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日本をもっと、
海外旅行で
訪れたい国へ。

観光庁総務課 企画官

吉田 誠平成13年(2001年)入省

[ Career ]

H29.7 観光庁総務課企画官
H25.4 熊本県へ出向
H23.9 観光庁観光地域振興課長補佐
H21.9 航空局管制保安部保安企画課長補佐
H20.7 ロンドンへ留学
H18.4 大臣官房人事課企画第一係長
H16.6 総合政策局不動産業課経営指導係長

夜のレジャーを充実させ、
観光をさらに盛り上げる。

私の仕事は、官民を挙げた「観光先進国」を実現するために、国・地域・企業が質の高いサービスを観光客に提供できるように必要な国の財源を確保することです。観光局では2020年までに訪日外国旅行者4000万人、消費額8兆円という目標を掲げています。2017年が約2869万人、約4.4兆円だったことを考えると非常にチャレンジングな目標。達成に向けて、効果的な施策が強く求められています。

日本の観光において、現在大きなウエイトを占めているのは「宿泊」「飲食」「買い物」の3つ。一方、イギリスのミュージカル、イタリアのオペラなど、観光先進国と言われる国では「娯楽サービス」の比率が高くなります。そこで日本でも娯楽サービスを増やすべく、環境庁と連携して自然を楽しむアクティビティを充実させたり、文化庁と連携して文化財の観光利用を広めたりするなど、各省庁と協働した取り組みを行っています。

その上で現在注力しているのが、ナイトタイムエコノミー。つまり夜の消費活性化です。日本には居酒屋文化など夜の楽しみ方はありますが「食べる・飲む」がほとんど。ヨーロッパのミュージカルやオペラは夜に楽しめますが、歌舞伎や能など日本の伝統芸能やエンターテイメントは夜間が少ないのです。そこで文化庁と連携し、美術館の営業時間を長くするなどの施策を進めています。こうした取り組みの先に見据えているのは、日本のカルチャーやエンターテイメントを夜に楽しめるようなプラットフォームをつくること。そうすると民間企業から様々なアイデアが生まれ、イノベーションが起こるはずです。そのための環境を整えることも、私たちの重要な役割だと考えています。

観光の振興には、
ICTの活用が欠かせない。

私が最初に観光庁の仕事に就いたのは、東日本大震災の直後でした。震災前は日本のインバウンドは861万人だったのが、風評被害の影響で600万人台まで落ち込み、その回復が急務。東北地方の観光復興のために、海外・国内両面へのアプローチが求められました。そこで東北全体を博覧会場に見立てた「東北観光博」を開催。各地を楽しく回るための「東北パスポート」の作成やスタンプラリーなど集客施策を行いました。

さらに、その上で力を入れたのが将来に向けた「データ」の活用です。パスポートやスタンプラリーで参加者の位置情報を取得したり、公式サイトの閲覧履歴を分析するなど、ビッグデータを収集・分析し今後の観光施策に活かすためのデータを集めました。今から7年前になりますが、今では、更に積極的にビッグデータやICTの活用を進めています。観光を楽しむ上でも、プロモーションにおいても、観光とデジタル技術の親和性は非常に高いもの。日本政府観光局(JNTO)という組織と一体になってプロモーションを実施しているのですが、JNTOの公式サイトは年間で4億ビューの閲覧があります。そこで得られたデータも活用し、例えばアクティビティが好きな人にはWEB広告で吉野川のラフティング動画を流すなど、パーソナライズされたプロモーションを展開。以前はテレビなどマスメディアが中心でしたが、デジタルを活用したプロモーションへと大きく変革しています。

観光には、地域の価値を再発見し、
人々を元気にする力がある。

2008年にロンドンへ留学した時、街中に描かれた「バンクシー」のストリートアートを観て回りました。当時は英国民にすら「落書き」扱いされていましたが、それが今では大きな話題を呼ぶアートになっています。観光の「普遍的な価値」を探るのは極めて難しい作業。私は観光というのは観光客との価値の共有、そして新たな価値の創造だと考えています。地域の人たちは気づいていなかったことでも、他者の目から見たときに価値を発揮し、それを通じて地域の人が誇りを持ったり、伝統を守ったりすることにつながる。それを行政として支えることは、大きな意味があると考えています。

以前、熊本に出向したとき、美里という町でイギリス発祥の「フットパス」という取り組みをしているのを知りました。里山や田園、古い町並みなど地域に残るありのままの風景を感じながら歩く取り組みで、例えば民家の庭先も歩いて回ります。これにより、地元のお年寄りたちが「軒先でお茶でも出そう」とか「漬物でも食べてもらおうか」とアイデアを出したり、おばあちゃんがお化粧をし始めたり、生き生きと盛り上がっているんです。地元の方にとっては「こんなのはどこにでもあるだろう」と思っていた場所に人が来て「素晴らしい環境ですね」と喜ばれて、地域も活性化する。これは観光の素晴らしい力だと思います。

〔 私の休日の過ごし方 〕

休日は家族との時間を十分に楽しむようにしていて、3人の子供たちが喜ぶところに連れて行きます。まだ小さいので公園に行くことが多いのですが、近所だけだと寂しいので、少し足を延ばして自然たっぷりの広い公園へ。めいっぱい遊ばせて、私はぐったりしています。(笑)