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パキスタン

建設業に関する外資規制等

建設業関連情報(外資規制、建設業制度等)

外資に関する規制

〔規制業種・禁止業種〕

一部の産業を除くほぼ全てのビジネスセクターは、外国直接投資に開放されている。

〔工事受注に当たっての現地法人の設立義務付け〕

外資系建設企業には、Pakistan Engineering Council (PEC)から年ベースでライセンスが発行される。外資系企業は単独で入札に参加できないため、入札前に地場系企業とJVを組む必要がある。

出典

規制業種・禁止業種

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見るパキスタン 投資制度 外資に関する規制


工事受注に当たっての現地法人の設立義務付け

建設経済研究所調べ(2014年11月)

NNA調べ(2016年11月)

Pakistan Engineering Council 「Foreign Constructors/Operators

建設業許可制度、条件・手続き

〔制度概要〕

建設業、コンサルタント、資格エンジニア等の許可登録は、イスラマバードに本部を置くPakistan Engineering Council (PEC)に申請、登録する必要がある。申請書のフォーマットはPECのWebsiteに掲載されている。建設業の登録はプロジェクト契約額などにポイント評価され、8段階のカテゴリーに分けられる。登録者の情報はWebsite上で検索が可能。

建設を行う際には、建設開始前に、管轄の建設局あるいは工業団地管理会社に確認申請および承認が必要である。基本的な平面図、構造図に設計者のサインをし提出する。

出典

日本貿易振興機構(JETRO)「パキスタン政治・経済・産業の手引き(2014年度版)

Pakistan Engineering Council(PEC)「Foreign Constructors/Operators

Pakistan Engineering Council(PEC)「LIST OF DOCUMENTS FOR NEW/RENEWAL OF REGISTRATION OF FOREIG NFIRMS

入札契約制度、条件・手続き

〔入札制度概要〕

パキスタンでの主要な公共調達方法として、競争入札が行われている。

Public Procurement Regulatory Authority(PPRA)が公共調達制度、調達情報、発注者リストなどの詳細をWebsiteで公表している。また、PPRAは2015年にProcurement Code 第4版を発行しており、その中で入札について規定している。公共調達に関しては、2004年にPublic Procurement Rulesにおいて定められ、Procurement Code第4版に記載されている。

〔入札条件〕

外資系企業は単独で入札に参加できないため、入札前に地場系企業とJVを組む必要がある。

〔入札手続き〕

公開競争入札では、下記4種類の手続きがとられる。

  • 一段階一札入札(Single stage-one envelope procedure)
  • 一段階二札入札(Single stage-two envelope procedure)
  • 二段階入札(Two stage bidding procedure)
  • 二段階二札入札(Twp stage-two envelope bidding procedure)
出典

建設経済研究所調べ(2014年11月)

NNA調べ(2016年11月)

Public Procurement Regulatory Authority(PPRA)「PPRA PROCUREMENT CODE 4th Edition

技術者・技能者の資格制度

〔制度概要〕

エンジニアや請負業者はPakistan Engineering Council(PEC)に登録し免許を得る必要がある。PECに登録しなければ、専門のエンジニアとしての業務ができない。公認の資格は、Registered Engineer(RE)とProfessional Engineer(PE)がある。PEは5年以上の実務経験を持ち、Engineering Practice Examination(EPE)を合格したエンジニアが取得できる免許である。EPEはPECが、エンジニアの知識、技能の基準であるContinuing Professional Development(CPD)の下にエンジニアの能力開発のために行っている活動の一つである。

建築士や設計者は、Pakistan Council of Architects and Town Planners(PCATP)に申請し、登録される。

出典

日本貿易振興機構(JETRO)「パキスタン政治・経済・産業の手引き(2014年度版)

日本貿易振興機構(JETRO)「パキスタンの業種別関連法・関係機関ガイド

Pakistan Engineering Council(PEC)「Frequently Asked Questions

Pakistan Council of Architects and Town Planners(PCATP)

就労許可制度

〔外国人就業規制〕

特になし

〔在留許可〕

就労ビザは、技術やノウハウの移転を目的とした技術指導者や管理者に対して認められている。適切な期間に技術や管理業務をパキスタン人が引き継げるよう指導する建設的な計画を条件に認められている。

在外パキスタン公館は、日本を含む「ビジネスビザリスト(BVL)」に掲げる67カ国のビジネスマンに対して5年間有効のマルチビザ(指定期間内であれば何度でも出入国可能)を以下のいずれかの書類提出を条件に認めている。1回の入国の際の滞在可能期間は3カ月。上記67カ国以外の国(イスラエルを除く)は有効期間および滞在期間が1カ月。

  • 申請者の該当国の商工会議所からの推薦状
  • パキスタンの関連する業界団体が正式に推薦する企業からの推薦状
  • 在外パキスタン公館の投資・商務担当商務官の推薦状
  • ビザの延長はパスポート地方事務所(Regional Passport Office)で1年間の延長ができる。
〔現地人の雇用義務〕

制限なし

出典

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見るパキスタン 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

建設業関連データ

建設投資額(億米ドル)

40(2012年)、41(2013年)、49(2014年)

(Value Added by Economic Activity, at current prices - US Dollars)

出典

国連統計局 National Accounts Main Aggregates Database

国内の建設企業数

1,410社(2005年)

出典

Federal Bureau of Statistics「Brief Analysis of Economic Census Data」(p4)

建設労働者

建設業就業者数:419万人(2014年)

就業者数総数に占める建設業就業者の割合:7.3%(2014年)

出典

Pakistan Bureau of Statistics「LABOUR FORCE SURVEY 2014-15

インフラ整備水準

道路
  • 延長:263.9千㎞(2015年)
  • 整備率:335.1㎞/千km2(2009年)
  • 舗装率:65.4%(2006年)
鉄道
  • 延長:8,775㎞(1990年)、7,791㎞(2012年)
  • 整備率:11.4㎞/千km2(1990年)、10.1㎞/千km2(2012年)
電力
  • 発電量:377億kw(1990年)、961億kw(2012年)
上下水道
  • 上水道普及率・・・91.4%(2015年)
  • 下水道普及率・・・63.5%(2015年)
出典

道路

延長:Ministry of Finance「PAKISTAN ECONOMIC SURVEY 2014-15

整備率、舗装率:アジア開発銀行「Key Indicators for Asia and Pacific 2014」P249 Table5.1:Road Indicators-Network


鉄道

アジア開発銀行「Key Indicators for Asia and Pacific 2015」P313 Table5.4:Rail Indicators


電力

アジア開発銀行「Key Indicators for Asia and Pacific 2015」P325 Table6.1:Electricity Production and Sources


上下水道

The World Bank「World Development Indicators 2015

我が国の建設投資の今後の動向

インフラシステム輸出戦略(平成28年度改訂版)

政府に対して治安の改善を求めつつ、日パキスタン官民合同経済対話の枠組みを効果的に活用し、企業のビジネス活動に直結するインフラ整備を創出する。併せて日本の技術の売込みを狙う。

国別開発協力方針・事業展開計画

援助の基本方針(大目標):経済成長を通じ、安定かつ持続的な社会の構築。重点分野(中目標)は下記の通りである。

経済基盤の改善
人間の安全保障の確保と社会基盤の改善
国境地域などの安定・バランスの取れた発展
出典

経協インフラ戦略会議「インフラシステム輸出戦略(平成28年度改訂版)

外務省「国別開発協力方針・事業展開計画

我が国建設業の受注実績

  • 2011年度:10.8億円
  • 2012年度:19.0億円
  • 2013年度:13.0億円
  • 2014年度:ゼロ
  • 2015年度:142.8億円
出典

海外建設協会調べ

ODA(百万ドル)

    ・円借款
  • 169.26 (2011年)
  • 147.17(2012年)
  • 117.81(2013年)
  • 175.36(2014年)
    ・無償資金協力
  • 336.85(2011年)
  • 83.07(2012年)
  • 35.80(2013年)
  • 55.15(2014年)
    ・技術協力
  • 22.35(2011年)
  • 26.12(2012年)
  • 19.36(2013年)
  • 16.97(2014年)
出典

2012年度版ODA白書 第3節 国別実績 P.193-P.197

2013年度版ODA白書 第3節 国別実績P.179-P.183

2014年度版ODA白書 第3節 国別実績 P.189-P.193

2015年度版ODA白書 第3節 国別実績 P.205-P.218

建設業関連企業、団体、大学

出典

建設経済研究所調べ(2014年11月)

NNA調べ(2016年11月)

主な外国建設企業

〔我が国建設企業(2016年6月現在)〕
  • 大成建設
  • 飛島建設   等
〔その他〕
出典

我が国建設企業

海外建設協会「海外進出状況


その他

建設経済研究所調べ(2014年11月)

NNA調べ(2016年11月)

主な公共発注者

出典

建設経済研究所調べ(2014年11月)

NNA調べ(2016年11月)

出典

建設経済研究所調べ(2014年11月)

NNA調べ(2016年11月)

出典

建設経済研究所調べ(2014年11月)

NNA調べ(2016年11月)

ビジネス環境

ビジネス慣行

〔ビジネス環境の現状(カラチ、ラホールの加重平均)〕
事業設立
必要な手続き数
10
平均的な手続き日数
19日
建築許可取得
必要な手続き数
10
平均的な手続き日数
250.5日
不動産登記
必要な手続き数
6
平均的な手続き日数
50日
納税
毎年支払う税の種類
47
収益に占める税率
32.7%
貿易
(輸出)
輸出に係る手続き
時間:75時間   費用:426USD
必要書類の手続き
時間:59時間   費用:307USD
(輸入)
輸入に係る手続き
時間:129時間  費用:957USD
必要書類の手続き
時間:147時間  費用:786USD
出典

IFC「Doing Business

問題等の解決

  • 在パキスタンインフラプロジェクト専門官
  • 「インフラプロジェクト専門官」は,各在外公館においてインフラプロジェクトに関する情報を収集・集約すると共に,関係機関や商工会等との連絡・調整に際して窓口となる等,インフラ海外展開の支援を担当している。
  • 在パキスタン日本国大使館日本企業サポート
  • 在パキスタン日本国大使館は、パキスタンにおける日本企業支援窓口として,日本企業支援担当官を設置している。
  • 国土交通省海外建設ホットライン
  • 国土交通省における、海外建設プロジェクトにおける施工技術、施工管理マネジメントへの課題・対応方策に関する、海外進出建設会社・コンサルタントからの相談窓口。
出典

在パキスタンインフラプロジェクト専門官

在パキスタン日本国大使館日本企業サポート

国土交通省海外建設ホットライン

各国・地域特有の課題

〔ガバナンス指標のパーセンタイルランク〕

パキスタンよりランクが低い国の割合(2015年)

  • 政治的安定と暴力・テロ等安全度 1%
  • 政府機関の効率性・独立性 27%
  • 規則の策定や遵守度 29%
  • 法の支配度 24%
  • 汚職の抑制 24%
出典

World Bank「Worldwide governance Indicators

マスタープラン

Vision 2025

〔策定主体〕

Planning Commission

〔計画概要〕

人材および社会資本の開発、持続的な成長、公共部門の改革、エネルギー・水・食糧の確保、民間 投資と企業家精神による成長、知識経済の開発、交通インフラの近代化等を柱としている。

交通インフラの目標数値として、道路密度100平方キロあたり64km、交通における鉄道のシェア20%等を挙げている。

北部パンジャブ州国道95号線のカラル~ルディアナ間4/6車線化事業

〔計画概要〕

インド国道公団(NHAI)が実施中の高速道路開発計画(NHDP)第5期の一部。国道95号線は、カラルとルディアナ経由で同州の州都チャンディガルと対パキスタン国境に近いフェロズプールを結んでおり、チャンディガル~カラル間の4車線化事業では請負業者が既に決まっている。カラル~ルディアナ間は設計・調達・建設(EPC)方式と建設・運営・譲渡(BOT)方式を組み合わせた「複合年金(ハイブリッド・アニュイティー)」方式で実施される方向。

出典

Planning Commission「Vision 2025

NNA調べ(2016年11月)

開発案件

E/N締結済みのODAプロジェクト(平成25~28年度)

シンド州南部農村部女子前期中等教育強化計画 (25年度)

概要:パキスタンのシンド州南部6県の農村部における既存小学校約30校に対し、施設の増改築、教育家具の整備等を行う。

供与限度額:8.08億円

中期気象予報センター設立及び気象予報システム強化計画(26年度)

概要:中期気象観測に必要な気象レーダー建設、気象観測・解析機材及び通信システムの整備並びにこれらの円滑な運営・維持管理に関する技術指導への協力を行う。

供与限度額:26.15億円

グジュランワラ下水・排水能力改善計画(26年度)

概要:下水道の清掃・運搬機材と下水ポンプ場機材を整備するとともに清掃管理体制の向上支援を行う。

供与限度額:10.31億円

第二次洪水警報及び管理能力強化計画

概要:インダス川流域に水文観測施設を整備し、洪水予測精度の向上を図る洪水予警報にかかる情報伝達ネットワークの構築及び防災関係者への災害管理研修等を実施する。

供与限度額:4.89億円

ファイサラバード市中継ポンプ場及び最終配水池ポンプ機材改善計画(27年度)

概要:パンジャブ州ファイサラバード市において老朽化した送配水設備を更新する。

供与限度額:16.16億円

電力セクター改革プログラム(26年度)

概要:アジア開発銀行(ADB)、世界銀行との協調融資によりパキスタンの電力セクター改革を支援。具体的な政策目標は下記の各分野で設定されている。これらの達成は、供与のための条件である。

  • 電力料金と補助金の設定
  • 発電コストの縮小
  • 説明責任と透明性の向上
  • 供与限度額:50.00億円

ラホール給水設備エネルギー効率化計画(27年度)

概要:パンジャブ州ラホール市において老朽化した給水設備を更新する。

供与限度額 25.54億円

シンド州北部農村部女子前期中等教育強化計画(27年度)

概要:パキスタン南部に位置するシンド州北部6県において,女子前期中等学校の建設,老朽化した初等学校の建て替え及び学校備品の供与を行う。

供与限度額:9.73億円

送変電設備運用・維持研修所強化計画(27年度)

概要:パキスタンの国営送電会社に対し、送変電設備の運用や事故への対応に係る訓練用のシミュレーター及び研修施設を整備する。

供与限度額:9.94億円

経済社会開発計画

概要:平和構築・人道支援・テロ対策分野の機材・製品等を購入するための資金を供与する。

供与限度額:2億円

出典

外務省 政府開発援助(ODA):日本のODAプロジェクト(パキスタン)

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