- アジア・中東
- 北米・中南米
- 欧州・アフリカ・大洋州
外国企業のインド法人、支店およびプロジェクト・オフィスによる不動産の購入は可能。駐在員事務所については不可。
一般に、外国企業がインドで土地を取得するのは難しいと言われる。その要因としては、主に土地登記制度と土地収用手続の問題がある。日本同様、インドにも土地の権利を管理する制度が存在するが、それは土地所有権ではなく、過去の権利関係の変遷にかかる土地取引関連書類を登記するシステムであり、州法に応じた制度の相違やローカル言語で作成される書類もある。
また、州や地域によってはその整備状況が不十分で、例えば登記情報が電子化されていない地域では現地に赴いての物理的な権利調査が必要なケースもあるなど、土地の権利関係の確認は容易ではない。また、政府による土地収用においても、収容要件である公的目的(Public Purpose)の該当性や、収用補償金を巡る地域住民との紛争が少なくない。工業用水・排水の設備、電気の供給手段についても、事前に入手した情報を実態が異なることが多く、現地での確認が必須である。
不動産鑑定士は富裕税法令のもと国家資格として認められており、IOV(Institution of Valuers)という組織にて取得できる。銀行や団体など評価業務を行う者であっても必ず取得すべきものではない。当該資格を取得せずに評価業務を行っている会社は多い。
多くの民間企業は、現時点では英国王立チャータード・サベイヤーズ協会(RICS:Royal Institution of Chartered Surveyors)に従っており、RICS基準とその資格者が、規範となりつつある。尚、不動産鑑定業者数は多くの小規模国内会社があり、詳細は不明である。
国は、2011年から国際財務報告基準(IFRS:International Financial Reporting Standards)の適応のため、IVSの導入に関心は示しているものの、積極的に取り組んでいるとは言えない状況である。
インドでは、独自の基準として富裕税法令の基準があるが、殆ど使われていない。また、国内の評価人が規範とするような他の評価基準を規定する組織もない。その様な状況下で、多くの評価会社は、現時点ではRICS基準に従っており、RICS基準とその資格者が、規範となりつつある。国は、IFRSの適応を背景にIVSに興味を持っているようであるが、鑑定士はIVS導入に積極的とは言えないようである。海外顧客はRICSとIVSを求めており、欧米系の評価会社がそのような要求に応えているのが現状である。
各州政府による不動産業ライセンスを取得する必要がある。
資格条件は各州により異なる。受験資格は複数年不動産会社に勤務した者。ライセンスは発行した州内のみ有効。従って、複数の州で不動産事業を行うためには州ごとにライセンスを取得する必要がある。ライセンス有効期間は各州の法令で決まっている。ライセンス取得試験に合格した者は、「National Association of Realtors (NAR) に加入する義務がある。
〔土地・不動産の所有権〕
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る インド 外資に関する規制」(2024年03月14日)
〔土地・不動産の登記〕
国際協力銀行(JBIC)「インドの投資環境/2023年2月」
〔不動産の鑑定評価〕
国土交通省「不動産鑑定評価基準の国際化に関する検討業務に係る調査報告書」(2011年3月)(p.83)
建設開発プロジェクト(タウンシップの開発、住宅/商業施設の建設、道路または橋、ホテル、リゾート、病院、教育機関、レクリエーション施設、都市および地域レベルのインフラが含まれる)は、政府のガイドラインに従うことを条件に、自動認可で100%まで出資が可能。
不動産事業、農家住宅の建設業、移転可能な開発権(TDRs)のトレーディング事業に従事している(または従事しようとしている)企業に、外資は認められていない。
不動産事業とは、土地等の固定資産の取り扱いにより利益を得ることで、タウンシップの開発、住居・商業施設、道路や橋、教育施設、娯楽施設、都市・地域等のインフラやタウンシップの建設を含まない。
不動産を譲渡ではなく、賃貸またはリースし、所得を得る場合、不動産事業とはみなされない。
なお、不動産仲介サービスは不動産業には該当せず、自動認可ルートにて100%の外国投資が認められている。
2016年3月25日に不動産取得者の保護を拡充する目的で、2016年不動産(規制・開発)法(以下「本法」という。)を制定。 本法により、不動産プロモーターは、開発した不動産の構造上の欠陥が顧客への引渡し後5年以内に発見された場合、当該欠陥を発見した旨の通知を受けてから30日以内に、無償で当該欠陥を是正する義務を負うこととなった。
モディ首相は 2014 年 9 月、「メーク・イン・インディア」(Make in India)と称される一連の製造業振興プログラムを公式に発表した。インドのこれまでの経済発展は、IT 分野やビジネス・プロセス・アウトソーシング(Business Process Outsourcing:BPO)などのサービス産業が牽引してきた。このため、製造業の成長率は相対的に低く、総付加価値の 16%を占めるに過ぎない(2014年当初)。このような中、政府は同プログラムを通じて GDP に占める製造業のシェアを 2025 年までに 25%まで引き上げることを目標としている。
2020 年 4 月に国内生産を促す生産連動型優遇策(Product Linked Incentive:PLI)の導入を発表した。PLI スキームは、インド国内で製造された製品の売上高の増加分を補助金として企業へ支払うという政策であり、同政策を通して外国企業によるインドでの拠点設立、既存拠点の拡大を促し、雇用機会を創出するほか、インドの海外輸入への依存を減らすことを目的とした政策である。
並行して、行政手続きの電子化や ICT インフラ整備を行う「デジタル・インディア」(DigitalIndia)、人材開発プログラムの「スキル・インディア」(Skill India)も進められ、製造業の振興に向けて包括的な体制が構築されている。
〔不動産を取引する際の制度〕
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る インド 外資に関する規制」(2023年09月08日)
〔消費者保護〕
Real Estate(Regulation andDevelopment)Act,2016
〔不動産行政の方向性〕
国際協力銀行「インドの投資環境/2023年2月」
〔不動産金融〕
Reserve Bank of India「Frequenty Asked Questions Housing Loans」
不動産の市場価格または実際の売買価格の高い額、または賃貸の予定支払総額に対して、一定の印紙税(Stamp Duty)および登録免許税(Registration Fee)を支払う。住宅の賃貸サービスはサービス税の対象外となっている。
地方税で州によって課税率などが異なるが6~12%の範囲。
地方税で州によって課税率などが異なるが1~3%の範囲。上限額が1~2万ルピーと設定されていることが多い。
インドの固定資産税は、州政府や市当局など地方自治体の管轄となる。固定資産税は不動産の査定価格に基づいて課され、税率も地方によって違いがあるものの、一般的に1.0~5.5%程度と言われている。
日印間で租税条約が締結されている。
同条約を適用した場合の源泉課税率は、利子所得、配当所得、ロイヤルティーおよび技術役務提供報酬はすべて10%。
〔不動産取得に関する税制〕
野村総合研究所調べ(2021年2月)
〔不動産取得に関する税制、その他税制(租税条約等)〕
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る インド 税制」(2023年09月08日)
〔その他税制(租税条約等)〕
日本不動産鑑定士協会連合会「アジアの不動産諸事情の調査結果」(2013年3月)(p.7)
外国企業のインド法人、支店およびプロジェクト・オフィスによる不動産の購入は可能。駐在員事務所については不可。
不動産事業、農家住宅の建設業、移転可能な開発権(TDRs)のトレーディング事業に従事している(または従事しようとしている)企業に、外資は認められていない。
不動産事業とは、土地等の固定資産の取り扱いにより利益を得ることで、タウンシップの開発、住居・商業施設、道路や橋、教育施設、娯楽施設、都市・地域等のインフラやタウンシップの建設を含まない。
不動産を譲渡ではなく、賃貸またはリースし、所得を得る場合、不動産事業とはみなされない。
なお、不動産仲介サービスは不動産業には該当せず、自動認可ルートにて100%の外国投資が認められている。
外国人の就業規制は特段ない。
就労ビザは、国籍に応じて初回は1年までの数次ビザが発給され、以後、最大10年まで延長可能。就労ビザあるいは帯同ビザを持つ日本人の在留許可期間は、就労ビザと同じになり、1年ごとの在留許可の更新は必要なくなった。所定の技能を有する日本人の場合、初回は3年有効のビザも可能。日印社会保障協定は2016年10月1日付で発効している。
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る インド 外資に関する規制」(2023年09月08日)
〔就労ビザ、長期滞在について〕
日本貿易振興機構(JETRO)「外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」(2023年09月08日)
(購入という形式だが、実際は99年の長期リース)
(調査実施時期:2022年11月~2023年1月)
Computer-aided Administration of Registration Department (CARD)
デジタル化は、Maharashtra, Tamil Nadu and Andhra Pradeshなどの州では完了し、他の州も進行中である。これらデータはWeb上で閲覧可能。
〔主要都市等におけるマーケット情報〕
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る 投資コスト比較」
※データベースについては、関係機関等から収集した情報を掲載しており、必ずしも正確性または完全性を保証するものではありません。掲載情報の詳細については、出典元にお問い合わせいただくようお願いいたします(掲載情報以外の内容については、国土交通省としてお答えできません)。また、閲覧者が当データベースの情報を用いて行う一切の行為について、国土交通省として何ら責任を負うものではありません。