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ブラジルで事業活動を行うには「現地法人」の設立が必要となるが、外国企業が設立する現地法人は通常「有限会社」と「株式会社」のいずれかである(業種や事業目的によっては別の会社形態での会社設立も認められる)。ブラジルに進出している日本企業も有限会社の形態を選択する例が多い。銀行や保険会社等の一部の業種や、ブラジル証券市場に上場を予定する場合には、株式会社として会社を設立する必要がある。ブラジルでは、「駐在員事務所」という概念が法律上定められていない。また、外国企業の「支店」形態での会社設立には連邦政府による事前認可が必要で、特別なケースを除き認可されない。
これまで2人以上の出資者が必要であったが、2019年の法律改正により単独出資者による有限会社設立が認められている〔2019年6月11日付規範命令第63号第2条、2019年9月20日付法律13874号第7条参照〕。2人以上の出資者で設立した有限会社を単独出資の有限会社に移行することも認められる。出資者は法人・個人のいずれでもよい。
最低資本金の規定はない。
出資者は会社に出資した出資金の範囲で責任を負う。
業務執行者(日本の取締役の役割を担う者)は最低1人でよい。業務執行者の任期を定める必要はない。
経営審議会は不要(任意で設立することも可能)。
共同出資者全員が書面で議決する場合や単独出資者による有限会社の場合、出資者総会の開催は不要。
定款記載事項を変更する場合、州商業登記所への登記が必要。
増資、株式譲渡、定款変更、会社清算手続き等は、75%以上の出資者の合意により可能。非出資社員を業務執行者に任命する場合、資本の払込みが完了していれば、出資者の3分の2以上の承認が必要。資本の払込みが完了していなければ、出資者100%の承認が必要。
財務諸表は、最低年1回開催される出資者総会で承認されればよく、公告は不要。ただし、前年の総資産が2億4,000万レアル超、あるいは年間売上高が3億レアル超の“大規模有限会社”の場合には必要となる。
外部の会計監査人は不要。ただし、“大規模有限会社”の場合には必要。
零細・中小企業向け簡易税務申告制度のシンプレス(SIMPLES NACIONAL)の選択が可能。ただし、法人や海外居住者が出資者に含まれる場合には適用できず、業種や売上高の制限もある。
株式会社法の適用を受ける。
公開会社または非公開会社として設立することができる。
最低2人以上の株主が必要。
年に1度の定時株主総会の開催が必要。
経営審議会あるいは株主総会で任命された2人以上の業務執行者によって構成される役員会の設置が必要。業務執行者の任期は最長3年だが、再選可能。
株主総会で任命された3~5人で構成される監査役会の設置が必要。
公開会社の場合、証券取引委員会の規則が適用される。
公開会社の場合、3人以上で構成される経営審議会の設置が必要。
財務諸表の公告が必要。
出資者の加入、脱退は株式移転台帳に反映されればよく、会社定款の改定は不要。
ブラジル証券市場への上場が可能。
連邦政府による事前承認を必要とし、特別なケースを除き採用されていない。
「駐在員事務所」という概念が法律上定められていない。
以下の業種に外資が参入することは、禁止又は規制が設けられており、規制業種に該当する場合、出資比率に制限がある。
〔現地法人等の形態〕
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る ブラジル 外国企業の会社設立手続き・必要書類」(2023年7月12日)
〔出資比率〕
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る ブラジル 外資に関する規制」(2023年7月12日)
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