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ドイツ

建設業に関する外資規制等

建設業関連情報(外資規制、建設業制度等)

外資に関する規制

〔規制業種・禁止業種〕

公衆衛生や治安、従業員・消費者の安全が問題となり得る業種については、国内企業・外国企業に限らず、特別の許認可が必要となる。これらの業種の中には、不動産業、施工者・施工コンサルタントも含まれている。
外資企業であるという理由で規制されることはないが、例外として、人材派遣許可が与えられないことがあり得る。

〔工事受注に当たっての現地法人の設立義務付け〕

建設会社の設立には、営業届出をした後、税務署、商工会議所、手工業会議所、同業者労災保険組合等への登録を行えばよい。商業登記簿に登記する必要があるかどうかは、設立しようとしている会社の形態(例えば、有限会社)や営業所の規模に依存している。EU加盟国以外の外国人が企業を設立する場合、外国人法の「自営業(Selbstandige Erwerbstatigkeit)」に関する規定が適用される。

出典

規制業種・禁止業種

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る ドイツ 外資に関する規制


工事受注に当たっての現地法人の設立義務付け

日本貿易振興機構(JETRO)「ドイツにおけるサービス産業基礎調査

建設業許可制度、条件・手続き

〔制度概要〕

建設会社の設立には、営業届出をした後、税務署、商工会議所、手工業会議所、同業者労災保険組合等への登録を行う。EU加盟国以外の外国人が起業する場合は、外国人法の自営業(Selbstandige Erwerbstatigkeit)に関する規定が適用される。

出典

日本貿易振興機構(JETRO)「ドイツにおけるサービス産業基礎調査

入札契約制度、条件・手続き

〔入札制度概要〕

公共工事を調達する際、官民合同のドイツ建設工事請負委員会(DVA)より作成された建設工事調達契約規則 (VOB:Verdingungsordnung fur Bauleistungen)に従う。VOBはさらに三編に別れ、EU公共調達指令の閾値?5,000,000を超える案件については、下記の入札方式が適用される。

  • 公開手続(Offenes Verfahren)
  • 制限手続(Nifhet Offenes Verfahren)
  • 交渉手続(Verhandlungsverfahren)
  • 競争的対話(Wettbewerblichen Dialog)
  • 閾値未満の案件は、一般競争入札、制限競争入札、随意契約が適用される。
〔条件〕

公的機関の委託による施工の場合は、発注・契約規定(VOB、Vergabe-und Vertragsordnung)が重要である。同規定は、公共工事の入札参加者が入札参加資格事前審査制度(PQ)に従って審査されることを定めている。この審査によって建設業者の適性が明らかになる。

〔入札手続き〕

VOB/A第25条の規定により、デザインや機能面も含めて経済的に最も有利な札が落札することになっている。発注機関は予め評価要素や評価項目の比重を公示しておく。評価は発注機関内部で厳格に実施する。

出典

国土交通省 国土技術政策総合研究所「国総研資料 第722号 海外における公共調達

会計検査院「日・米・欧における公共工事の入札・契約方式の比較

Fachinformation Bundesbau「Vergabe- und Vertragsordnung fur Bauleistungen (VOB) Teile A und B

履行保証制度、条件・手続き

〔工事履行保証〕

契約金額の5%を預託、または銀行保証。あるいは各部分払からの留保金(10%)のいずれか一つを選択する。銀行保証が一般的である。庇護担保は別に行われる。

出典

Vertragsordnung fur Bauleistungen (VOB) Teil B § 17 Sicherheitsleistung

技術者・技能者の資格制度

資格認定は行われていないが、土木工学の学位等があればBauingenieurと称される。

Hauptverband der Deutschen Bauindustrie により、Bauingenieur 育成のための情報提供Webサイト「Werde Bauingenieur」が運営されている。

出典

Hauptverband der Deutschen Bauindustrie「Werde Bauingenieur

就労許可制度

〔外国人就業規制〕

EU域外の国籍者は無制限の定住許可を取得していない限り、営利活動目的での滞在許可が必要。

〔在留許可〕

営利行為を伴う滞在については、営利活動目的の滞在許可の取得が必要。
2000年12月1日から、日本人は長期滞在(3カ月以上)の場合の滞在許可申請がドイツ入国後に各地域の外国人局で可能となった。

〔現地人の雇用義務〕

現地人の雇用義務は存在しない。

出典

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る ドイツ 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

建築基準

〔建築規制〕

各州の建築、住宅及び居住担当大臣の作業委員会であるAEGEBAUが作成したモデル建築法規(Musterbauordnung: MBO)を基に各州が建築基準法Bauordnungを制定、各地方政府が個別の許認可等を実施している。

〔建築基準〕
  • 技術的な建築基準は、欧州委員会EUの建設製品規則(Construction Products Regulation: CPR)の基本的要件と同じ分野となっており、構造安全性、防火、断熱など6分野となっている。
  • 建築基準に関連する規格は、ドイツ規格DINの他、欧州標準化委員会CENが管理する欧州規格ENをドイツで採用したDIN ENとなっており、技術的基準の中で指定され、義務基準として適用されている。
出典

一般社団法人建築・住宅国際機構「海外の建築規制

建設業関連データ

建設投資額(億米ドル)

1,428(2012年)、1,505(2013年)、1,602(2014年)

(Value Added by Economic Activity, at current prices - US Dollars)

出典

国連統計局 National Accounts Main Aggregates Database

国内の建設企業数

338,535社(2014年)

出典

Eurostat「Annual detailed enterprise statistics for construction

建設労働者

245万5,000人(2016年第2四半期)

出典

Statistisches Bundesamt「43.5 million persons in employment in 2nd quarter of 2016

インフラ整備水準

道路
  • 延長: 230,147km(2015年)
鉄道
  • 延長: 33,446km(2013年)、33,426km(2014年)
電力
  • 一人当り電力消費量: 7,270.2kwh(2012年)、7,019kwh(2013年)
出典

道路

Statistische Amter des Bundes und der Lander「Transport ? Roads of other than local transport


鉄道

The World Bank「World Development Indicators」Rail lines


電力

The World Bank「World Development Indicators」Electric power consumption

我が国の建設投資の今後の動向

日本企業によるドイツの鉄道、エネルギー等のインフラビジネス参入が増加。例えば、JFEエンジニアリングは2014年、廃棄物発電・バイオマス発電プラント等を手がけるドイツ系企業スタンダードケッセル・バウムガルテグループを買収し、バイオマス発電プラント事業を強化した。

出典

日本貿易振興機構(JETRO) 世界のビジネスニュース(通商弘報)「現地での実績がものをいうインフラビジネス?欧州各国の公共投資計画の動向(7)?(ドイツ)

JFEエンジニアリング株式会社「スタンダードケッセル・パワーシステムズHD社の全株式取得について

我が国建設業の受注実績

  • 2014年度:62.4億円
  • 2015年度:67億円
出典

海外建設協会調べ

建設業関連企業、団体、大学

出典

NNA調べ(2016年9月)

主な外国建設企業

〔我が国建設企業(2016年6月現在)〕
  • JFEエンジニアリング
  • 竹中工務店
  • TSUCHIYA   等
〔その他〕
出典

我が国建設企業

海外建設協会「海外進出状況


その他

NNA調べ(2016年9月)

出典

NNA調べ(2016年8月)

ビジネス環境

ビジネス慣行

〔ビジネス環境の現状〕
事業設立
必要な手続き数
9
平均的な手続き日数
10.5日
建設許可取得
必要な手続き数
8
平均的な手続き日数
96日
不動産登記
必要な手続き数
5
平均的な手続き日数
39日
納税
毎年支払う税の種類
9
収益に占める税率
48.8%
貿易 (輸出)
輸出に係る手続き
時間:36時間  費用:345USD
必要書類の手続き
時間:1時間   費用:45USD
(輸入)
輸入に係る手続き
時間:0時間   費用:0USD
必要書類の手続き
時間:1時間   費用:0USD
出典

IFC「Doing Business

問題等の解決

  • 在ドイツインフラプロジェクト専門官
  • 「インフラプロジェクト専門官」は、各在外公館においてインフラプロジェクトに関する情報を収集・集約すると共に、関係機関や商工会等との連絡・調整に際して窓口となる等、インフラ海外展開の支援を担当している。
  • 在ドイツ日本国大使館 日本企業支援窓口
  • 国土交通省海外建設ホットライン
  • 国土交通省における、海外建設プロジェクトにおける施工技術、施工管理マネジメントへの課題・対応方策に関する、海外進出建設会社・コンサルタントからの相談窓口
出典

在ドイツインフラプロジェクト専門官

在デュッセルドルフ総領事館 日本企業支援窓口

在フランクフルト総領事館 日本企業支援窓口

在ミュンヘン総領事館 日本企業支援窓口

在ハンブルク領事事務所 日本企業支援窓口

国土交通省海外建設ホットライン

各国・地域特有の課題

〔ガバナンス指標のパーセンタイルランク〕

ドイツよりランクが低い国の割合(2015年)

  • 政治的安定と暴力・テロ等安全度 70%
  • 政府機関の効率性・独立性 94%
  • 規則の策定や遵守度 93%
  • 法の支配度 93%
  • 汚職の抑制 93%
出典

World Bank「Worldwide governance Indicators

マスタープラン

2015 Federal Transport Infrastructure Plan

〔策定主体〕

Federal Ministry of Transport and digital Infrastructure

〔計画概要〕

2030年までの交通インフラに関する予測に基づいて、陸運、鉄道、空運、内陸航行等の総合的なインフラ整備を行う。

出典

Federal Ministry of Transport and digital Infrastructure「Forecast of transport interconnectivity 2030

国土交通省国土政策局「各国の国土政策の概要 ドイツ

開発案件

高速道路

  • A1 Kelberg - Blankenheim間(25km)の建設
  • A14 AS Luderitz (o) (L 30) - LGr. ST/BB間(57km)の建設
  • A20 B 431 (Gluckstadt) - Weede間(69km)の建設
  • A39 Wolfsburg(B188) - Luneburg_N(L216)間(105km)の建設 等

地熱開発

政府が全ての原子力発電所廃止を決定後、再生可能エネルギーの利用を模索している。現在5基の地熱発電プラントが稼働中であるのに加え、約15基が建設中。そのほとんどがバイエルン州にあるが、今後は岩盤熱源を利用し2050年までに設備容量が10倍に増える可能性がある。

出典

Federal Ministry of Transport and digital Infrastructur

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