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建設分野で外国投資に関する規制はない。外国法人は土地所有を除き内国法人と差別なく取り扱われている。
カンボジアの外国直接投資に関する法制度は、基本的に投資を奨励するように設計されている。2021年10月15日、さらに投資を誘致・促進するよう新投資法が施行された。
新投資法は、投資奨励業種を対象に、租税・関税上の優遇措置が受けられる適格投資プロジェクト(QIP:Qualified Investment Project)を定めている。
国土交通省「日本インフラ産業の海外進出に係る基礎的情報に関する調査研究」(2017年6月)
日本貿易振興機構(JETRO)「カンボジア会社設立マニュアル」(2021年2月)
建築技術サービス、コンサルティング、設計図面作成、建築物の品質検査及び建築業を取り扱う法人または自然人は、土地管理・都市計画及び建設省(MLMUPC)に登録し、事業許可を取得することが義務付けられている。建築企業及び会社は、以下のとおり4つの類型に分けられている。
MLMUPCに申請を行わなければならず、建築に関する事業許可書の有効期限は3年であり、期限の30日前までに更新されなければならない。
日本貿易振興機構(JETRO)「カンボジア営業ライセンスマニュアル」(2018年3月)
公共団体による工事契約は、公開競争入札、公開競争入札以外の方法によって行う。
公共調達部門 (department of public procurement)において登録された事業体は、登録書に記載のある種類の入札制度への参加が可能となる。
公共事業・運輸省(Ministry of Public Works and Transport)のホームページで公表されている。
入札は、応札時点でカンボジアに事業法人を持たない企業がプロジェクト法人を設立するという形態でも応札は可能である。ただし事業が終了しプロジェクト法人が解散した後のメンテナンス対応を保障しなければならない。また通常、過去2年間に応札するプロジェクトの応札金額の2倍に相当する経験を持つこと、および応札金額の50%の流動資産を保有していることが条件となっている。
海外建設協会「カンボジア進出の手引き」(2015年4月)
カンボジア「公共調達法(2011年)」(2011年3月24日)
建築家(Architect)又は技術者(Engineer)として活動するためには専門家団体に登録する必要がある。登録団体には下記がある。
上記の団体の会員のうち業務経験等の条件を満たせば、申請により国土大臣からライセンスを受けることができる(外国の会社及び個人も取得可)。
国土交通省「カンボジアの建築基準規制」
外国人労働者の就業も幅広く受け入れているが、就業には労働許可証の取得が必要である。
カンボジアで外国人が就業するには、当該外国人が次の要件を満たしていることが必要(労働法第261条)。
2014年8月20日付労働省令第196号では、企業はカンボジア人労働者数の10%以下の人数の外国人を雇用できるとされる。内容は次のとおり。
もっとも、外国人労働者数がカンボジア人労働者数の10%を超える場合であっても、従業員割当申請の際に、後述の特例許可手続をとることが可能である。
外国人労働者がカンボジアに長期滞在するためには、ビジネスビザで入国し、入国後にビザの延長(1回当たり最長1年間)を行うことが必要である。
カンボジアに入国する外国人は、何種類かあるビザのうち、通常は観光ビザ(T)またはビジネスビザ(E)を取得する(この他に、外交ビザ、公用ビザ、学生ビザ、求職者ビザ、退職者ビザなどがある)。
現地法人、支店、駐在員事務所において、カンボジア人を少なくとも何人採用しなければならないといった法律上の定めはない。
日本貿易振興機構(JETRO)「外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」(2023年8月31日)
2019 年 11 月 2 日に建設法が新法として施行された。建築許可の制度は建設法の施行前にも存在し、土地の所有権の確認と集団基準への適合を主な審査事項として運用されていた。建設法の施行後、この建築許可は新法による建築許可に継承されている。なお、新法においては、単体基準も整備して審査事項に加えるとともに、建設認証機関の制度を創設して行政による許可の前提とし、民間による建築技術基準への適合認証を義務付けるものとした。
全ての建設物は、建築技術基準(building technical regulations 単体規定)に適合しなければならない(建設法 7 条)。また、建築工事のために用いられる全ての設計図書は、建築技術基準(building technical regulations 単体規定)及び都市計画基準(spatial urban regulations 集団規定)に適合しなければならないとしている(建設法33条)。
一般社団法人建築・住宅国際機構「海外の建築規制」
43.9億(2022年)、40.9億(2021年)、39.2億(2020年)
(Value Added by Economic Activity, at current prices - US Dollars)
設計・建設企業数:354社(うち29社は外資系)(2022年)
カンボジア政府「国勢調査(2022)」(2023年8月)
建設従事者数:6,779人(2022年)
カンボジア政府「国勢調査(2022)」(2023年8月)
〔鉄道〕
アジア開発銀行「Key Indicators for Asia and Pacific 2023」 P242
〔電力〕
アジア開発銀行「Key Indicators for Asia and Pacific 2023」 P249
〔上下水道〕
The World Bank「World Development Indicators 2017」 Improved water source
カンボジアを含むメコン経済圏では、 平成 30 年10月の「第10回日メコン首脳会議」において、今後の日メコン協力の方向性を示す「東京戦略2018」が採択された。
同戦略は、生きた連結性、人を中心とした社会、グリーン・メコンの実現を3本柱として協力を進めていくことを定めている。同会議において、安倍総理は、これまで以上の民間投資の実現を後押ししたいとの決意を表明した上で、各国首脳に対し、我が国企業の声に耳を傾け、投資環境の整備を着実に進めるよう要請。
(基本方針)
2030年までの高中所得国入りの実現に向けた経済社会基盤の更なる強化を支援
(重点分野)
(基本方針)
高い民間投資需要に応えるべく経済活動の基盤となる基礎インフラ・ソフトインフラの整備を促進する。特に、南部経済回廊及びシハヌークビル港を拠点として、質の高いインフラ整備を通じた更なる連結性向上、貿易円滑化、投資基盤(都市インフラ・電力)整備を行う。
(重点分野)
経協インフラ戦略会議「インフラシステム輸出戦略(令和2年度改訂版)」(2020年7月9日)
外務省「国別開発協力方針・事業展開計画」
海外建設協会調べ
(単位:億円)
外務省「ODA(政府開発援助)」
売上:200万USD
設立年:2000年
概要:カンボジア国内の民間企業であり、金融、インフラ、不動産事業を展開。
売上:700万USD
設立年:1992年
概要:国内最大規模の建設企業として、高級ホテル、高級別荘、大使館、オフィス、住宅等の開発を行う。
売上:80万USD
設立年:2011年
概要:建築、インテリア、都市マスタープラン、土木、構造、機械、電気エンジニアリング、プロジェクト&建設管理、コスト管理、建設資材提供、不動産開発などのサービスを提供。
売上:NA
設立年:1993年
概要:機械、電気工学、空調、電力、再生可能エネルギー、水道、配管、防火、ネットワークインフラストラクチャ、セキュリティの管理・自動化、エレベータ・エスカレータソリューション等の分野でシステムを提供。
売上:800万USD
設立年:2015年
概要:2015年にプノンペンで設立されたカンボジアの建設会社で、新興企業ながら同国有数の建設会社として事業を展開。
売上:NA
設立年:1997年
概要:空港、鋼構造物の製作、ダム、港湾、石油・ガス設備等の建設及び開発を手がける。
売上:280万USD
設立年:2010年
概要:ローカルに強い国内建設企業として、小売・ショールーム、ホテル、レストラン、リゾート施設、教育機関施設等の建設を手がける。
野村総合研究所調べ(2021年2月)
PwCコンサルティング調べ(2024年2月)
建設経済研究所調べ(2014年11月)
NNA調べ(2017年11月)
建設経済研究所調べ(2014年11月)
NNA調べ(2017年11月)
World Bank「Doing Business」
カンボジアよりランクが低い国の割合(2022年)
World Bank「Worldwide governance Indicators」
2018年9月に公表された、「四辺形戦略」のフェーズ 4(以下、RS4)において、ガバナンス改 革の推進を中心に据えた今後 5年間の4つの優先分野は、「人的資源開発」のほか、「経済の多様化」、 「民間セクター開発・市場開拓」及び「持続的で包摂的な開発」となっている。
フランスの支援により2015年12月に策定された。マスタープランで示された土地利用計画では産業・商業区域、住宅区域、保全区域などゾーン別に開発方針が立てられ、道路や上下水道、港湾、空港、公園、住宅といった主要なインフラ開発に注力するとしている。
Ministry of Planning(計画省)
以下の 3 つの国家戦略計画の成果を通じて、持続可能な開発目標2と17、および WFP 戦略計画の戦略成果1と4に貢献するもの。
〔四辺形戦略〕
カンボジア政府「第四次四辺形戦略」
〔プノンペン・マスタープラン2035〕
World Bank「URBAN DEVELOPMENT IN PHNOM PENH」
〔国家戦略開発計画 2024-2028〕
国連食糧計画(WFP)「カンボジア国家戦略開発計画 2024-2028」
概要:首都プノンペンとタイ国境を結ぶ国道五号線の沿線地域において、橋や道路排水施設を含む地方道路の改良及び拡幅を行う
供与額:236億9,200万円
概要:2017年に署名した円借款「シハヌークビル港新コンテナターミナル整備計画」において整備が進む新コンテナターミナルを拡張し、第2及び第3ターミナルの整備並びに荷役機械の調達等を行う
供与額:413億8,800万円
概要:カンボジア地雷対策センターの研修機能を担う施設及び広報施設の建設を行う
供与額:24億5,100万円
概要:首都プノンペンとタイ国境を結ぶ国道5号線のスレアマアム-バッタンバン間及びシソポン-ポイペト間において,既存道路の改修及び拡幅並びにバイパスの整備等を行う
供与額:177億200万円
概要:首都プノンペンとタイ国境を結ぶ国道5号線のプレッククダム-スレアマアム間において,既存道路の改修及び拡幅並びにバイパスの整備等を行う
供与額:117億1,500万円
外務省「ODA(政府開発援助)」(2022年12月21日)
日本政府が継続的に開発を支援し、我が国企業が運営に参画するシハヌークビル港において、コンテナ取扱貨物量の増大に対応するため、新たなコンテナターミナルを整備する事業
日本政府が継続的に開発を支援し、我が国企業が運営に参画するシハヌークビル港において、コンテナ取扱貨物量の増大に対応するため、新たなコンテナターミナルをさらに拡張する事業
プノンペン都南西部において排水施設及び調整池を整備・改修する事業
国土交通省「インフラシステム海外展開行動計画(令和5年版)」(2023年6月)
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