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オーストラリア

不動産関連情報

不動産に関する法制度

土地・不動産の所有権

国の分類システム

土地保有情報は、詳細度が上がる順に並べられた4層の階層構造に従って分類されています。

レベル1は、基本的な土地所有権の種類であるフリーホールドとクラウンランドを区別します。

レベル2は、クラウンランドをリースホールド、クラウン目的専用または留保、およびその他のクラウンランドに分割します。

レベル3はさらにクラウンランドを区別し、期間と目的に基づいてリースホールドタイプまたはクラウン目的タイプを定義します。リースホールドの種類は、自由保有リース、牧畜永代リース、その他の永代リース、牧畜期間リース、その他の期間リース、その他のリースに分かれています。国有地の目的は、自然保護区、多目的公有林、その他の国有地の目的に分かれています。

レベル4は、先住民の土地付与を受けた土地、つまり、伝統的所有者グループに代わって保有されている国有地、または伝統的所有者グループが所有する自由保有地を区別します。レベル 4 には、土地所有権とともに適用される先住民の権利は含まれません。
オーストラリアの土地所有権分類を Excel ワークシート にてまとめられ、公開されている。

所有権は州および準州レベルで制定されているため、すべてのクラスが各管轄区域の所有権タイプとして存在するわけではありません。

土地・不動産の登記

トレンス・システム(Torrens System)

(土地登記のみ)

登記権利者が登記の際に交付を受けた登記証明書を受け、後に自己が登記義務者となるときにその登記証明書を提出させる制度。

《未登記事項検索システム(U.R.D.S(Unregistered Dealing System))》

登記申請書類が提出・受理されながらまだ登記にいたらない未登記事項(dealing)について検索するシステムで、登記所の受付で書類を提出・受理された時、受付係官(Receiving Clerk)が直ちにコンピュータに打ち込み、所定の手数料を支払えば、誰でもこの「未登記事項」の案件リストを取得することができる。

不動産の鑑定評価

オーストラリア不動産協会はオーストラリアを代表する不動産専門家団体である。オーストラリア不動産協会の会員の専門区分は、アセット・マネジメント、事業評価、補償・収用、教育、専門家証言(Expert Witness)、政府、法律、プラント及び機械評価、不動産コンサルティング、不動産開発、不動産金融、プロパティ・マネジメント及びファシリティ・マネジメント、不動産調査研究、不動産評価、不動産仲介、税務評価の計 16 であり、会員数は 2015 年 2 月 15 日時点で 8,600 人以上となっている。会員資格の更新等の制度はない。

また、オーストラリア不動産協会では、上記のような会員資格のほかに、公認評価人(CPV:Certified Practising Valuer)の称号を付与している。

法制度が確認できるWebサイトの紹介

Australia Unlimited「Land tenure

不動産事業を行う際の免許制度

【法律・規制】

州ごとに規制法あり (Property, Stock and Business Act等)

  • ・免許と規制による公正取引、消費者保護
  • ・不動産業に係る免許と証明書の登録
  • ・免許と登録者に係る一般事項
  • ・代理契約
  • ・住居物件及び郊外土地の売買
  • ・オークション
【従業者ライセンス】

real estate agent's license(personal license)

  • ・州の免許
  • ※州によって管轄が異なり、例えばNSWは公正取引委員会、Victoriaは消費者庁
  • ・資格試験は存在せずライセンスの更新に伴う研修参加のみ
  • ・REIが不動産取得資格に必要な研修をオンラインで提供しているがあくまで任意
【不動産業者ライセンス】

real estate agent's license(corporation license)

  • ・州の免許
  • ※管理者のうち最低1名は個人向け免許を保持していることが取得条件になる
出典

〔土地・不動産の所有権〕

Australian Trade and Investment Commission「Land tenure


〔土地・不動産の登記〕

法務省「我が国と諸外国の不動産登記制度における登記の真正担保のための方策について オーストラリア


〔不動産の鑑定評価〕

不動産鑑定評価の国際化対応等に関する調査報告書  国土交通省 土地・建設産業局


〔不動産事業を行う際の免許制度〕

豪州不動産流通市場 調査視察団報告書 一般社団法人 不動産流通経営協会

不動産の取引に関する制度

不動産金融(住宅ローンの実態、ローン審査、担保評価)

オーストラリアでは、住宅ローンを申請する際に、申請者の財務状況が厳しく審査される。
オーストラリアの住宅ローンは一般的に長期にわたり、20年から30年の返済期間が一般的である。このため、長期的な金利の動向や経済状況を考慮した計画が必要である。

どの州または市場をターゲットにしているかによって、ローンの条件や規制が異なることがある。大都市圏では市場が活発であるため、ローンの審査基準が厳しいことが一般的である。

不動産のリース(期間、延長・解除の是非)

ビクトリア州の住宅賃貸契約には、3つの種類がある。

  • 短期の有期契約
  • 長期の固定期間契約
  • 定期的(月単位)の契約

賃借者と賃貸業者は、ある種類の契約から別の種類の契約に変更することに合意できる。変更できる内容は以下のとおりである。

現在の契約を早期に終了し、新しい契約を開始することに相互に合意する。
現在の契約が終了するまで待ってから、新しい契約を開始する。
定期賃貸契約が終了すると、賃貸業者または賃借人のいずれかが契約終了の通知をしない限り、自動的に定期契約に変わる。ただし、両者が別の定期賃貸契約を開始することに合意することは可能である。

※州によって内容が異なる場合がある。

出典

〔不動産金融〕

PwCコンサルティング合同会社調べ(2024年11月)


〔不動産のリース〕

ビクトリア州消費者問題局

不動産に関する税制

不動産取得に関する税制

〔印紙税〕

印紙税は、土地や土地と特定の資産に関する権利の譲渡に対してオーストラリアのすべての州と特別地域において課され、通常は購入者に支払義務が生じる。印紙税の規定や対象となる資産の種類は、州または特別地域によって異なる。会社設立に際して設立自体が印紙税の対象となることはないが、株式やユニットトラストのユニットの取引については、会社・トラストが保有する資産の性質や所在地によって、土地所有者税/トラスト取得税の形で印紙税がかかる場合がある。

不動産保有に関する税制

〔土地税〕

土地税は、特定の時点(例えばニュー・サウス・ウェールズ州では12月31日午前0時の時点)で所有または共同所有されている土地の地価のうち、土地税上定められた一定の金額を超える部分につき年次課される。税率および土地税額評価日は、管轄区域によって異なる。さらに、一部の管轄区域では、外国人に対して土地税のサーチャージが適用される。ただし土地税は、生活上の本拠となる住居(自宅)には課されない。

その他税制

日本との間で二国間租税条約を発効済み。源泉税率は利子最大10%、配当金最大15%、ロイヤルティー最大5%

出典

〔不動産取得に関する税制、不動産保有に関する税制、その他税制〕

日本貿易振興機構(JETRO)「オーストラリアにおける企業設立および税務等に関するガイド


〔その他税制(租税条約等)〕

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る オーストラリア 税制

不動産取引に関する外国人及び外国資本に対する規制

外資に関する優遇措置もしくは規制

外国人投資家および居住者などの外資による土地所有に関しては、ほとんどの場合、権利を取得する前に外国投資審査委員会(FIRB)の認可が必要となっている。

住宅不動産

非居住者の日本人投資家は、通常、オーストラリアで中古住宅の購入を禁じられています。
新しい住居や開発のための空閑地や国防用地の購入を希望する日本人投資家は、その資産の価格にかかわらず、外資による投資に関する承認を申請する必要があります。

商業用不動産

日本人投資家は、通常、予定する取得物件の価格にかかわらず、商業向け空閑地の持ち分を取得する前に承認を求める必要があります。
開発済みの商業用地(センシティブな商業用地でない)の場合は、日本人投資家は、所有権の価値が 13 億 3,3900 万豪ドルを超えている場合にのみ承認を得る必要があります。

農業および農業関連事業

日本の投資家は、一般的に、オーストラリアの農業関連事業に対する直接的持ち分を取得する際、買収の対価となる価格と、投資家(およびその共同出資者)が保有する既存の持ち分または以前にその事業から取得した持ち分の合計が 6,700 万豪ドルを超える場合、FIRB の事前承認を得る必要があります。

鉱業権および生産権

日本の投資家が、鉱業権や生産権の取得を希望する場合、投資額や資産額にかかわらず、外資による投資に関する承認を申請する必要があります。

外国人による不動産の取引について

長期滞在者

中古物件を購入する場合には、外国投資審査委員会(FIRB)に申請しなければならない。オーストラリアに居住しなくなった場合には、購入した物件を3か月以内に売却しなければならない。
長期滞在者は、投資を目的とした住居を購入することはできない。

新築物件を購入した際には政府に申請しなければならず、空き地を購入した際には、4年以内に建設を終了しなければならない。

居住者でない外国人

居住者でない外国人が、投資を目的とした中古物件を購入することは、原則できない。新築物件を購入した際には政府に申請しなければならず、空き地を購入した際には、政府に申請を行い、4年以内に建設を終了しなければならない。

出典

〔外資に関する優遇処置もしくは規制〕

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る オーストラリアにおける企業設立および税務等に関するガイド」(2023年4月30日)


〔外国人による不動産の取引について〕

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る オーストラリア 外資に関する規制」(2023年12月1日)

主要都市等における不動産マーケット情報

主要都市などにおけるマーケット情報

    シドニー
    〔工業団地(土地)購入価格〕

    4,222米ドル ※物品・サービス税(GST)含む。土地税、弁護士費用(契約書類作成)、保険料、管理費等を除く。

    〔工業団地借料(1平方メートル当たり、月額)〕

    21米ドル ※物品・サービス税(GST)含む。土地税、弁護士費用(契約書類作成)、保険料、管理費等を除く。

    〔事務所賃料(1平方メートル当たり、月額)〕

    66米ドル ※GST含む。土地税、弁護士費用(契約書類作成)、保険料、管理費等を除く。

    〔市内中心部店舗スペース/ショールーム賃料(1平方メートル当たり、月額)〕

    147~1,325米ドル ※GST含む。土地税、弁護士費用(契約書類作成)、保険料、管理費等を除く。

    〔駐在員用住宅借上料(月額)〕

    4,110ドル ※GST,管理費など諸経費含まず。新規契約時に最大4週間分の保証金(Bond)をNSW州政府に預ける。解約時、破損状況等の問題がなければ、保証金額に金利を加えて払い戻される。

出典

日本貿易振興機構(JETRO)「投資コスト比較 シドニー(オーストラリア)」(2024年11月)

不動産業者に関する情報

主な国内不動産業者

〔デベロッパー〕
〔不動産仲介〕

不動産業(住宅販売等を含む)を展開する主な日系企業

  • 三井不動産
  • 三菱地所
  • 日鉄興和不動産
  • 阪急阪神不動産
  • 東京ガス
  • 積水ハウス
  • ダイワハウス
  • スターツグループ   等
出典

PwCコンサルティング合同会社調べ(2024年11月)

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