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「2020年統合版FDI政策」に外資規制が集約されている。
外国直接投資が禁止される分野(Prohibited Sector)、出資比率上限等の条件付で許可される分野(Permitted Sector)が規定されている。
外国直接投資の認可制度は、政府当局の事前認可を必要としない「自動認可ルート」、事前に個別認可を必要とする「政府認可ルート」の2種類がある。
次の業種への外国直接投資は禁止されている。
建設開発:タウンシップ、ハウジング、インフラ整備建設〔2020年統合版FDI政策、項目5.2.10〕
建設開発プロジェクト(タウンシップの開発、住宅/商業施設の建設、道路または橋、ホテル、リゾート、病院、教育機関、レクリエーション施設、都市および地域レベルのインフラが含まれる)は、政府のガイドラインに従うことを条件に、自動認可で100%まで出資が可能。建設開発プロジェクトの各フェーズは、個別のプロジェクトとみなされる。
撤退は、プロジェクトあるいは道路、水道、街灯、下水・排水道等のインフラ主要開発業務を完了した後に可能。
なお、当該出資金をプロジェクトを完了せずに本国送金する場合、その出資金の拠出時期単位ごとに、それぞれの拠出時から3年後となる。ただし、非居住者から他の非居住者への株式譲渡には、ロックイン期間や政府の承認は必要ない。
しかし、SEZの開発、ホテルならびに観光施設、病院、老人ホーム、教育用施設、非居住インド人による投資に関しては、前述の3年間の譲渡禁止期間の条件は課せられない。
不動産事業、農家住宅の建設業、移転可能な開発権(TDRs)のトレーディング事業に従事している(または従事しようとしている)企業に、外資は認められていない。
不動産事業とは、土地等の固定資産の取り扱いにより利益を得ることで、タウンシップの開発、住居・商業施設、道路や橋、教育施設、娯楽施設、都市・地域等のインフラやタウンシップの建設を含まない。
不動産を譲渡ではなく、賃貸またはリースし、所得を得る場合、不動産事業とはみなされない。
なお、不動産仲介サービスは不動産業には該当せず、自動認可ルートにて100%の外国投資が認められている。
外国企業の支店に許される活動に、建設業は含まれていない。工事を受注する場合、現地法人またはプロジェクトオフィスを設立する。
通常、プロジェクト・オフィスは、大規模な建設事業、土木工事およびインフラ整備といった大規模プロジェクトを実施するために設立され、プロジェクト終了後はインドからの撤退を前提としている。
プロジェクト・オフィスの設立申請は、インド準備銀行(RBI)が指定する以下の条件を満たす場合、一般的に許可される(general permission)。そうでない場合には、RBIの個別の承認が必要となる。
〔規制業種・禁止業種〕
Department of Industrial Policy and Promotion Ministry of Commerce and Industry Government of India「Consolidated FDI Policy」
〔規制業種・禁止業種、工事受注にあたっての設立義務〕
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る インド 投資制度 外資に関する規制」(2023年09月08日)
建設、設置、補修工事に関する役務に対して個別の法律は存在せず、一般的な会社法、外国為替法等が適用される。
日本貿易振興機構(JETRO)「建設・設置・補修工事に関する制度(インド)(2014年2月)」
政府当局が入札をする際の主な手法は、(a)公開入札法(一般競争入札)、(b)制限入札法、(c)単独入札法の3 種類である。
一段階二封筒方式において、プロジェクト経験(過去に実施した案件数と規模)、財務キャパシティ(財務状況と企業体力)について審査が行われる。
資格審査要請書(RFQ) RFQ は、民間企業から入札やプロポーザルの提出を求めるに先立ち、民間企業側が十分な資格を備えているかを審査(事前資格審査、PQ)するために民間企業側に情報提供を求めるものである。RFQが含む事項は以下の通りである。 ・プロジェクトを遂行するための技術力 ・プロジェクトを遂行するための財務力 ・過去のプロジェクト実績 スポンサー省庁・機関は、RFQに記載されている基準に基づき情報を提供した民間企業の技術、財務能力等の評価し、基準を満たさない企業を除外する。
落札者による契約実行拒否に対するEM(earnest money)、意図的でない履行不能に対するSD(security deposit)、遅延保証等がある。
経済産業省「平成25年度 新興国市場獲得に向けた法制度等の基礎調査」
建設経済研究所調べ(2014年11月)
野村総合研究所調べ(2021年2月)
インド統計・計画実行省「CONTRACT DOCUMENT FOR DOMESTIC BIDDING」(2005年4月)
建築家(Architect)を職業とする場合、Architect Council of Architectureへの登録が必要である。
Professional Engineerの認証が Institution of Engineers Indiaにより行われている。
外国人の就業規制は特段ない。
就労ビザは、国籍に応じて初回は1年までの数次ビザが発給され、以後、最大10年まで延長可能。就労ビザあるいは帯同ビザを持つ日本人の在留許可期間は、就労ビザと同じになり、1年ごとの在留許可の更新は必要なくなった。所定の技能を有する日本人の場合、初回は3年有効のビザも可能。日印社会保障協定は2016年10月1日付で発効している。
インド政府は2017年度にe-FRROを導入した。これにより外国人は、登録手続きのために外国人地域登録局(FRRO)に出向く必要がなくなった。インド全国のFRRO・FRO事務所において適用となっており、次のサービスを受ける場合にはe-FRROへの登録が必須となっている。
連邦レベルでの義務なし。他方、州レベルでの義務がある場合がある。
日本貿易振興機構(JETRO) 「国・地域別に見る インド 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」
州や大都市がそれぞれ定めた建築条例Building Bye Lawに基づき、各地方政府が基準の制定及び個別の許認可等を実施している。ただし、首都デリーの場合は、連邦の直轄領なので、連邦が定めたデリー行政法に基づきデリー行政区が個別の許認可等を運用している。
一般社団法人 建築・住宅国際機構「海外の建築規制」
2579(2022年)、2351(2021年)、1813(2020年)
(Value Added by Economic Activity, at current prices - US Dollars)
公企業: 5,368 私企業:104,660 (2015年)
Ministry of Statistics and Programme Implementation「Statistical Year Book, India 2016」
5100万人(2017年)
Construction Industry Development Council (CIDC)「12th Five Year Plan (2012-2017)」
〔道路〕
アジア開発銀行「Key Indicators for Asia and Pacific 2023」P239
〔鉄道〕
アジア開発銀行「Key Indicators for Asia and Pacific 2023」P242
〔電力〕
アジア開発銀行「Key Indicators for Asia and Pacific 2023」P249
〔上下水道〕
The World Bank「World Development Indicators 2015」
ムンバイ~アーメダバード間の高速鉄道事業に日本の新幹線システムの採用が決定されるなど、インフラ協力の具体化が進行中。また、これに伴い人材育成、「MakeinIndia」に貢献する形でのインフラ協力が徐々に進んでいる。 また、都市部における公共交通システムの整備等幅広い交通インフラや生活インフラの整備が計画されていること等を踏まえ、交通(高速鉄道、メトロ・都市鉄道、道路等)・電力等の基盤インフラ整備での支援や医療・保健、農業・食品分野での協力を行うとともに、デリー・ムンバイ間産業大動脈(DMIC)構想やチェンナイ・ベンガルール間産業回廊(CBIC)構想等への関与を推進し、日本の技術を活用したスマートコミュニティや交通インフラ等進出日系企業の投資環境整備に資する日本工業団地周辺の電力・水・道路等の基幹インフラを含むインフラ案件の形成・整備及び産業人 材育成を実施。 また、モディ政権発足以降、州政府レベルによる投資促進の取組が活発化しているため、州ごとに適したインフラ案件の創出及び日本の技術の売込みを企図。 また、「アジア・アフリカ地域における日印ビジネス協力プラットフォーム」を設立し、インドの輸出競争力強化及び日印ビジネス界の連携強化を企図。
経協インフラ戦略会議「インフラシステム輸出戦略(令和2年度改訂版)」
海外建設協会調べ
単位:億円
外務省「ODA(政府開発援助)」
売上:1兆1,000億ルピー(2016年度 営業利益)
設立年:1938年
商用プロジェクト向けにテクノロジー、エンジニアリング、建設、製造、金融サービスを提供。国内での売り上げが半分以上を占めるものの、海外30か国でもサービスを展開。
売上:461億ルピー(2019年度 営業利益)
設立年:1958年
エンジニアリング建設、セメント、電力、不動産、高速道路、肥料、ホスピタリティ、ヘルスケア、スポーツ、情報技術、教育 (非営利) といった事業を展開。
売上:236億ルピー(2019年度)
設立年:1963年
国内最大の不動産会社の1つであり、業界のさまざまな側面に関与。高級住宅、中所得者向け住宅、オフィス、複合商業施設、商業施設、ホテル、インフラ、ゴルフ場などのレジャー・プロジェクトを開発。
売上:1,051億ルピー(2020年)
設立年:1979年
道路、橋、鉄道と地下鉄システム、商業ビルと空港の建設と発電プラント、送電と配電システム、化学プロセスプラント、水と廃棄物の管理、鉱山・金属の浄化システム設置のためのターンキーソリューション等を提供。
売上:614億ルピー(2015年)
設立年:1922年
インド最大級の土木建設会社であり、道路・橋梁の専門性を要する建設・ターンキーエンジニアリングプロジェクトの開発を行う。
売上:943億ルピー(2019年)
設立年:1926年
1926年当初は公開有限会社として設立された。主に道路建設の分野で事業を展開
建設経済研究所調べ(2014年11月)
NNA調べ(2016年9月)
建設経済研究所調べ(2014年11月)
NNA調べ(2016年9月)
建設経済研究所調べ(2014年11月)、NNA調べ(2016年9月)
建設経済研究所調べ(2014年11月)、NNA調べ(2016年12月)
World Bank「Doing Business」
インドよりランクが低い国の割合(2022年)
World Bank「Worldwide governance Indicators」
計画概要:
インフラ接続プロジェクトの統合的な計画と調整された実施のために16省庁を統合したマルチモーダル接続のための国家マスタープラン。省庁間の縦割りを排し、インフラ輸送網(道路、鉄道、空港、港湾等)を統合的に整備することを目指すもの。
6 つの柱:
包括性: さまざまな省庁の既存および計画されているすべての取り組みが 1 つの集中ポータルに含まれ、各部門は相互の活動を可視化し、包括的な方法でプロジェクトを計画および実行する際に重要なデータを提供
優先順位付け: さまざまな部門が部門を超えた対話を通じてプロジェクトの優先順位を付けることが可能
最適化: 国家マスタープランは、重大なギャップを特定した後、さまざまな省庁がプロジェクトを計画するのを支援
同期: 部門間の作業の調整を確実にすることで、各部門およびガバナンスのさまざまな層の活動を総合的に同期
分析: この計画では、GIS ベースの空間計画と 200 以上のレイヤーを持つ分析ツールを使用して、データ全体を 1 か所で提供し、実施機関の可視性を向上
ダイナミック: 衛星画像によって地上の進捗状況が定期的に表示され、プロジェクトの進捗状況が随時更新されるため、すべての省庁が GIS プラットフォームを通じて分野横断的なプロジェクトの進捗状況を視覚化、レビュー、監視可能
国家マスタープラン「Gati Shaki National Master Plan」(2021年)
財務省「インドの経済・産業政策、FDI動向、予算及び政策決定プロセス」(2022年12月7日)
概要:ビハール州の州都パトナ市において、パトナ・メトロ1号線及び2号線を建設する
供与額:986億1,200万円
概要:マハラシュトラ州ムンバイとグジャラート州アーメダバードとの間において、日本の新幹線システムを利用して高速鉄道を建設する
供与額:3,000億円
概要:マハラシュトラ州ムンバイからグジャラート州アーメダバード間において、日本の新幹線システムを利用して高速鉄道を建設する
供与額:1,000億円
概要:マハラシュトラ州ムンバイ都市圏において、半島側のムンバイ中心部からムンバイ湾を挟んだ東郊のナビムンバイ地域を接続する海上道路を建設する
供与額:307億5,500万円
概要:首都デリーとインドの西の玄関港であるムンバイ間を結ぶ貨物専用鉄道(Dedicated Freight Corridor(DFC))を建設する
供与額:1,165億2,000万円
概要:インド北東部のトリプラ州を南北に横断し、バングラデシュ国境につながる国道208号線の整備を行う
供与額:231億2,900万円
概要:南部タミル・ナド州のチェンナイ都市圏において、地下鉄を建設する
供与額:730億円
概要:カルナタカ州ベンガルール都市圏において、総延長80キロメートルの地下鉄3路線(2A号線・2B号線・6号線)を建設する
供与額:520億3,600万円
概要:デリー首都圏において、総延長65キロメートルの地下鉄3路線(7号線及び8号線の延伸・10号線の新設)を建設する
供与額:1,199億7,800万円
概要:西ベンガル州のコルカタ都市圏において、総延長16キロメートルの地下鉄を建設する
供与額:90億9,100万円
概要:インド北東部地域のアッサム州において、スリランプルからドゥブリまでを結ぶ道路(橋梁、排水路等含む)の改修・拡幅(4車線)及び4か所のバイパスの新設(総延長約54キロメートル)を行う
供与額:152億8,500万円
概要:グジャラート州アーメダバード都市圏において,地下鉄2路線(南北線・東西線)を建設する
供与額:139億6,700万円
概要:貨物専用鉄道の計画区間であるデリー・ムンバイ間及びルディアナ・デリー・ソンナガル間のうち,特に整備優先度が高いとされるグジャラート州,ラジャスタン州及びハリヤナ州の主要都市を結ぶ新線を建設し,全自動信号・通信システム及び大容量かつ高速の機関車を導入する
供与額:1,300億円
概要:マハラシュトラ州の州都ムンバイ都市圏において,総延長約34kmの大量交通輸送システムを建設する
供与額:399億2,800万円
概要:マハラシュトラ州ムンバイ都市圏において,半島側のムンバイ中心部からムンバイ湾を挟んだ対岸のナビムンバイ地域を接続する海上道路を建設する
供与額:669億900万円
概要:インド北東部地域におけるトリプラ州カイラシャハールからコワイまでを結ぶ国道の改良(総延長約80km)及びコワイにおけるバイパス(総延長約5km)の新設を行う
供与額:149億2,600万円
外務省「ODA(政府開発援助)」(2023年10月6日)
日本の新幹線システムを利用してムンバイ~アーメダバード間(約500km)を結ぶ高速鉄道を整備する事業
タミル・ナド州のチェンナイ都市圏において、大量高速輸送システムを整備する事業
国土交通省「インフラシステム海外展開行動計画(令和5年版)」(2023年6月)
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