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中国

建設業に関する外資規制等

建設業関連情報(外資規制、建設業制度等)

外資に関する規制

中国の国家発展改革委員会、商務部は9月6日、外資企業の投資を制限・禁止する分野を示した「外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)(2024年版)」(国家発展改革委員会、商務部令第23号)を公布した。2024年11月1日から施行される。

出版物の印刷は中国側の持ち分支配とする規制、(2)漢方薬材における蒸す、煎(い)る、炙(あぶ)る、焼くなどの加工処理技術の応用および漢方薬剤の秘伝処方製品の生産への投資を禁止する規制の2点が削減され、全29項目となった。今回の緩和により、製造業についてネガティブリスト上の参入規制は撤廃されたことになる。

出典

日本貿易振興機構(JETRO)「中国、外資参入ネガティブリストの2024年版を公布、製造業の参入規制を撤廃」(2024年9月10日)

建設業許可制度、条件・手続きの流れ

〔制度概要〕

営造業法 (Construction Industry Act) に規定されている。
営造業法により営造業は「総合営造業」「専門営造業」「土木請負業」の 3 つに分類されている。

  • ・総合営造業…中央主管機関で許可・登録の手続きを行い、修繕・施工・管理など総合的に工事を行う事業
  • ・専門営造業…中央主管機関で許可・登録の手続きを行い、専門工事に従事する事業
  • ・土木請負業…直轄市・県(市)主管機関で許可・登録の手続きを行い、当地あるいは隣接地域にて小規模の総合修繕工事を請け負う事業

中央主管機関とはすなわち国の機関のことで、直轄市・県(市)とはその下の行政区分のことである。総合営造業と専門営造業については、日本における大臣許可に相当し、土木請負業については知事許可に相当するものであると考えられる。土木また、土木請負業はいわゆる日本語の土木工事を指すのではなく、総合営造業に比べ小規模な事業を指すことに注意が必要である。

【施工業者】「外商投資建設業企業管理規定」に基づけば、外国投資者が中国国内で建設工事設計を行う場合、中華人民共和国住宅・都市農村建設部が交付する「建設業企業資格」を取得する必要がある。

    「建設業企業資格」は、請負の段階に応じて以下の2種類に分けられる。
  • ①施工元請負企業資格:12の業種(家屋建設、道路、鉄道、港口、水利・水力発電、電力、鉱山、製錬、石油化学工業、都市行政、通信、電気機械製品取付)別に施工元請負資格がある。これを取得することでその業種の施行元請負を行うことが可能となる。本報告書では、12業種のうち建設業のみを取り上げる。

  • ②専門請負企業資格:合計60の専門がある。資格を取得することでその専門の業務を請け負うことができる。本報告書では、建設関連(地盤・基礎工事、建設付帯工事・装飾、建設カーテンウォール、エレベーター取付、建設インテリジェント化、電気機械設備取付)のみを取り上げる。
〔格付制度〕

建設活動に従事する建設企業、測量単位、設計単位および建設監督単位は、登録資本金、専門技術者、技術、設備および完成した建設プロジェクトに基づいて格付けされ、資格審査に合格し、適切な資格等級証明書を取得した後にのみ、格付けに応じた範囲内で建設活動に従事することができる。資格審査の具体的な窓口については、建設主管部門が全国の建設活動に対する統一的な監督と管理を行っている。

出典

CONSTRUCTION LAW OF THE PEOPLE'S REPUBLIC OF CHINA

入札契約制度、条件・手続き

〔入札制度概要〕

入札には、公開入札と指名入札の2種類がある。公開入札は、不特定の法人またはその他の組織に対して入札を招請する方法であり、指名入札は特定の法人またはその他の組織に対して入札を招請する方法である。

入札の条件
入札を行うためには、以下の条件を満たす必要がある。

  • ・入札者が法的に設立されていること。
  • ・初期設計および概算が承認されていること。
  • ・資金または資金源が確保されていること。
  • ・入札に必要な設計図および技術資料があること。
出典

中华人民共和国国家发展和改革委员会「工程建设项目施工招标投标办法

技術者・技能者の資格制度

建築家登録制度には、通常、学校教育、実務訓練、建築家登録試験の3つの要素が必要であるが、学校教育の面でも整備が進められてきた。建築学科の学生の教育水準について国際的な承認を得られるように、中国国務院学位委員会は、建築教育水準の評価基準を本格的に制定し、1992年までに中国の天津大学、東南大学、同済大学、清華大学などの8つの大学が評価に合格した。合格した5年制の大学では専門学位(professional degree)が付与される。

登録建築師条例によれば、1級登録建築師の受験を申請するには次の教育標準、在職経験いずれかに該当しなければならない。

  • 建築学の修士を取得し、在職経験が2年以上であること
  • 建築学の学士を取得し、在職経験が3年以上であること
  • 建築学専門、工学部専門の本科以上の学歴を取得し、国の規定する教育標準、在職経験の条件を満たした者であること
  • 設計業績が優れており、認定の結果、教育標準、在職経験の条件を満たした者であること
    2級建築師の受験を申請できるのは、次の場合である。
  • 建築学専門の本科以上の学歴を取得し、在職経験が1年以上であること
  • 建築学専門の3年制高専の学歴を取得し、在職経験が3年以上であること
  • その他の工科専門の高専以上の学歴を取得し、国の規定する教育標準、在職経験の条件を満たした者であること
  • 設計業績が優れており、認定の結果、教育標準、在職経験の条件を満たした者であること

工事設計業界資格には甲、乙、丙の 3 種類がある。企業の基本的状況、実績、人員配置に関する条件は各種異なる。

出典

公益財団法人 建築技術教育普及センター

建設・工事に関する制度(中国)

就労許可制度

〔外国人就業規制〕

「外国人の中国における就業管理規定」(1996年5月、2017年3月に改訂・施行)に基づき管理。外国籍従業員を雇用する場合、進出地域の労働行政部門より「就業許可証」などを取得するなどの関連手続きが必要。

2016年9月27日、「外国人の中国における就業制度に関する試行実施案」が公布された。同制度は、2016年10月から2017年3月まで、北京市、天津市、河北省、上海市、安徽省、山東省、広東省、四川省、雲南省、寧夏回族自治区等において試験的に導入され、2017年4月1日から全国で実施された。また、全国での実施に先立ち「『外国人の中国での就業許可サービスガイドライン(暫定施行)』の印刷配布についての通知」(以下「外専発[2017]36号」という)および「外国人の中国での就業許可制度の全面施行についての通知」(以下「外専発[2017]40号」という)が公布された。これらにより、中国に就業で入国する外国人のランク分類基準も同時に実施されるようになった。

国家公務員および国家機関直属事業単位が外国人を雇用できないことを除けば、法律に外国人の雇用を禁止する業種についての明確な規定はない。「外国人の中国における就業管理規定」によれば、使用者が外国人を雇用して従事させる職務は、特別な必要性があり、国内では当面適切な人材が不足しており、かつ国の関連規定に違反しない職務でなければならない。また、使用者は外国人を雇用して営業目的の文芸公演を行わせてはならない(ただし、認可を得た場合を除く)。

司法実務では、原則として特殊技能を要しない単純労働については、外国人の就業は認められない。これには社会サービス業のあらゆる企業および事業単位が含まれる。

外商投資企業については、2017年4月1日より全国で施行された就業許可制度に基づき、その従業員の就業許可取得の可否が決定されることになった。具体的には、外専発[2017]40号等に基づいたランク分類が行われることになった。

〔在留許可〕

在外中国公館より入国査証の発給が必要である。入国後、常駐期間などに基づき、外国人居留許可を取得。

中国において就労する者はZビザを取得しなければならない(「外国人の中国における就業管理規定」第8条)。「外国人出入国管理条例」に基づき、ビザの種類が8種類から12種類に増加した。例えば、短期の商用に必要なビザを従来のFビザ(訪問)から独立させてMビザとした。

2018年3月より、外国ハイレベル人材の基準条件に合致する外国人は、Rビザを取得できることになった。

〔現地人の雇用義務〕

外商投資企業の所在地区の労働人事部門の協力を得て、独自に従業員を採用することができる。

1. 現地人の雇用義務
一般論として、中国人の雇用が法律上明確に義務付けられているわけではない(ただし、外国人の雇用には認可が必要であり、一定の制限下に置かれている)。

2007年8月30日に採択された「就業促進法」(2008年1月1日から施行)により、使用者が人員を募集採用する際には、労働者に平等な就業機会と公平な就業条件を与えなければならず、就業差別を行ってはならない。女性は男性と平等な労働権利を有する。障害者を差別してはならず、伝染病病原体保有者であることを理由に雇用を拒絶してはならない。2007年11月5日、労働・社会保障部が「就業サービスおよび就業管理規定」を公布し、「就業促進法」における就業サービスと管理、就業支援の関連制度をさらに整備し、公平な就業に関する規定を細かく定め、公共就業サービス制度を整備し、就業支援制度等を強化した。

2. 採用の方法
外商投資企業の現地人採用は新聞広告を通じて募集するなど、独自で行うことができる。一般には人材紹介会社を通して採用を行っている。

3. 書面契約
外商投資企業は、雇用する労働者と書面で労働契約を締結しなければならない。2007年6月29日、全国人民代表大会常務委員会は「労働契約法」を公布し、労働契約の締結、履行および変更、解除および終了、集団契約、労務派遣、非全日制雇用、監督検査および法律責任等の内容について詳細に規定した。2008年1月1日から、外商投資企業は当該法律が規定する条件および要求に厳格に従い、労働者と労働契約を締結しなければならない。

4. 労働組合の組織化
中国では労働組合の組織化を「労働組合法」で企業に義務付けており(従業員大会から組合設立を要求された場合、企業側はこれを認めなければならない)、企業と労働組合または労働者代表との団体契約の締結と労働部門への登録が必要である。

出典

〔就労許可制度〕

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る 中国 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」(2024年8月27日)

建設業関連データ

建設投資額(億米ドル)

10,498(2020年)、12,209(2021年)、11,988(2022年)

(Value Added by Economic Activity, at current prices - US Dollars)

出典

National Accounts - Analysis of Main Aggregates (AMA)

国内の建設企業数

157,929社(2023年)

出典

中国建築業協会

建設労働者

5253.75万人(2023年)

出典

中国建築業協会

インフラ整備水準

〔道路〕
  • 延長:5,354,800km(2022年)
〔鉄道〕
  • 延長:154,900km(2022年)
〔電力〕
  • 発電量:85,343億kWh(2021年)
〔上下水道〕
  • 上水道普及率:97.6%(2022年)
  • 下水道普及率:95.9%(2022年)
出典

〔道路、鉄道、電力〕

アジア開発銀行「Key Indicators for Asia and Pacific 2024


〔上下水道〕

The World Bank「World Development Indicators 2022

我が国建設業の受注実績

  • 2019年度:658億円
  • 2020年度:576億円
  • 2021年度:717億円
  • 2022年度:835億円
  • 2023年度:500億円
出典

海外建設協会調べ(2024年12月)

ODA(百万ドル)

    ・円借款
  • -904.68(2014年)
  • -752.86(2015年)
  • -956.15(2016年)
  • -954.74(2017年)
  • -936.53(2018年)
    ・無償資金協力
  • 3.32(2014年)
  • 0.79(2015年)
  • 0.98(2016年)
  • 0.26(2017年)
  • 0.09(2018年)
    ・技術協力
  • 24.40(2013年)
  • 15.69(2014年)
  • 9.29(2015年)
  • 6.03(2016年)
  • 5.44(2017年)
  • 4.56(2018年)

※2018年度をもって新規採択を終了し、2021年度末をもって継続案件を含めた全ての事業が終了。

出典

外務省「ODA白書」(2024年9月18日)

日本貿易振興機構(JETRO)「日本のODAプロジェクト中国対中ODA概要」(2022年7月6日)

建設業関連企業、団体、大学

出典

PwCコンサルティング合同会社調べ(2024年11月)

主な公共発注に関する情報

出典

PwCコンサルティング合同会社調べ(2024年11月)

出典

PwCコンサルティング合同会社調べ(2024年11月)

出典

PwCコンサルティング合同会社調べ(2024年11月)

ビジネス環境

ビジネス慣行

〔ビジネス環境の現状(北京、上海の加重平均)〕(2019年3月)
事業設立
必要な手続き数
4
平均的な手続き日数
9日
建築許可取得
必要な手続き数
18
平均的な手続き日数
111日
不動産登記
必要な手続き数
4
平均的な手続き日数
9日
納税
毎年支払う税の種類
7
収益に占める税
59.2%
貿易
(輸出)
輸出に係る手続き
時間:21時間  費用:256USD
必要書類の手続き
時間:9時間  費用:74USD
(輸入)
輸入に係る手続き
時間:36時間  費用:241USD
必要書類の手続き
時間:13時間  費用:77USD
出典

World Bank「DOING BUSINESS

問題等の解決

  • 在中華人民共和国インフラプロジェクト専門官
  • 「インフラプロジェクト専門官」は,各在外公館においてインフラプロジェクトに関する情報を収集・集約すると共に,関係機関や商工会等との連絡・調整に際して窓口となる等,インフラ海外展開の支援を担当している。

  • 在中国日本国大使館「企業支援」
  • 管轄区域内(北京市,天津市,陝西省,山西省,甘粛省,河南省,河北省, 湖北省,湖南省,青海省,新疆ウイグル自治区,寧夏回族自治区,チベット自治区,内蒙古自治区)に進出された日系企業に対する支援業務を実施しております。

  • 国土交通省海外建設ホットライン
  • 国土交通省における、海外建設プロジェクトにおける施工技術、施工管理マネジメントへの課題・対応方策に関する、海外進出建設会社・コンサルタントからの相談窓口

出典

在中華人民共和国インフラプロジェクト専門官

在中国日本国大使館「企業支援

国土交通省海外建設ホットライン

各国・地域特有の課題

〔ガバナンス指標のパーセンタイルランク〕

中国よりランクが低い国の割合(2023年)

  • 政治的安定と暴力・テロ等安全度 25.1%
  • 政府機関の効率性・独立性 73.6%
  • 規則の策定や遵守度 38.7%
  • 法の支配度 52.8%
  • 汚職の抑制 54.2%
出典

World Bank「Worldwide governance Indicators

マスタープラン

循環経済の発展に関する第14次5カ年(2021~2025年)計画

〔策定主体〕

国家発展改革委員会

〔計画概要〕

循環経済の発展は、国家の資源安全保障やカーボンニュートラルの実現に重要な意義を有するとしており、期間内の数値目標と3つの重点政策および11項目の重点プロジェクトが盛り込まれた。

全体目標は、2025年までに、クリーンな生産を推進し、各種資源の総合利用率を高め、資源循環型の産業体系を構築することとした。具体的には、2025 年のGDP当たりのエネルギー消費量を2020年比で13.5%削減、水消費量を16%前後削減し、資源の循環利用に関する産業の生産額を5兆元(約85兆円、1元=約17円)にすることなどが挙げられた。このほか、鉄や紙など各種産業廃棄物の再利用に関する目標も設定された。重点政策の筆頭には、各種資源の利用率向上が挙げられた。具体的には、石油化学、化学工業、セメント、非金属、包装印刷などを重点対象産業に指定した上で、クリーン生産改造計画に基づき、技術革新などを加速させる。工業・産業園区の循環経済化も推進し、鉄鋼、非鉄金属、冶金(やきん)、石油化学、設備製造、軽工業など重点業界において循環経済発展モデルを普及させる。また、廃棄物の循環利用体系の構築も重点政策に挙げられ、再生資源の加工利用水準を高め、中古商品の流通および市場の発展を促進することなどが盛り込まれた。具体的には、廃電子製品、廃自動車、廃鉛蓄電池などを解体し利用する企業に対する監督管理を強化し、再生原材料の利用に関する制度整備を加速させる。中古商品の流通に関する法規および取引規範を整備し、自動車、家電、携帯電話などの中古品に対する鑑定、評価、等級制定といった標準体系を構築することなどにも取り組むとした。

出典

日本貿易振興機構(JETRO)「循環経済の発展に関する第14次5カ年規画の目標・政策を発表

国土交通省国土政策局「各国の国土政策の概要」中国

開発案件

開発案件

中国の鉄道計画は、川蔵線(四川-チベット鉄道)の雅安-ニンティ(林芝)区間やグルシャ(伊寧)-アクス(阿克蘇)区間、酒泉-エジン(額済納)区間、チャルクリク(若羌)-ロプノール(羅布泊)区間などの建設がある。また、シガツェ(日喀則)-キドン(吉隆)区間およびホータン(和田)-シガツェ(日喀則)区間の鉄道の予備工事も推進されている。さらに、成都・重慶から上海を結ぶ沿江高速鉄道や、京滬高速鉄道の補助ルートとして天津-新沂、北京-雄安新区(経由)-商丘、西安-重慶、長沙-贛州、包頭-銀川などの高速鉄道の建設も計画されている。普通鉄道では、黄桶-百色を結ぶ西部陸海の新ルートや、貴州省・広西チワン族自治区に新規に鉄道2路線、瑞金-梅州、中衛-平凉(経由)-慶陽、柳州-広州鉄道の建設が進められている。また、玉渓-モーハン(磨憨)、大理-瑞麗などの周辺国との相互接続する鉄道建設も推進されている。

出典

中华人民共和国中央人民政府「中华人民共和国国民经济和社会发展第十四个五年规划和2035年远景目标纲要

今後注視すべき主要プロジェクト一覧

今後注視すべき主要プロジェクト一覧

現在記載できるプロジェクトなし(2024年11月)

出典

国土交通省「国土交通省インフラシステム海外展開行動計画 (令和5年)

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