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災害で亡くなる人が、
ゼロになる
世界を目指す。

水管理・国土保全局防災課 課長補佐

竹村 雅樹平成16年(2004年)入省

[ Career ]

H29.7 水管理・国土保全局防災課課長補佐
H27.6 道路局環境安全課道路環境調査室課長補佐
H25.9 近畿地方整備局企画部企画課長
H24.6 近畿地方整備局企画部企画課長補佐
H22.4 近畿地方整備局大和川河川事務所調査課長
H20.4 河川局治水課大規模構造物技術係長
H19.4 路局企画課道路事業分析評価室事業分析評価係長
H18.6 総合政策局建設業課技術検定係長
H17.4 九州地方整備局筑後川河川事務所調査課企画係
H16.4 港湾局開発課調査係

北海道から沖縄まで。
総力をあげて、被災地対応に尽力。

私が中学生のとき、阪神淡路大震災が発生。私にとって初めてリアルタイムで起きた大震災で、テレビ画面を通じてインフラが無残に崩れていく様を目の当たりにし、こうした状況の助けになる仕事をしたいと思うようになりました。現在所属している防災課は、まさに災害と向き合う部署。国土交通省では、TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)という、災害対応のスペシャリスト部隊を各地方整備局などの職員を中心に組織し、被災した自治体の応急対応や復旧支援にあたりますが、私はその総括を担当しています。

地震、台風、豪雨など、いつ何が起こるかわからない状況に備え、緊張感と隣り合わせの日々。岡山、広島、愛媛などに大きな被害をもたらした「平成30年7月豪雨」では、近年に類を見ないほど広域的に被害が発生し、国土交通省としても総力をあげた対応が求められました。私は当時、その初動対応を指揮。北海道から沖縄まで、全ての地方整備局からのべ1万人・日以上の隊員を被災地に集結させ、昼夜を問わず作業に尽力しました。最も重視したのは「現在被災地で求められていることは何か」を的確に把握して動くことです。特に発生初期には、警察や消防、自衛隊などの救助機関が一刻も早く被災現場で活動できるように、交通網の確保に全力をあげて取り組みました。特に被害の大きかった岡山県の真備町では堤防が決壊して洪水が住宅街を襲い、早く水を抜かないと救助部隊も満足に活動できない状況。国土交通省が所有する排水ポンプ車23台、照明車11台を配備し24時間体制で排水活動を実施しました。緊迫した状況の中では、ひとつひとつの行動や判断が被災者の生活や命に関わってきます。自分にも、他人にも甘えることなく、全力投球する大事さを日々実感しながら仕事をしています。

いかに怖がらせずに、
子供たちに防災を教えられるか。

国土交通省と言うとインフラを保全・強化するハード対策のイメージが強いと思いますが、近年では災害時の安全対策としてソフト対策も重視されています。その中でも今特に力を入れているのが防災教育。そのきっかけは東日本大震災の、岩手県釜石市の事例です。市の教育委員会で震災前から熱心に防災教育に取り組んでいたため、釜石市の小、中学生のうち、津波襲来時に学校の管理下にあった児童・生徒については全員の無事が確認されました。こうした事実から防災教育が注目され、国土交通省でも様々な施策を行っています。そのひとつに、防災教育の授業で活用できるように、学校の先生の意見も取り入れながら作成したカードゲームがあります。「防災教育として何をしたらいいか?」と大人が考えると、災害の怖さや悲惨さを伝えることだと思うかもしれません。しかし防災教育の専門家に話を聞くと、人の恐怖心は長続きせず、むしろ怖いことを忘れようとする性質がある。そのため、いかに怖がらせずに災害時の危険な状況や対応の仕方を伝えられるかが重要。そこで、わかりやすいイラストにストーリー性を持たせてカードゲームをつくり、遊びながら防災を学べるようにしました。国土交通省のHPからデータをダウンロードして、先生たちが自由に使えるようにしています。実際に学校を訪れてみると、子供たちが楽しそうに防災を学ぶ姿があり、強い手応えを感じています。

子供から大人へ。現在から未来へ。
防災の意識を広げていく。

私は「災害で誰ひとりとして亡くならない社会」をつくり上げたいと考えています。災害が頻発する現在の日本ではまだ夢のように聞こえるかもしれませんが、堤防などハード対策で防ぎきれない災害が発生したとしても、ひとりひとりが安全な対応を取ることで、命を守ることは不可能ではないと考えています。「平成30年7月豪雨」でも、逃げ遅れてしまったために助からなかった方が多くいました。今子供たちの教育に力を入れているのは、子供たちだけの命を助けたいということではなくて、20年後、30年後に大人になったとき、今度は自分の子供に教えるなど未来へつながることを想定しているからです。また子供たちが家に帰って「今日こんなカードゲームで遊んだよ」という話をするだけで、親の世代にも広がっていく。ただ知識を伝えるだけではなく、防災の姿勢を子供から親、そして親から地域へ広げていくような取り組みを続けることで、いざ災害が起きた時に地域全体が守られる世界を実現できると考えています。

〔 私の休日の過ごし方 〕

仕事に全力で取り組むためにも、休日は仕事のことはできるだけ忘れて、家族と過ごす時間を大切にしています。子供を連れて市民プールに行ったり、野球が好きなので阪神タイガースを応援しに行ったり、色々なところへ出掛けています。また、九州地方整備局に勤務したことがきっかけで始めた「温泉巡り」の趣味は、日本全国、何歳になっても続けられる生涯の趣味になりました。