不動産所有に関しては、憲法で述べられているような平等性に欠ける場合もある。
外国企業の土地所有土地(譲渡制限)法において、会社法に基づきスリランカで設立され、株式の50%以上を外国人あるいは外国企業に保有されている企業やスリランカ以外の法律に基づいて設立された外国企業、外国人の土地購入は禁じられている。
国有地・民有地ともに最長99年間のリース物件としてのみ、土地の取得が認められている。なお、2016年予算案に基づき、2016年1月より外国人向け土地リースにかかる土地リース税が撤廃され、2014年土地(譲渡制限)法第34号により定められた特定投資家に対する所有制限も撤廃された。
※外国企業の定義 : 同法の適用可能性を判断するにあたり、外国企業とはスリランカ以外の法律に基づいて設立された企業または団体を意味する。
次のいずれかに該当する場合、同法の適用除外が認められる。
4階以上に位置するコンドミニアムの購入ができる。
Ministry of Landsが土地調査、土地所有権の登録、土地の所有者の変更、土地管理のデータベース設置を行っている。
1. 関連する登記所で権利検索(A title search)を実施する(4日 / 500ルピー)
2. Street line の許可証(KLR 3,500)+ 未抵当証明書 (KLR 5,000)+ 売主の所有証明書(KLR 3,500)= 所要日数3日
3. 売主は、未抵当証明書(certificate of non-vesting)と売主が土地・建物の所有者であることを示す証明書を自治体から取得する(16日 / 598.5ルピー)
4. 不動産の調査計画(an updated survey plan)を取得(14日 / 地価の0.1%)
5. 買い手について譲渡証書に署名する(2日 / 弁護士費用として支払額の1%+500ルピーの追加)
6. 地方歳入局から市場価格を入手(1日 / 250ルピー)
7. 指定された銀行で印紙税の支払(1日、最初の100,000ルピーに対して3%、残りに対して4%)
8. 譲渡証書が関連する登記所に送られる(15日 / 100ルピー)
9. 自治体に買主の名前が登録され、所有権の証明書が発行される(3日/KLR 3,500(商用不動産に限る)
なお、1~4は同時進行が可能である。
Institute of Valuers of Sri Lankaが鑑定基準を定めている。
また、実際に不動産の鑑定評価を行う民間企業も多数存在する。
国家に義務付けられた正式な免許制度はない。
ただし、場合によっては、Police Clearance Certificateを要求されることがある。
不動産関連法・制度の現状
The World Law Guide「Legislation Sri Lanka」
Salary.lk「Property Rights in Sri Lanka」
土地・不動産の所有権
日本貿易振興機構(JETRO)「外資に関する規制 スリランカ」
PARLIAMENT OF THE DEMOCRATIC SOCIALIST REPUBLIC OF SRI LANKA「2014年土地(譲渡制限)法」
土地・不動産の登記
Doing Business「Sri Lanka Regisering Property」
不動産事業を行う際の免許制度
NNA調べ(2017年11月)
Lanka Business Online「Sri Lanka real estate brokers, agent certification should be formalized: RIU」
国内の不動産取引については、売り手は自治体から土地や建物の所有者であると宣言されたことを意味する土地所有証券、どこにも帰属していないということを証明する証券を得る必要がある。
売り手は自治体からその建物と土地の所在地の証明書を得る必要がある。移転証券は、買い手の同意のサインが必要で、土地管理当局の住所に送られる。買い手の名前は自治体に登録され、所有証書が得られる。
印紙税は最初の10万RSについては3%、それ以上の額については4%支払う。
不動産に特化してはいないが、 Affairs Authority Act, No.9 of 2003において、消費者と売主を保護している。
購入した住宅の保証は一年間売主の責任であり、瑕疵があった時の保険制度もあるようである。
賃借人は、賃貸された建物を良好な状態で維持する責任を負う。ただし、修理が構造的なものである場合は、賃貸人が通常これを引き受ける。賃貸物件は、賃借人が保険に加入する動産を除き、賃貸人が保険に加入する。 賃貸人の同意を得て改善した場合の補償は、当事者間での合意による。必要な改修を行った賃借人は、その改修が賃貸人の同意を得て行われたか否かにかかわらず、補償請求が認められている。
新築住宅と中古住宅を購入する際の融資条件等には、差異はないと思われる。政府は持家よりも借家を促進している。
政府は、2016年より、5年間で50万戸の住宅を中間所得層に供給することを決定。上記の範囲に基づき、都市開発局(UDA)は早期達成のための住宅プログラムを開始した。UDA下のコロンボ市都市再生プログラム(URPCC)は、 上記の対象範囲に沿って、608戸(850万ルピー相当)の政府職員向け住宅計画を立ち上げた。最初の試みが成功したことにより、URPCCは、より多くの住宅ソリューションを提案することを決定。
スリランカは、高度に細分化された市場における制度金融から、統合された市場主導型の住宅金融制度へと段階的に移行しつつある。 この移行には、短期的には民間総合銀行の役割が増大し、長期的には不動産抵当ローン市場が機能することが含まれている。
賃貸契約は12ヶ月と言われているが、賃借期間や契約延長等については物件および貸主の意向によるケースも多い。
リース期間、更新および占有の保証は、リース契約の当事者間で合意された契約条件に従う。賃借人による賃貸借契約違反について、賃貸人は損害賠償訴訟を提起できる。通常、賃貸人は家賃滞納や、重大な条件違反があった場合には、リースを終了できる。
不動産を取引する際の制度、消費者保護、不動産行政の方向性、不動産のリース
NNA調べ(2017年11月)
JONES LANG LASALLE「Real Estate in Sri Lanka-Prospects and Potential」
PARLIAMENT OF THE DEMOCRATIC SOCIALIST REPUBLIC OF SRI LANKA「Affairs Authority Act, No.9 of 2003」
2021年度予算案では、不動産投資信託(REIT)への不動産の譲渡にかかる印紙税を0.75%の譲歩率とする方針が示された。
2021年度予算案では、資本利得税を、不動産の売却価格もしくは評価額のいずれか高い方を基準に算出する方針が示された。ただし、評価額の定義、資本利得税の計算方法については明確に示されていない。 2021年度政府予算案では、不動産投資信託(REIT)を通じた住宅投資に対する資本利得税の非課税措置方針も示された。
地方税、市税、その他地方自治体による課税率は、一般的に不動産から生じるとされる公正賃料に基づき決定される。
日本を含む42の国・地域と二重課税防止条約を締結している。
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る スリランカ 税制」
不動産取引に関する外国人または外資企業に対し、優遇措置や規制はない。
不動産業に参入する際の許認可制度はないが、不動産業以外で、
下記業種への外国資本投資は、40%の出資割合を限度に承認される。
外国資本の出資割合が40%を超える場合は、投資案件ごとに、スリランカ投資庁(BOI)の承認を受ける。
また、下記業種への外国投資は、各所管政府機関またはBOIの承認が必要である(ただし、BOIが定める外国資本の出資割合の限度まで)。
外国人に対し制限する職種は無く、あらゆる分野での就業が可能である。
外国人がスリランカ国内で就労する場合、在留許可が必要である。
スリランカ国内の事業につき、契約を受注した海外請負業者は、当該事業に関わる全従業員に対し、関係省庁より出入国管理局宛の推薦状を取得する。
これまで、外国企業が資産を取得する場合、購入資産価値の100%の資産譲渡税を支払えば購入が可能だった。しかし、2014年10月の新しい土地(譲渡制限)法の施行により、外国人、外国企業、または外国資本が50%超の株式を保有するスリランカで設立された法人による土地の購入は禁止される。本法は2013年1月1日にさかのぼって発効となり、2013年1月1日以後に購入した土地に適用される。また、コンドミニアムの場合は、1~3階部分は外国人と外国企業は所有できないが、4階以上の物件であれば本法の適用外となる。
不動産賃貸については、外国企業に対する差別的なことはないが、基本的には大家あるいはブローカーとのトラブルが原因という苦労談をよくを聞く。その内容は、デポジットを返してくれない、契約期間が短い、契約期間中にいきなり出て行ってほしいと言われた、家の修理をしてくれないなど千差万別。トラブルにあわない人は、最初の段階でたくさんの物件を見て、大家さんとも直接会って契約を交わしているようである。
外資に関する優遇処置もしくは規制
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る スリランカ 外資に関する規制」
外国人による不動産の取引について
日本貿易振興機構(JETRO)「外国人と外国企業による土地購入が禁止に」
(調査2020年12月~2021年1月)
Survey Department of Sri Lankaが管理するデータベース「Land Information System」で、土地区画、境界、利用状況などの情報が閲覧できる。
また、民間の不動産Website「Lanka Property Web.com」においても、物件情報などを自由に閲覧可能。
主要都市等におけるマーケット情報
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る 投資コスト比較」
主な日系企業の進出はない
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