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一般に、国家権益に関わる事業、すなわち水、エネルギー・電力供給、放送、防衛、保安などに関し、マレーシア政府は、外資出資比率の上限を30%または49%と規定している。
外国の建設企業の規制や禁止はないが、外国法人としてConstruction Industry Development Board Malaysia(CIDB)に登記する義務がある。登録は、外国法人登録と国内法人登録に大別される。外国資本30%超の現地法人、外国法人の支店は外国コントラクターとなる。マレーシア資本70%以上の現地法人または、ASEAN資本51%以下およびマレーシア資本49%以上の現地法人はローカルコントラクターとして登録される。
原則、民間企業に対する外国資本の出資比率は、所轄官庁のライセンスや許認可に付与された出資条件によって決まる。製造業、流通・サービス業では、一部を除き100%外資が認められている。
マレーシア国内の土地は州によって管轄されており、土地・不動産を所有するためには、州当局の認可を得て土地の登記を行う必要がある。住宅に関しては、外国人個人による登記も認められているが、商業物件、工業用地、農業用地については、現地法人を設立して登記しなければならない。
最低払込資本金は、事業内容や必要な許認可に応じて定められている。製造ライセンス取得会社では、株主資本250万リンギット、流通・サービス取引では100万リンギットである。
〔外資に関する規制〕
日本貿易振興機構(JETRO)「マレーシア 外資に関する規制」(2023年12月15日)
日本貿易振興機構(JETRO)「建設・工事に関する制度(マレーシア)」(2014年)
マレーシア建設業開発庁(The Construction Industry Development Board Malaysia:CIDB)は、1994 年建設業開発庁法(法令 520)(CIDB 法)(Construction Industry Development Board Act, 1994)(Act 520)によって設置された機関で、マレーシアにおける建設業の開発と規制を委ねられている。すべてのローカル企業および外国法人は、マレーシアの CIDB 法で定義されている建設工事(I で示した建設工事の定義を参照されたい)の開始前に CIDB への登録を行わなければならない(CIDB 法 1995 年 7 月 20 日付)。
入札に参加予定の外国法人は、招待または広告を通して入札を行う前に CIDBに仮登録し、仮登録証書を取得しなければならない。
仮登録証書は、登録した特定の入札のみに参加するためのものであり、入札の締切日または締切日の延長期限まで有効である。同証書は建設工事の履行のために使用することはできない。
落札した場合、申請者は外国コントラクターとして登録し、登録証書を取得しなければならない。
外国コントラクターの登録証書は、同証書に記載されているプロジェクトのみ履行することが許可される。
本登録証書取得の申請書は CIDB 本局またはプロジェクトを行う州の CIDB 局へ提出することができる。
申請に必要な書類は以下の通りである。
マレーシアの将来的な経済方針を検討する有識者組織の経済行動協議会(EAC、注1)は7月8日、建設許可(注2)における承認期間を従来の390日間から90日間に短縮することを決定した。EACの事務局でもあるマレーシア経済省の発表によると、この提案は「既存の法律を改正せずに直ちに実施され、必要のない条件を取り除くことでビジネスコストを削減し、民間投資をさらに活発化することを目指す」という。
日本貿易振興機構(JETRO)「建設・工事に関する制度(マレーシア)」(2014年)
日本貿易振興機構(JETRO)「建設許可承認期間を大幅短縮、ビジネス環境改善を目指す」(2019年7月30日)
Companies Commission of Malaysia (CCM)への会社登録:
すべての企業は、マレーシア会社委員会(CCM)に登録する必要がある。これにより、企業が合法的に事業を行う能力を持っていることが確認される。
Construction Industry Development Board Malaysia (CIDB)への建設業登録:
建設業に従事する企業は、マレーシア建設業開発委員会(CIDB)への登録が必須である。これにより、企業の技術力や資格が適切であることが確認される。
建設サービスセンター(PKK)でのライセンス取得:
特に建設業においては、現地資本および土着マレー人(ブミプトラ)の出資割合に応じて、建設サービスセンターでのライセンスが必要である。これは、ブミプトラの経済的な参加を促進するための措置である。
財務省(MOF)への登録:
財務省への登録は、政府との取引に関わるすべての企業に課されている条件である。これにより、政府は取引先の信頼性を確認する。
公開入札:
最も一般的な入札方法であり、国内の日刊紙や電子プラットフォームで公示が行われる。すべての適格企業が参加可能である。
指名入札:
特別な技術や専門知識が必要なプロジェクト、国防関連、または緊急を要する工事に対して採用される入札方法である。特定の企業のみが招待される。
随意契約:
国家にとって特に重要なプロジェクトの場合にのみ採用される方法であり、政府が直接交渉して契約を締結する。
ePerolehanカード(ICカード)を使用した認証:
すべての登録企業は、電子認証のためにePerolehanカードを使用することが求められる。これにより、システム上での取引の安全性が確保される。
契約締結方式:
基本契約と個別契約を組み合わせた方式があり、これにより柔軟な契約管理が可能である。企業はプロジェクトのニーズに応じて最適な契約形態を選択できる。
カタログ調達システム:
事前に承認された製品やサービスのカタログを利用して、迅速かつ効率的に調達を行うことができる。これにより、プロセスの簡素化とコストの削減が図られる。
PwCコンサルティング合同会社調べ(2024年11月)
Bachelor of Science in Architectureを取得するには、マレーシア建築士協会(Board of Architects Malaysia, LAM)に認定された建築プログラムを提供する大学で受講する必要があります。
建設現場で就労するすべての人員は、国籍に関わらずConstruction Industry Development Board Malaysia (CIDB)に登録し、CIDBグリーンカードを取得しなければならない。CIDBグリーンカード制度は、建設人員の建設現場における安全度を高めるための登録および認定の総合的なプログラムである。カードを取得するために、駐在員を含む建設現場の全人員は、CIDB主催のトレーニングに出席することが必須とされる。
日本貿易振興機構(JETRO)「建設・工事に関する制度(マレーシア)」(2014年)
あらゆる職種や職能レベルにおいて、マレーシア人が訓練され雇用されるようにすることが、マレーシア政府の方針である。しかし、訓練を受けたマレーシア人が不足している職種には、外国人の雇用が認められている。
新型コロナウイルスの流行に伴い外国人のマレーシアへの出入国・滞在には諸々の制限が設けられていた。2023年6月15日からは、雇用パスの申請期間短縮に向け新システムであるXPats Gatewayを開始した。しかし、新型コロナ禍以前のように複数年の雇用期間の申請を許可されることは珍しく、管理職レベルでも1年しか許可を得ることができないなどのケースが多く見られる。
2021年1月1日より政府の求人サイトであるMYFutureJobsポータルにおいて広告を掲載する必要がある。従来30日間と定められていた掲載期間は、2023年6月以降14日間に短縮された。
マレーシアにおける外国人向けの就労ビザには、駐在員のための長期滞在・就労のための雇用パス(Employment Pass)、機械設置や研修などを目的とする短期就労のためのプロフェッショナル・ビジット・パス(Professional Visit Pass)などがある。
マレーシア政府は、すべての企業に対し、従業員の民族構成比が、マレーシア社会全体の構成比を反映したものとなるよう努力することを求めている。
2022年改正雇用法(Employment(Amendment)Act2022)が2023年1月1日から施行された。主な改正点としては、月の一部のみ勤務する労働者の給与の計算方法明記、外国人労働者雇用の事前承認および外国人労働者の解雇時の労働局長への通告制度の導入、労働時間の短縮(週48時間から45時間)、強制労働・差別・セクハラに対する厳格化、妊娠中の女性従業員に対する解雇の制限、産休期間の延長(60日間から98日間)や既婚男性の育休取得(7日間)、労働者の申請によるフレックス制の導入、雇用における差別に関する紛争の処理規定などが挙げられる。
雇用法の改正に伴い公布された雇用法第一附則改正令(EMPLOYMENT (AMENDMENT OF FIRST SCHEDULE) ORDER 2022)に基づき、改正雇用法および雇用法の規定は賃金にかかわらず、全労働者に適用されることとなった。ただし、月給4,000リンギットを超える労働者には残業代に関する規定および解雇・退職時の給付に関する規定は適用されない。
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る マレーシア 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」(2023年12月15日)
国が定めた道路・排水・建築法、及びこれに基づいて各地方政府が定めた建築条例Building By-Lawsに基づき、各地方政府が個別の許認可等を運用している。
建築物の安全性等に係る建築基準は、マレーシア規格Malaysian Standardとして規定されている。各地方政府が定めた建築条例の中でこれらの関連マレーシア規格が指定されている。
一般社団法人建築・住宅国際機構「海外の建築規制」
137(2020年)、134(2021年)、138(2022年)
(Value Added by Economic Activity, at current prices - US Dollars)
71,062社(2022年)
マレーシア統計庁「Department of Statistics Malaysia」
124万人
※建設業従事者
マレーシア統計庁「Department of Statistics Malaysia」
〔道路、鉄道、電力〕
アジア開発銀行「Key Indicators for Asia and Pacific 2024」
〔上下水道〕
The World Bank「World Development Indicators」
経協インフラ戦略会議「インフラシステム輸出戦略(令和2年度改訂版)」
外務省「国別開発協力方針・事業展開計画」(2024年12月9日)
海外建設協会調べ(2024年12月)
外務省「ODA白書」(2024年9月18日)
PwCコンサルティング合同会社調べ(2024年11月)
PwCコンサルティング合同会社調べ(2024年11月)
PwCコンサルティング合同会社調べ(2024年11月)
PwCコンサルティング合同会社調べ(2024年11月)
World Bank「Doing Business」
「インフラプロジェクト専門官」は,各在外公館においてインフラプロジェクトに関する情報を収集・集約すると共に,関係機関や商工会等との連絡・調整に際して窓口となる等,インフラ海外展開の支援を担当している。
在マレーシア日本国大使館は、日本企業支援の取り組みを強化するとの日本政府の方針の下、政府機関としての公平性・中立性を損なわない範囲で、個別企業の問題も含め、日本企業の活動を積極的にサポートしている。
国土交通省における、海外建設プロジェクトにおける施工技術、施工管理マネジメントへの課題・対応方策に関する、海外進出建設会社・コンサルタントからの相談窓口。
マレーシアよりランクが低い国の割合(2023年)
World Bank「Worldwide Governance Indicators」
連邦政府首相府経済企画院
マレーシアのアンワル・イブラヒム首相は9月11日、2021~2025年の国家中期計画の第12次マレーシア計画(12MP)の中間点検報告(MTR)を議会に提出した。
MTR策定を主導したラフィジ・ラムリ経済相は、イスマイル・サブリ前政権が2021年に発表した12MPを、現政権が打ち出したマダニ経済政策に対応したかたちでほぼ全面的に刷新したと説明した。
12MPでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響からの回復と経済再生などを柱に、2025年までの実質GDP成長率4.5~5.5%、1人当たり国民総所得(GNI)の5万7,882リンギット(約179万4,342円、1リンギット=約31円)への引き上げなどを目標としていた。MTRによると、前者については2022年までに5.9%、後者は5万2,968リンギットなどと、それぞれ進展が見られた(添付資料表参照)。アンワル首相によると、12MPで設定した175の目標のうち31%が達成され、残り59%が途上にあるという。
当初の12MPでは、2025年までに投じる開発予算を4,000億リンギットとしていた。MTRでは、国民需要への対応、政権運営の質向上、対象を絞った補助金への充当のため、4,150億リンギットに増額する。アンワル首相によると、開発支出額は2021年に643億リンギット、2022年には716億リンギットを計上し、2023年から2025年にかけて毎年900億リンギット以上を支出する見通し。
MTRでは今後、「持続可能、繁栄、高所得」をテーマに、2025年まで年率5.0~6.0%の成長を目指す。具体的には、(1)持続可能性の強化、(2)豊かな社会の発展、(3)高所得国化に焦点を当て、17の指針と71の主要戦略・イニシアチブをまとめた。
17の指針について、特に(3)では、目標達成に向けて、高付加価値化、また成長が見込まれる産業、具体的にはデジタルテクノロジー、電気電子、農業、レアアースに注力するとともに、中小企業の強化や高度人材育成を推進する。
クアラルンプール市
2040年に向けた国家および地域の政策の解釈、クアラルンプールにおける開発目標と政策の決定、クアラルンプールの開発に戦略的方向性を提供、地域計画の作成のための枠組みの提供、開発計画と管理のためのガイドラインの提供を支える計画。
①革新的かつ生産的
クアラルンプールの都市と社会の経済と生産性の原動力としてイノベーションを促進し、都市の経済価値を向上させる
②包括的で公正で住みやすい
クアラルンプール市民が質の高い近隣環境だけでなく、住宅や地域施設への選択肢、機会、アクセスを確保できるようにする
③緑、健康、活気
質の高い緑豊かな環境を創造し、住み、働きやすい魅力的な都市としてクアラルンプールを美しくする
④気候変動に配慮した低炭素
気候変動と資源の効率的な利用に強い低炭素都市としてクアラルンプールを強化する
⑤効率的でフレンドリーなモビリティ
交通ネットワークを拡大し、クアラルンプールのモビリティ システムを強化してアクセシビリティを向上
⑥統合された持続可能な計画
最適な土地利用を生み出すための物理的および空間的開発の観点からクアラルンプールの成長を管理およびサポートする
日本貿易振興機構(JETRO)「第12次マレーシア計画中間点検、2025年まで5.0~6.0%のGDP成長目指す」
東海岸地域は、半島マレーシアの52%を占める広大な開発地域である。東海岸経済地域委員会(ECERDC)が主導し、製造業、観光、石油化学、農業、人材、物流分野を中心に、投資誘致に取り組んでいる。(1)首都圏近郊と比べたコストの安さや、(2)中国やタイとの距離の近さ、(3)東海岸鉄道の開通や港湾処理能力拡充を含むインフラ整備、などの魅力を強みに、更なる発展を見込んでいる。
日本貿易振興機構(JETRO)「東海岸で進む開発、立地の魅力を探る(マレーシア)」
イスカンダル地域のバス路線網の整備計画。現地政府が提案、インフラ整備を行い、PPP事業としてシステム及び車両調達を含むバスの運行と管理を実施する事業。
AI を活用したオンデマンド交通サービスの提供、オンデマンド交通サービスと既存公共交通を複合検索できるアプリサービスの開発・提供等を行う MaaS 関連事業。
国土交通省「国土交通省インフラシステム海外展開行動計画(令和5度版)」
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